ロピアの福島道夫さんが、
商人舎オフィスを訪問してくれた。
昨2024年の暮れに一緒に店を回った。
その時に専門店を見ようと話し合っていた。
知る人ぞ知る清酒の専門店。
全国の蔵を巡って、
蔵元と信頼関係を築いている。
今週の人気商品が黒板に書かれている。
1 天美
2 今西
3 光栄菊
久保田は萬壽。
それが蔵元価格で販売される。
驚くほど安い。
昭和9年創業の味噌と醤油の専門店。
製造元との信頼関係が厚い。
現社長は三代目の佐野正明さん。
2009年に社長に就任。
銀座店、アトレ亀戸店、松戸店と店を増やした。
重量を言って注文すると味噌を掬い取って、
計りで計ってくれる。
店の奥にはイートインスペースがあって、
おにぎりとみそ汁のセットメニューなどを、
食べることができる。
神田祭を行う神社。
神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内、
そして旧神田市場・築地魚市場など、
108の町会の総氏神だ。
夕方から、会食。
すき焼きの名店「いし橋」。
明治5年に肉屋を創業し、
その隣に明治12年からすき焼き店を開業。
「ミシュランガイド」でも紹介されているし、
今年の「芸能人格付けチェック」で、
すき焼きの最上格付けの店として登場した。
席は座敷のみ。
古風な佇まいにも味がある。
「五代目は和牛の産地にこだわらず、
サシや赤身の質を見て選ぶ」。
これは三人前。
みごとなサシが入った和牛を手切りする。
追加の肉も合わせるとこの量。
さらに野菜と一緒に味わう。
すべて仲居さんが調理してくれる。
締めは名物の「ふっくら玉子のおじや」。
蓋をとると玉子が盛り上がっている。
鉄鍋に残った牛肉の汁を吸った
おこげが美味。
堪能した。満足した。
帰りにはおかみが火打石を打って、
送り出してくれた。
神田明神下の銭形平次の気分。
福島さんとの一日。
充実していた。
ありがとうございました。
スーパーマーケットは、
食の専門店でもある。
そのために専門店を学び、
その味を知り、
さらにうまいものを食べる。
日経新聞社説。
「日本の酒」への追い風生かせ
日本酒や焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」が、
ユネスコ無形文化遺産に登録された。
「各地の酒蔵などがつくるこれらの酒は、
日本の風土や文化の厚みと多様性を表す。
今回の登録を輸出や観光への追い風に生かしたい」
農林水産省のアルコール飲料国内出荷量。
日本酒は50年前がピークだった。
2023年には4分の1以下まで減った。
一方で輸出額はここ10年間で約4倍に増えている。
「ユネスコの評価はもう一段の飛躍の好機となる。
日本の酒の良さをより多くの人に知ってもらい、
ブランド価値を高め、
日常的に楽しむ流れを世界に広げたい」
日本酒に限らない。
味噌も醬油も、
和牛をはじめとした日本の肉も。
社説。
「伝統を守るのと並行し、
新しい試みも応援していきたい」
スーパーマーケットもチェーンストアも、
専門性を突き詰めていかねば、
ただの安売り競争に陥る。
ロピアも福島さんも、
ロピアらしさづくりのなかに、
専門性を位置づけている。
〈結城義晴〉