結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年12月03日(火曜日)

玉生弘昌氏出版記念パーティーの「そうは問屋が卸しません」

秋田県の㈱伊徳。

店内に2日間、クマが立てこもって、
全国に知れ渡った。

この「いとく土崎みなと店」は、
日本海に臨む旧雄物川に近い市街地店舗で、
クマが出るほどのロケーションではない。

だからこそ、驚かされる。

伊徳は秋田県北部を中心に、
青森県までスーパーマーケットを展開する。
28店舗で年商約600億円。

2012年に秋田県南部の㈱タカヤナギと、
㈱ユナイトホールディングスをつくって、
秋田県内で協業する。

伊藤碩彦会長はじめ、
伊徳の皆さん、
お見舞い申し上げます。

さて、東京・明治記念館。IMG_8044 (002)

玉生弘昌氏出版記念パーティー。 IMG_8029 (002)

『経営者のための経済学史』
ダイヤモンド社から10月8日に発刊された。
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玉生さんは㈱プラネット名誉会長。
㈱True Data取締役、
一般社団法人流通問題研究協会会長。

超優良企業を起業し、
産業のインフラとなるまで育てた。

10月の株主総会で会長職を退いた。
その機に渾身の一冊を上梓。
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1年間をかけて、
フランソワ・ケネーやアダム・スミスから、
トマ・ピケティやMMTまでの、
世界の経済学の歴史を執筆した。

この本の紹介は、
11月27日のこのブログ。
玉生弘昌著「経営者のための経済学史」を紹介する。

パーティーの発起人の顔ぶれがすごい。

岡本圀衞、川野幸夫、掬川正純、
国領二郎、福岡政行、本郷孔洋の各氏。

ヤオコー会長の川野さんも、
ライオン会長の掬川さん、
政治学者の福岡さんも、
名を連ねた。

冒頭で発起人を代表して、
国領二郎慶應義塾常任理事。IMG_8027 (002)
本の紹介をしつつ、
玉生さんを祝福した。

乾杯の音頭は、
伊藤久美さん。
㈱True Data取締役。

そのあと懇親。

㈱全日本食品のお二人。
平野実社長と宇田川貴志専務。IMG_8031 (002)

泉田幸雄さんと野渡和義さん。
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泉田さんは日本ボランタリーチェーン協会前会長で、
この11月に旭日中綬章を受章。
実におめでたい。
野渡さんは㈱ユースキン製薬会長、
私の中学高校の機会体操部の先輩。

お二人は同年で親しい間柄。

ご指名で私もスピーチした。
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「巻措く能わず」の話をした。
読み始めたらやめることができない本。

とくに「貨幣の流れるプール」のイラストは、
新入社員の研修にも使えるほど優れたものだ。

さらにこの本の頂点となるのが、
「経済学理論」の信頼度採点表。
アラム・スミスは90点、
カール・マルクスは10点、
ケインズは?
ピケティは?
MMTは?

それは本を読んでください。
勉強になります。

「流通革命」の見方に対しては、
少しだけ異論を唱えた。

そこでかなり長話となってしまった。

私が40歳そこそこのころ。
全国菓子卸商業組合連合会総会で講演をした。
場所は帝国ホテル。

その講演の最後に言った。
「ここに集まっておられる卸売企業の中で、
半分は消えてなくなる」

私も若かった。

すると講演会の後の懇親パーティーの冒頭で、
島田美和連合会会長、㈱サンエス社長が語った。
小売業も製造業もトップが顔を連ねていた。

「先ほど結城さんという編集長が講演をして、
菓子卸売業の半分はなくなると言った」

「けれどそうは問屋が卸しません」

座布団、三枚。

しかしその後、サンエスも、
菱食と経営統合し、
いま三菱食品となった。

玉生さんは「問屋有用論」を主張する。
マーガレット・ホールの理論をつかって、
論理的に問屋無用論に反論する。

「取引回数最小化の原理」である。
これは見事だ。

しかしトンネル口銭に頼っていた、
多くの問屋は無用となる、
と林周二は書いた。

それは事実となった。

マーケットリーダーの超卸売業、
マーケットチャレンジャーの超卸売業、
そして多数のマーケットニッチャーの卸売業。
こういった構造になる。

その意味で「問屋有用論」は正しい。

㈱True Dataの取締役と執行役。
右から伊藤久美さん、越尾由紀さん、
そして島崎尚子さん。
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私も並んで写った。
IMG_8046 (002)

