12月28日、あと4日。
クリスマス商戦の報告が入ってきた。
ありがたい。
12月21日から25日まで。
今年の曜日回りが、
全体の商況に影響を与えた。
土曜日曜の21日・22日は、
予想通りクリスマス需要があった。
その分23日の月曜日が、
例年に比べて落ち込んだ。
逆に25日が大きく伸びた。
来年、再来年と、
曜日回りと顧客心理を、
しっかり読みきりたい。
商品の売れ行きに変化が見られた。
鶏肉は全体に良く売れた。
しかしモモ焼きから、
フライドチキンに移行している。
来年はアメリカのように七面鳥など、
企画してはどうだろうか。
もちろんクリスマスにだけ、
突然のように売り込んでも駄目だが。
オードブルはセット物がよく売れた。
クリスマスにセット商品。
サラダ関連ではオードブルが好調。
つまりファミリーパーティー需要。
寿司では握り寿司が前年割れだった。
そのかわり手巻き寿司や巻きずしが売れた。
来年の2025年は、
20日・21日の土日。
22日(月)・23日(火)と2日あけて、
24日(水)・25日(木)の本番となる。
クリスマス商戦二段階作戦か。
顧客の心理を熟考して、
企画と計画を立てたい。
さて、いい本が出ている。
『岡田卓也の時代』
石井淳蔵先生の労作。
神戸大学名誉教授、流通科学大学名誉教授。
お贈りいただいた。
この本は二つの視点で書かれた。
商人思想史と比較企業者史。
前者に対して商人舎も少しだけ貢献した。
そこで参考文献にも、索引にも、
「結城義晴」と「商人舎」を入れていただいた。
225ページの(注11)には特にコメントがある。
「いまでは『商業界』という雑誌も会社もない。
だが、結城義晴氏を中心として『商人舎』によって、
商業界の思いは引き継がれている」
有難い言葉だ。
「『商人舎』(2016)では
『店は客のためにある』という
倉本長治のことばをテーマに特集も組んでいる」
この号の[Cover Message]
商業界主幹の故倉本長治。「店は客のためにある」という決定的な言葉を残した。そして「店員とともに栄え、店主とともに滅びる」と商売の本質を射抜いた。ピーター・ドラッカーは「企業の目的は顧客の創造である」とマネジメントを定義した。
一方、ダイエー創業者の故中内㓛は「For the Customers」にこだわった。セブン&アイ・ホールディングスの伊藤雅俊は「お客様のお陰」の精神を大切にし、鈴木敏文は「お客の立場」を繰り返し繰り返し強調した。そして柳井正は「店主とともに滅びる」を重く受け止めたうえで「Reinvent Everything」と明日を見定める。
本特集は「店は客のためにある。」の哲学を極め、高め、その本質を産業のDNAとすることを目指すものである。
この号では石井先生にも寄稿していただいた。
「顧客創造・価値志向のマーケティング」
「
私は巻頭で書いた。
「店は客のためにある。」
――ポストモダンの考察
柳井正ファーストリテイリング社長兼会長
顧客創造とInnovation Company
デジタル化&グローバル化時代に、すべてを革えよ!
この冒頭の柳井さんの言葉。
「倉本長治商業界主幹の『店は客のためにある』。
この言葉に、『店員とともに栄える』
という言葉が続くことを上場してすぐのころ、
1994年か1995年に知りました。
しかし、さらにこの言葉には続きがあることを、
結城義晴さんに教えてもらいました。
『店は客のためにあり、店員とともに栄え、
店主とともに滅びる』」
「この言葉は会社や企業の在り方そのもの、
企業の本質を表しています。
社長がしっかりしないと会社はすぐにつぶれる。
会社はすべて社長次第なのではないでしょうか」
この柳井さんの記事は、
[倉本長治・初夫文庫開設記念公開セミナー講演録]のものだ。
IDとパスワードをもっている人は、
是非読み返していただきたい。
読み返してみると、
[Message of June]もなかなかいい。
顧客を創造しよう!!
店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
そして店主とともに滅びる。
この考え方を産業のDNAにしたい。
共有できるスローガンにしたい。
有店舗商業でも無店舗販売でも。
それが消費の活力をつくり、
産業のパワーを生み、
社会の健全化に貢献する。
「店は客のためにある」は、
「顧客満足」が実現されること。
そう理解されてきた。
しかしここには、
「顧客創造」という新しい概念がある。
ドラッカーもレビットもそれを指摘する。
ファーストリテイリング柳井正も、
セブン&アイの伊藤雅俊も、鈴木敏文も、
そしてダイエーの故中内㓛も。
店は客のためにあると発奮し、
店員とともに栄えるとマネジメントし、
店主とともに滅びると襟を正した。
私たちも産業のDNAを受けつごう。
店は客のためにある。
店員とともに栄える。
そして店主とともに滅びる。
〈結城義晴〉