結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年10月29日(火曜日)

ドジャースの「団結」と「デモクラティックな組織」

Major League Baseball。
略してMLB。

ドジャースの中心選手ムーキー・ベッツ。
本名はMarkus Lynn Betts。
テネシー州ブレントウッド出身。
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頭文字が「MLB」になるように名づけられた。

そのMLBの最後の7戦。
ナ・リーグとア・リーグの対決なのに、
ワールドシリーズと呼ぶ。

日本のセリーグとパリーグは、
日本シリーズ。

ならばMLBはUSAシリーズだろうが、
内容はやはりワールドシリーズだ。

世界中の優れたベースボーラーが集まっている。

大谷翔平も山本由伸も、
日本の最高峰の野球選手だ。

そのワールドシリーズ第3戦。

あっさりとドジャースが勝利した。

大谷は第2戦で左肩を亜脱臼した。
それでも1番指名打者で出場して、
5打数2出塁。

初回の四球での出塁は、
3番フレディ・フリーマンの本塁打で、
2得点に貢献した。

フリーマンも右足首の捻挫で、
万全の体調ではない。
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大谷もフリーマンも、
どちらも見ていて痛々しい。

大谷は左肩をサポーターでカバーし、
痛み止めを飲んで、
丁寧なバットスイングだ。

走るときにも左手は襟元を持って、
左肩に負担がかからないようにしている。

それでも大谷翔平が出場して、
ナインは奮い立った。
団結した。

キャッチャーのウィル・スミスも、
闘志をむき出しにした。
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結局、4対2の快勝。

これでヤンキースに対して、
王手をかけた。

あと1戦で終わりか。
もっと見ていたい気もするし、
大谷の亜脱臼を考えると、
すぐに終わってほしい気もする。

さて毎日新聞巻頭コラム「余録」
民主主義を語る。

「平等な選挙権と多数決の原則を
組み合わせただけで
利益を平等に配分できるわけではない」

「勝者総取りのシステムでは
恒久的な少数派を生む可能性もある」

アメリカ大統領選挙の仕組みが、
州ごとの勝者総取りシステムである。

ジェーン・マンスブリッジ博士。
ハーバード大学ケネディ・スクール教授。
民主主義研究で知られる女性学者、84歳。

「話し合いや議論で最善の答えを見つける前に
多数決で決着をつけようとする政治のあり方を
『敵対的民主主義』と呼んだ」

今、展開されている米国大統領選は、
醜い敵対的民主主義だ。

日本の衆議院総選挙も、
敵対的民主主義だった。

対して、
「異なる意見に耳を傾け、
立場を修正していく議論は
『熟議民主主義』と呼ばれる」

ユルゲン・ハーバーマスが唱えた。
ドイツの政治哲学者。

サミット社長・会長だった荒井伸也さん。
『サミットスタディ』の中で言った。
「経営はデモクラティックでなければならない」
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つまり会社は、
民主主義的でなければならない。
同感だ。

それも「敵対的民主主義」ではなく、
「熟議民主主義」である。

故渥美俊一先生はチェーンストアを、
「経済民主主義」を実現させるための、
方法論と位置づけた。
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ここで使われる「経済民主主義」は、
チェーンストアの社会性や公平性を意味していて、
言葉を単純にとらえたものだ。

この概念は1928年にはじめて、
フリッツ・ナフタリが『経済民主主義』と題して、
多くの研究者の議論をまとめた。

ナフタリはユダヤ系ドイツ人の経済ジャーナリスト。
ドイツ・ワイマール共和国時代の、
「労働組合運動の理論」である。

「経済民主主義とは、
経済的諸関係の民主化によって、
政治的民主主義を仕上げること」

故上野光平先生は、
このナフタリのことを指摘したうえで、
「経済民主主義」を渥美流に、
言葉通りに受け取ることも、
「まぁ、良しとしよう」と、
あきらめ顔で述懐した。

私も、上野光平と同じ考えだ。
上野光平

民主主義にも様々な概念がある。

「democracy」の語源は古代ギリシャ語だ。
dēmokratía(デーモクラティアー)。
「人民・大衆」などを意味するdêmos(デーモス)と、
「権力・支配」の意のkratos(クラトス)を、
組み合わせた造語である。

デモクラシーも「オクシモロン」なのだ。
「破壊的創造」などと同様に、
相反する言葉の組み合わせである。

組織が「人民 (people)」によって、
意思決定される統治システムである。

エイブラハム・リンカーン。
“The government of the people,
by the people, for the people”

国も会社もチームも、
小さければ直接的に、
大きければ間接的に、
democraticであるのがいいと思う。

〈結城義晴〉

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