結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年12月31日(火曜日)

月刊商人舎[2024年大賞]発表と「毎日更新宣言」の終了宣言

あっという間に大晦日。

今日で2024年が終わる。

けれども今年、
やりきれなかったことがたくさんある。

大いに反省して、
その仕事は来年に託そう。

月刊商人舎は12冊、
例年よりもいい雑誌ができたと思う。

そのなかから「自分で選ぶ4つの大賞」

まず第1は「表紙大賞」

今年は結構、斬新な表紙をつくった。
もちろんデザイナーの力量がモノを言う。
商人舎専属の七海真理さん。
アメリカでデザインを学んで、
既成概念にとらわれない。
さらに色に対する感覚が凄くいい。

デザインのイラストや写真は、
編集部が全員で選ぶ。

1月号はよかった。
カラフルだ。
202401_coverpage-448x632

6月号も私は好きだ。
202406_coverpage-448x633

しかし2024年表紙大賞は、
11月号です。
「会社は誰のためにあるのか?」
202411_cover-page (1)
セブン&アイ・ホールディングスを題材に、
会社は誰のためにあるのかを考察した。

そのセブン&アイの祖業イトーヨーカ堂は、
シンボルマークが鳩だ。

白い鳩が箱舟に乗って、
荒海のなかにいる。

この特集をよく表現している。
間違いなく2024年表紙大賞です。

第2は[Message大賞]

私が毎月、巻頭に書くMessage。

これは食品商業編集長のときからはじめて、
販売革新編集長のときにも続けた。

商業界の取締役になってからも、
専務や社長のときにも、
書いていた。

それを商人舎でも続けている。

2024年のMessage。
1月号は[Message of January]
みんなで学べ。

個人が人生をかけて学ぶ。
それが組織学習の力となる。
個人の学習なしに組織の学習はない。
202401_message-768x581 (3)

1年を通した商人舎の主張となった。
とても良かった。

2月号の[Message of February]も気に入っている。
昨日を廃棄せよ

死んだ書類。
熱のない計画書。
確信のない提案。

その呪縛から脱するには、
未来を現在に集約する、
タイムマシーンに乗ることである。
202402_hyoushi-768x432

今年のMessageはなかなかいい。

3月号[Message of March]
特集は「アパレル改革」
衣料品は食品のように扱え。

衣料品は食品のように扱え。
食品は衣料品のように考えよ。
このトレードオンをやめるな。
202403_cover (1)

4月号[Message of April]は、
アルバート・ハモンドを借りて、
ちょっと毛色の変わった巻頭言を書いた。

降れば土砂降り

北海道は日本のカリフォルニア。
夢をみようよ、
大志を抱け。

そんな風に、
カリフォルニアに行く気分で、
北海道に出た。

けれど、
降れば土砂降り、
いつも土砂降り。
202404_message (1)

ん~、迷う、困る。

けれど[Message大賞]は11月号、
[Message of November]
前略 ヨーカ堂のみなさんへ

会社は大変なことになっていますね。
ご心労、お察しします。
それでもお客さまのために、
毎日の商いを怠りなく続けてください。
お願いします。

みなさんの会社の創業者・伊藤雅俊さんには、
私自身、大変お世話になりました。
勉強もさせていただきました。

1979年、伊藤雅俊さんが、
日本チェーンストア協会第三代会長のときに、
私は密着取材をしました。
そして一冊丸ごとの「販売革新別冊号」をつくりました。
「チェーンストアフェア’79全記録」というタイトルでした。

この中で伊藤さんは求めている人材像を語りました。
第1は人間的な温かみがある人。
第2は地道に物事に取り組み、真正面から挑戦できる人。
第3に誠実で正直な人。
伊藤さんは付け加えました。
「チェーンストアを別の言葉で言えば信用業です」

伊藤さんはお取引先との四つのルールを、
社内に徹底しました。
⑴ 対等の立場
⑵ 約束は必ず守る
⑶ 接待は受けない
⑷ 返品しない

今も、これからもイトーヨーカ堂にとって、
とても大切なことです。

東日本大震災のあと、
伊藤さんとお話ししました。
「潮目が変わりました」

どういう潮目の変化ですか?
「自分たちの力が及ばないところで、
大変化が起こります」

すると新型コロナが世界を席巻しました。

預言者のような伊藤さんでした。

今、イトーヨーカ堂にも、
自分たちの力が及ばないところで、
大きな変化が起こっています。

その変化にも誠実に、正直に、
真正面から挑戦してください。
そして温かい商人でいてください。

伊藤雅俊さんのご遺志を継いでください。
ご健闘を祈ります。
いつまでも応援しています。 草々
202411_message-768x263 (1)
ヨーカ堂の皆さんへのエール。
それはチェーンストアマン全員への檄でもあります。

第3の[原稿大賞]は難しい。
候補が多すぎる。

結城義晴が毎月書くものが、
月刊商人舎の特長となっているから、
そこから選んでもいいけれど、
ん~、ん~。

[特別写真構成]
最大級MEGAドンキ成増店、
したたか!
202404_donki_3F-1 (4)
写真82枚を使って、
改装した成増店の全貌を明らかにした。

美しい店ではないけれど、
ポジショニングはここまでするのか、を、
まざまざと見せてくれる。

この写真構成の前に私が書いた記事は、
ドンキの本質に迫っている。
「これは魔境のポジショニング戦略だ!」

再読をお勧めします。

最後に[特集大賞]

12月号は内容の広さと深さにおいて、
他のメディアを寄せ付けなかった。
オーケー上陸!!「東大阪の陣」
202412_coverpage (1)
商人舎の特集が圧倒的に良かった。

8月号特集もよかった。
’24商売のヒント
経営と営業のテーマ資源「チョットいい話」実例集
202408_coverpage-448x635
あまり表に出ない事例を集めた。

ベルクが一躍、大スターになった。

そして表紙大賞とMessage大賞になった11月号特集、
会社は誰のためにあるのか?
202411_cover-page (1)
これが準大賞だろうか。

けれどどこにもない特集は9月号だ。
’24アメリカの歩き方
★US-Retail視察研究ガイドブック★

202409_coverpage-448x630 (1)

主要な17都市圏のチェーンストアガイド。
他のメディアにはつくれないものだ。

9月号が刷り上がってきたら、
山本恭広編集長が言った。
「涙が出てきました……」

彼はそれくらい感動した。

アメリカ特集は、
執筆していても、編集していても、
とても夢があって、楽しい。

今年も苦労して雑誌をつくり続けた。
ご愛読とご支援、ありがとうございました。

そしてこの結城義晴のブログも、
なんとか閏年の366日間、
書き続けることができました。

2007年8月23日、
まだ㈱商業界代表取締役社長のころ、
結城義晴の[毎日更新宣言]をしました。

それから数えても6341日間、
エブリデーの更新を続けてきました。

ご愛読に心から感謝しつつ、
[毎日更新宣言]の終了を宣言します。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

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