体脂肪率16.9%。
60歳以上の標準。
体内年齢57歳。
実年齢よりも15歳若い。
まあまあの体調で2025年を迎えた。
健康寿命を延ばしたい。
それが高齢化社会の、
高齢者の在り方だと思っている。
1月1日の新聞の社説は興味深い。
この1年に対してその新聞が、
何をどう考えているかが主張されるからだ。
朝日新聞の社説。
米国の詩人ウォルター・ホイットマンを引いた。
「堅実な民衆ならもっと強く政治に介入せよ」
「常に投票し、常に事情に精通せよ」
ホイットマンは説いた。
「民衆こそ民主主義の主役たれ」
日経新聞の社説。
「24年は人類史上、最大の選挙の当たり年だった」
そして、
「大半の民主主義国家で政権与党が退潮した」
そこで、新年は、
「民主主義の真価が一段と問われる」
読売新聞社説。
三つの危機が同時に進行していると指摘した。
私が使う「複合危機」である。
第1が「平和の危機」
第2が「民主主義の危機」
第3が「自由の危機」
こう並べるとどの新聞も、
民主主義を2025年のテーマとしている。
しかしこれは、
政治体制や国家の在り方だけではないと思う。
産業や企業、組織の民主主義の問題でもある。
私やあなた自身の問題でもある。
荒井伸也サミット㈱元社長・会長、
作家安土敏。
「デモグラティックな会社でありたい」
とりわけチェーンストアは、
民主主義的組織でなければいけない。
読売の社説子。
「虚実の判断がつきにくく、
一部に事実が交じっている情報ほど、
真実めいた印象を与え、
流言飛語となりやすい」
「それが高じると、民衆を公衆というより、
群衆のような存在に変えてしまう」
「もしそこに特定の意図をもって
悪意ある情報を流すようなことがあれば、
ネットの言論空間はコミュニケーションではなく
一種の扇動工作の場と化してしまう」
民主主義とコミュニケーションの問題だ。
「ほぼ日」の糸井重里「今日のダーリン」
「犬が人を噛んでもニュースにならないが、
人が犬を噛んだらニュースになる」
その理由は、
「ニュース」を伝えるメディアの全体量が、
新聞、ラジオ、雑誌、テレビと限られていて、
それほどは多くなかった時代だから。
今は違う。
――「犬が人を噛んでもニュースになる」し、
「人が犬を噛んでもニュースになる」し、
なんなら、だれもなにも噛まなくても、
ニュースになります。
「いまは個人がインターネットで
いくらでも発表できます。
だれかひとりが決めたら、
それはニュースになります」
「創作でもただの嘘でも、どんなデマでも、
それを信じたい人は信じます」
「そういう人を足し算すれば、
大変な数になります」
「いまは、そういう時代に
なったのだと思います」――。
鋭い指摘だ。
糸井。
「あらゆるものごとがニュースになる時代に、
それに振り回されずに生きていくことは
簡単じゃない」
そこで吉本隆明が引用する宮沢賢治の一節。
「ほんとうの考えと
嘘の考えを分けることができたら
その実験の方法さえ決まれば」
糸井。
「信じることは尊いけど、
信じ切っちゃうのは危ういとも思う」
その通り。
「ほんとうの考え・嘘の考え」
そしてそれを「分けるための実験の方法」。
それが民主主義の問題と直結している。
この民主主義は、
私たちの組織の問題でもある。
あなたの問題であり、
私の問題でもあるのだ。
〈結城義晴〉