あっという間に大晦日。
今日で2024年が終わる。
けれども今年、
やりきれなかったことがたくさんある。
大いに反省して、
その仕事は来年に託そう。
月刊商人舎は12冊、
例年よりもいい雑誌ができたと思う。
そのなかから「自分で選ぶ4つの大賞」
まず第1は「表紙大賞」
今年は結構、斬新な表紙をつくった。
もちろんデザイナーの力量がモノを言う。
商人舎専属の七海真理さん。
アメリカでデザインを学んで、
既成概念にとらわれない。
さらに色に対する感覚が凄くいい。
デザインのイラストや写真は、
編集部が全員で選ぶ。
しかし2024年表紙大賞は、
11月号です。
「会社は誰のためにあるのか?」
セブン&アイ・ホールディングスを題材に、
会社は誰のためにあるのかを考察した。
そのセブン&アイの祖業イトーヨーカ堂は、
シンボルマークが鳩だ。
白い鳩が箱舟に乗って、
荒海のなかにいる。
この特集をよく表現している。
間違いなく2024年表紙大賞です。
第2は[Message大賞]
私が毎月、巻頭に書くMessage。
これは食品商業編集長のときからはじめて、
販売革新編集長のときにも続けた。
商業界の取締役になってからも、
専務や社長のときにも、
書いていた。
それを商人舎でも続けている。
2024年のMessage。
1月号は[Message of January]
みんなで学べ。
個人が人生をかけて学ぶ。
それが組織学習の力となる。
個人の学習なしに組織の学習はない。
1年を通した商人舎の主張となった。
とても良かった。
2月号の[Message of February]も気に入っている。
昨日を廃棄せよ
死んだ書類。
熱のない計画書。
確信のない提案。
その呪縛から脱するには、
未来を現在に集約する、
タイムマシーンに乗ることである。
今年のMessageはなかなかいい。
3月号[Message of March]
特集は「アパレル改革」
衣料品は食品のように扱え。
衣料品は食品のように扱え。
食品は衣料品のように考えよ。
このトレードオンをやめるな。
4月号[Message of April]は、
アルバート・ハモンドを借りて、
ちょっと毛色の変わった巻頭言を書いた。
北海道は日本のカリフォルニア。
夢をみようよ、
大志を抱け。
そんな風に、
カリフォルニアに行く気分で、
北海道に出た。
ん~、迷う、困る。
けれど[Message大賞]は11月号、
[Message of November]
前略 ヨーカ堂のみなさんへ
会社は大変なことになっていますね。
ご心労、お察しします。
それでもお客さまのために、
毎日の商いを怠りなく続けてください。
お願いします。
みなさんの会社の創業者・伊藤雅俊さんには、
私自身、大変お世話になりました。
勉強もさせていただきました。
1979年、伊藤雅俊さんが、
日本チェーンストア協会第三代会長のときに、
私は密着取材をしました。
そして一冊丸ごとの「販売革新別冊号」をつくりました。
「チェーンストアフェア’79全記録」というタイトルでした。
この中で伊藤さんは求めている人材像を語りました。
第1は人間的な温かみがある人。
第2は地道に物事に取り組み、真正面から挑戦できる人。
第3に誠実で正直な人。
伊藤さんは付け加えました。
「チェーンストアを別の言葉で言えば信用業です」
伊藤さんはお取引先との四つのルールを、
社内に徹底しました。
⑴ 対等の立場
⑵ 約束は必ず守る
⑶ 接待は受けない
⑷ 返品しない
今も、これからもイトーヨーカ堂にとって、
とても大切なことです。
東日本大震災のあと、
伊藤さんとお話ししました。
「潮目が変わりました」
どういう潮目の変化ですか?
「自分たちの力が及ばないところで、
大変化が起こります」
すると新型コロナが世界を席巻しました。
預言者のような伊藤さんでした。
今、イトーヨーカ堂にも、
自分たちの力が及ばないところで、
大きな変化が起こっています。
その変化にも誠実に、正直に、
真正面から挑戦してください。
そして温かい商人でいてください。
伊藤雅俊さんのご遺志を継いでください。
ご健闘を祈ります。
いつまでも応援しています。 草々
ヨーカ堂の皆さんへのエール。
それはチェーンストアマン全員への檄でもあります。
第3の[原稿大賞]は難しい。
候補が多すぎる。
結城義晴が毎月書くものが、
月刊商人舎の特長となっているから、
そこから選んでもいいけれど、
ん~、ん~。
[特別写真構成]
最大級MEGAドンキ成増店、
したたか!
写真82枚を使って、
改装した成増店の全貌を明らかにした。
美しい店ではないけれど、
ポジショニングはここまでするのか、を、
まざまざと見せてくれる。
この写真構成の前に私が書いた記事は、
ドンキの本質に迫っている。
「これは魔境のポジショニング戦略だ!」
再読をお勧めします。
最後に[特集大賞]
12月号は内容の広さと深さにおいて、
他のメディアを寄せ付けなかった。
オーケー上陸!!「東大阪の陣」
商人舎の特集が圧倒的に良かった。
8月号特集もよかった。
’24商売のヒント
経営と営業のテーマ資源「チョットいい話」実例集
あまり表に出ない事例を集めた。
ベルクが一躍、大スターになった。
そして表紙大賞とMessage大賞になった11月号特集、
会社は誰のためにあるのか?
これが準大賞だろうか。
けれどどこにもない特集は9月号だ。
’24アメリカの歩き方
★US-Retail視察研究ガイドブック★
主要な17都市圏のチェーンストアガイド。
他のメディアにはつくれないものだ。
9月号が刷り上がってきたら、
山本恭広編集長が言った。
「涙が出てきました……」
彼はそれくらい感動した。
アメリカ特集は、
執筆していても、編集していても、
とても夢があって、楽しい。
今年も苦労して雑誌をつくり続けた。
ご愛読とご支援、ありがとうございました。
そしてこの結城義晴のブログも、
なんとか閏年の366日間、
書き続けることができました。
2007年8月23日、
まだ㈱商業界代表取締役社長のころ、
結城義晴の[毎日更新宣言]をしました。
それから数えても6341日間、
エブリデーの更新を続けてきました。
ご愛読に心から感謝しつつ、
[毎日更新宣言]の終了を宣言します。
ありがとうございました。
〈結城義晴〉