次々に壇上に上がって、
玉生さんへのお祝いの言葉を贈った。IMG_8040 (002)

最後に島崎さんから花束贈呈。
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玉生さん、本当におめでとうございました。

私も負けずに書きます。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

 

2024年12月02日(月曜日)

年末年始商戦の「選ばれる店」と流行語大賞の「ふてほど」

Everyone, Good Monday!
[2024vol㊾]

2024年第49週。
12月第1週。

いよいよ12月商戦です。
202410_kibun

月刊商人舎10月号。
2024年末「おせち商戦」の必勝法
顧客が買いたくなる正月感ある売場づくり

読んでおいてください。
紀文食品の堀内慎也マーケティング部長の提案。
年末年始商戦にかけては業界随一の専門家。

そして今年は、
「最高の曜日回り」。202410_kibun-14
最長は9連休。

旅行は「安・近・短」。
最初のヤマは「12月21日・22日」の土日。

早仕掛けが浸透してきた。
だから早すぎる立ち上げは、
店全体の機会損失を招く。

ちなみに大安は19日(木)と25日(水)。
正月感の演出が効果を発揮する。

今年末年始商戦への結城義晴の提案。
「顧客の心をスイッチさせよ」
スクリーンショット 2024-12-02 213448

2025年に向けて、
「選ばれる店」となる。
スクリーンショット 2024-12-02 213905

今、絶好調の店も、
弱含みの店も、
普通の店も、
自分らしい「選ばれる店」を目指す。

その恰好の舞台が、
年末年始の商戦だ。

顧客を喜ばせる。
顧客を湧き立たせる。
顧客に来年への生きがいを提供する。

ちいさな喜び、つくります。
ささやかな幸せ、ご提供。
あすへの希望、つむぎます。

それがあなたの仕事です。

日経新聞「ニュース一言」
川野澄人ヤオコー社長、登場。
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「共働きの家族層が多い関東南部の消費は強いが、
年金で生活するシニアが多い北部では
収入が増えず節約志向が強い。
客数を増やすため価格対応を強めていく」

これ、久喜吉羽店オープンのときにも、
中間決算の記者会見でも言っていた。

ヤオコーは関東で南北政策をとる。
その南の政策と北の政策は異なる。

「節約意識の高い地域で、
日替わりの値引きを実施するなど、
地域の顧客に合わせた
販促や品ぞろえに注力する」

エブリデーロープライスとハイ&ローを、
地域に合わせて使い分ける。

しごく当然のことだ。

「南北で売上高伸び率は
数ポイントも開きがある」

この発言の意味は、
東大阪のオーケーの店には、
どう反映されるか。

楽しみだ。

別に東大阪が、
関東の北と同じとは思わないけれど。

最後に、
「2024ユーキャン新語・流行語大賞」

今年の世相を映した言葉や話題になった言葉。
大賞はドラマ「不適切にもほどがある!」
これを略した言葉「ふてほど」が選ばれた。
スクリーンショット 2024-12-02 215951
この番組が始まってからしばらくして、
私まで毎週見るようになってしまった。

