今日は近隣の店へ。
敬老の日に絡む三連休。
その中日の日曜日。
私の自宅のそばは競合が激しい。
一番近くにあるのが、
オーケー妙蓮寺店。
そのそばにヨークマート妙蓮寺店。
車で10分ほどのところに、
さらにオーケー西寺尾店。
そして大口にMEGAドン・キホーテ大口店、
道路を隔ててライフ大口店。
2018年11月19日の商人舎流通SuperNews。
ライフnews|
ライフ大口店(2層747坪)刷新/食強化でドンキ対策
向かいのユニーが、
MEGAドンキに転換してから、
9か月後にリニューアルオープン。
入り口には、
正面に青果、右手に惣菜。
ダブルコンコース。
その後、惣菜の平台商品が増えている。
ベーカリーから日配部門につながって、
奥に鮮魚の対面売場。
アメリカの最新店には、
奥主通路に必ず対面売場がある。
鮮魚と精肉。
ライフ大口店では、
この鮮魚対面コーナーが、
店の楽しさをつくりだしている。
私もこの売場で5アイテムくらい購入した。
そして2階にはスギドラッグ。
この店、人気でレジに行列ができている。
2018年2月2日の商人舎流通SuperNews。
ユニーnews|
ドンキとのダブルネーム第1号「大口店」2/23オープン
奥は鮮魚、精肉。
派手な演出がドンキらしい。
それから回り込んで惣菜。
寿司や弁当など米飯が多い。
そして客層はライフとは明らかに異なる。
若い夫婦などが多い。
ライフとドンキ、
棲み分けが進んで、
一定程度安定している。
上階の非食品売場で、
私も買物することがある。
総合スーパーの強みが生かされている。
一方のライフは、
スギドラッグとのコンビネーション。
業態の違いを前提に、
それぞれがポジショニングを構築している。
安心して、
目的に沿って買物できる。
日経新聞「私の履歴書」
今月は鈴木忠志さん。
1939年生まれの85歳。
1966年に早稲田小劇場を創立した演出家。
そのころ「状況劇場」の唐十郎、
「天井桟敷」の寺山修司、
「自由劇場」の佐藤信とともに、
アングラ四天王と呼ばれた。
「地下」を意味する「アンダーグラウンド」は、
アメリカの前衛映画に用いられた言葉だ。
しかし日本では「アングラ演劇」となった。
その鈴木忠志さん。
1972年4月に初めて海外から招かれる。
フランス政府主催の「諸国民演劇祭」だ。
そこで出会ったのがジャン=ルイ・バロー。
演出家で俳優。
映画「天井桟敷の人々」の名演で知られる。
そのバローの劇場は、
最近まで人が住んでいた、
パリのありふれた住宅で、
仕切りの壁を壊した四角い空間だった。
真ん中にプロレスのリングのような舞台があり、
四方を囲む客席の階段はベニヤだった。
鈴木は述懐する。
「世の中には、
通常、過剰、異常という
言葉がある」
「演劇人は通常以外のエネルギーを
保持することが大切。
それが若いころの私のモットーだったが、
そのお手本が目の前にあった」
通常、過剰、異常。
アングラ四天王には、
これが共通していた。
面白い。
ライフが「通常」主体ならば、
ドンキは「過剰」主体か「異常」主体か。
それをことさらに強調している。
鈴木忠志は演劇人として、
「通常以外のエネルギー」を保持する。
「驚安」のドンキは、
演劇人のようなマインドの商人なのだろうか。
しかしスーパーマーケットは、
「通常」がいい。
そのお手本がライフなのだ。
だから私は「通常」のものはライフで買う。
けれど、たまに考えることがある。
ライフにもときには過剰と異常があっていい。
ドンキにも通常があるべきだ。
「過剰と異常」ばかりでは、
顧客は疲れる。
いつも「通常」だけでは、
顧客は飽きる。
その塩梅が「商売」であり、
ポジショニングなのだと思う。
鈴木忠志の「通常・過剰・異常」は、
商売に通じる概念なのだ。
ありがとう。
〈結城義晴〉