東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会。
パン工場のパンの香り。
それはたぶん、地域に貢献している。
人事制度の改革に関して議論した。
武蔵野線、南武線、東海道線を乗り継いで、
横浜に戻った。
そして整骨院に寄って、
診断と治療。
左膝を打って打撲。
左鼠径部に痛みもある。
治療してもらって、
ずいぶんよくなった。
さて昨日はオンライン記者会見。
㈱ファーストリテイリング。
「LifeWear=新しい産業」説明会。
メディアとアナリスト向けに、
定期的に開催されている。
東京ミッドタウンのカンファレンスルームから、
ZOOMによるオンライン配信で実施された。
商人舎オフィスでオンラインで視聴。
ファーストリテイリングは、
絶好調の経営と運営の中で、
ビジネスモデルの転換を目指している。
それは「事業成長とサステナビリティ」の一致である。
そこで「LifeWear = 新しい産業」を掲げて、
2017年8月期から全社改革「有明プロジェクト」を推進する。
その取り組みが説明された。
商人舎流通SuperNews。
ファストリnews|
「LifeWear=新しい産業」を柱に成長とサステナの両立図る
第4回となる今回は3名が説明者。
柳井康治取締役グループ上席執行役員、
田中大グループ執行役員、
新田幸弘グループ執行役員。
最初は柳井取締役。
柳井正会長兼社長の次男で、
2001年、三菱商事㈱入社。
2009年、英国のプリンセス出向。
2012年9月、ファーストリテイリング入社。
チャリティTシャツプロジェクトは、
「Peace For All」とネーミングされている。
100万点のヒートテック・エアリズムを、
難民や子ども、災害被災者などに寄贈する。
この社会貢献の取り組みについて説明した。
田中グループ執行役員は、
サステナブルと商品開発の両立への取り組みを発表。
全世界から収集した年間3140万件の顧客の声、
カスタマーセンターに集まった意見、
オンラインストアの商品レビュー、
店舗スタッフの声。
それらを新商品の開発や改良に活用する。
キーワードは、
「無駄なものはつくらない、運ばない、売らない」
トヨタ生産方式と同じだ。
独自素材の「スフレヤーンニット」、
それからブラトップ、パフテックなどが、
事例として紹介された。
新田執行役員は、
環境への取り組みを説明した。
店舗と主要オフィスで、
温室効果ガスの削減を実施する。
2023年8月期には、
2019年度比で69.4%の削減を達成した。
「2030年度8月期までの目標は90%削減」だが、
順調に進捗している。
服のリペア・リメイクサービスは、
「RE.UNIQLO STUDIO」とネーミングされている。
2022年にスタートし、
2024年10月までに、
22の国・地域で51店舗の展開となった。
また2023年10月から、
古着販売の実験を始めた。
2024年10月から、
ユニクロ前橋南インター店でも販売開始。
現在、ユニクロ世田谷千歳台店、
ユニクロ天神店と併せて、
3店舗で展開中だ。
3人の説明が終わると質疑応答。
商品本部の松崎里美ウィメンズMD部長も加わる。
古着プロジェクトの課題について問われた。
柳井執行役員。
「古着の購入者自体がまだ少ない。
店舗を通じて発信を強化していく」。
各国の気候や嗜好によって、
どのようなMDの違いがあるのか。
松崎部長はシンプルな回答。
「着心地の良さを求めるという本質に違いはない」
これがアパレルの本質だ。
みんな、書かれたものを読むのではなく、
自分たちがやっていることを、
話したくて仕方がない、といった印象だ。
オンラインでもそれが伝わる。
私は1989年に㈱商業界で、
食品商業編集長となった。
そのときに山本浩史先生が、
名古屋からわざわざ、
麻布台の会社の編集部の席までやってきて、
編集フロアのみんなに聞こえる声で、
私に向かって言った。
「結城君、編集長就任おめでとう。
いい雑誌をつくってくれたまえ。
しかし売れる雑誌をつくることよりも、
何を伝えるかのほうが大事だ。
それを忘れないでほしい」
私はその言葉を忘れない。
その後、雑誌は会社の歴史の中でも、
一番売れるようになった。
記録を残した。
しかし「何を伝えるか」を私は考え続けた。
ユニクロもファーストリテイリングも、
「売れる服」をつくるだけでなく、
それによって何をするかが大事だ。
「たった1枚のTシャツにも、
平和のためにできることがある」
今月の月刊商人舎もお陰様で好評だ。
執筆の先生方にもお褒めの言葉をいただいた。
島田陽介先生。
「流通業関連ジャーナリズムが、
かつてない沈滞に陥っているいま、
『商人舎』は一縷(いちる)の灯(あか)りです」
井坂康志さん。
「見事な編集の技量が発揮されており、
大変感銘を受けております」
ありがとうございます。
それは私たちが「何を伝えるか」を、
本気で考え続けているからだ。
柳井正さんやその仲間たちと一緒だ。
〈結城義晴〉