「ふてほど」は知らなかったが。

宮藤官九郎脚本のコメディー。
阿部サダヲ演じる主人公が、
1986年から2024年にタイムスリップ。

昭和と令和、それぞれの時代の対比。
現代では「不適切」な言動が、
昭和の時代には当たり前だった。

コンプライアンスに縛られた令和の私たち。
昭和の人間の直截的な言い回しは痛快だ。

むしろ今のほうが幼児的なのかもしれない。
だが、そのギャップがひどく面白かった。

ハラスメントは断じて許されないけれど。

そしてこのギャップの面白さは、
年末年始商戦にもきっと生かせる。

弱含みの店でも、
普通の店でも、
もちろん絶好調の店でも。

ちいさな喜び、
ささやかな幸せ、
あすへの希望。

では、みなさん、今週も、
「あすへの希望」、届けてほしい。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2024年12月01日(日曜日)

「倉本長治 商訓五十抄」の「無くてならぬ人間」

2024年も師走に入った。

穏やかな日曜日。

買物の好きな女に師走来る
〈星野立子(たつこ)〉

1903年(明治36年)生まれ、1984年没。
高濱虚子の次女。
中村汀女・橋本多佳子・三橋鷹女とともに、
「四T」と尊称された。

その父親の高濱虚子の句。
女を見連れの男を見て師走

師走です。

師が走る。

私には多くの師がいる。
お陰様で。

仕事の面でその第一に来るのが、
倉本長治師。

ほかにも渥美俊一先生、
壽里茂先生、
上野光平先生、
杉山昭次郎先生。
伊藤雅俊さん、岡田卓也さん、
北野祐次さん、清水信次さん、安土敏さん、
大髙善二郎さん、夏原平和さん、川野幸夫さん、
数えだしたら次々に名前が浮かぶ。

けれど一番先に来るのが、
わざわざ名前に「師」をつける長治先生。

その二冊目の「倉本長治 商訓五十抄」
「損得より先に善悪を考えよう」
IMG_8011 (002)

その十三番目の言葉。
IMG_8013 (002)

「居なくても判かる仕事」

「無くてならぬ人間になれ、
居なくても判かる仕事をせよ」
というのは、若い時からの私の
座右のスローガンである。
この言葉は、自分で作った幾つかの
格言めいたもののうち、最も好きな言葉である。

この「人間」というところを、
貴下は「店主」と置きかえてみたなら、いい。

「居なくても判かる」というところの意味が、
不分明というよりは二様の解釈を持つところに
この言葉の欠点があるようだ。

その「判かる」というのが、
現場に居(お)らない自分に、
進行の状態などがチャンと推測出来る
という風にも取れるし、
或いは、自分が旅行不在、又は病気欠勤、
乃至は退職した時でさえも、
自分のやって来た仕事は、
他の人にも直ちに一切が了解されるように、
整然、明瞭、一糸乱れぬものであり、
あらゆる統計と記録が
保存されているのでなくてはなるまい
――との二つの考え方にとれるのは、
正に言葉の欠点ではあるが、
その欠点があるところに、
又とない含みがあり、
私には、そこのところが
無上に好ましいのである。
倉本長治モノクロ2

「人間」というところを、
「社長」と置き換えてもいい、
「店長」でもいい。

「部長」「チーフ」でもいい。

無くてならぬ店長になれ。
自分がその場にいなくても、
わかるような仕事にせよ。

あるいは自分がいなくなっても、
みんなにわかるような仕事にせよ。

この「五十抄」の奥付を見る。
IMG_8014 (002)
2004年2月17日第1刷発行。

発行所/株式会社商業界
発行人/結城義晴

私が代表取締役社長で、
発行人でもあった。

その発行人であることに責任と誇りを感じる。
そして襟を正す。

ただし、無くてならぬ社長だったか。
自分がいなくなっても、
みんなにわかるような仕事をしたか。

ん~。

残念でならないけれど、
師走の今日、この言葉は胸に沁みる。

吉井莫生(ばくせい)の句。
毎日新聞の記者だった。

師走記者筆の疎略を慎まん

この師走、無くてはならぬ者とならねば。

〈結城義晴〉

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