結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年01月04日(土曜日)

2025年の「民主主義の危機」と「ほんとうの考え・嘘の考え」

1月4日の体重60.1kg。
BMI値22。
IMG_8459 (002)

体脂肪率16.9%。
60歳以上の標準。
IMG_8457 (002)

体内年齢57歳。
実年齢よりも15歳若い。
IMG_8458 (002)
まあまあの体調で2025年を迎えた。

健康寿命を延ばしたい。

それが高齢化社会の、
高齢者の在り方だと思っている。

1月1日の新聞の社説は興味深い。
この1年に対してその新聞が、
何をどう考えているかが主張されるからだ。

朝日新聞の社説。
米国の詩人ウォルター・ホイットマンを引いた。
「堅実な民衆ならもっと強く政治に介入せよ」
「常に投票し、常に事情に精通せよ」スクリーンショット 2025-01-05 040209
ホイットマンは説いた。
「民衆こそ民主主義の主役たれ」

日経新聞の社説
「24年は人類史上、最大の選挙の当たり年だった」
そして、
「大半の民主主義国家で政権与党が退潮した」

そこで、新年は、
「民主主義の真価が一段と問われる」

読売新聞社説。
三つの危機が同時に進行していると指摘した。
私が使う「複合危機」である。

第1が「平和の危機」
第2が「民主主義の危機」
第3が「自由の危機」

こう並べるとどの新聞も、
民主主義を2025年のテーマとしている。

しかしこれは、
政治体制や国家の在り方だけではないと思う。
産業や企業、組織の民主主義の問題でもある。
私やあなた自身の問題でもある。

荒井伸也サミット㈱元社長・会長、
作家安土敏。
「デモグラティックな会社でありたい」

とりわけチェーンストアは、
民主主義的組織でなければいけない。

読売の社説子。
「虚実の判断がつきにくく、
一部に事実が交じっている情報ほど、
真実めいた印象を与え、
流言飛語となりやすい」

「それが高じると、民衆を公衆というより、
群衆のような存在に変えてしまう」

「もしそこに特定の意図をもって
悪意ある情報を流すようなことがあれば、
ネットの言論空間はコミュニケーションではなく
一種の扇動工作の場と化してしまう」

民主主義とコミュニケーションの問題だ。

「ほぼ日」の糸井重里「今日のダーリン」

「犬が人を噛んでもニュースにならないが、
人が犬を噛んだらニュースになる」

その理由は、
「ニュース」を伝えるメディアの全体量が、
新聞、ラジオ、雑誌、テレビと限られていて、
それほどは多くなかった時代だから。

今は違う。

――「犬が人を噛んでもニュースになる」し、
「人が犬を噛んでもニュースになる」し、
なんなら、だれもなにも噛まなくても、
ニュースになります。

「いまは個人がインターネットで
いくらでも発表できます。
だれかひとりが決めたら、
それはニュースになります」

「創作でもただの嘘でも、どんなデマでも、
それを信じたい人は信じます」

「そういう人を足し算すれば、
大変な数になります」

「いまは、そういう時代に
なったのだと思います」――。

鋭い指摘だ。

糸井。
「あらゆるものごとがニュースになる時代に、
それに振り回されずに生きていくことは
簡単じゃない」

そこで吉本隆明が引用する宮沢賢治の一節。
「ほんとうの考えと
嘘の考えを分けることができたら
その実験の方法さえ決まれば」
71P76G5YJ6L._SL1500_

糸井。
「信じることは尊いけど、
信じ切っちゃうのは危ういとも思う」

その通り。

「ほんとうの考え・嘘の考え」
そしてそれを「分けるための実験の方法」。

それが民主主義の問題と直結している。

この民主主義は、
私たちの組織の問題でもある。

あなたの問題であり、
私の問題でもあるのだ。

〈結城義晴〉

2025年01月03日(金曜日)

2025年「初売り」の「損得と善悪」を考え、伝えよう

スクリーンショット 2025-01-02 102916
三が日までは年賀状でご挨拶。

101回目の箱根駅伝。
IMG_8456 (002)

1月2日の往路を制した青山学院大学が、
3日の復路でも首位を譲らず総合優勝。

2年連続8度目の制覇。
10時間41分19秒の総合タイムは新記録。
IMG_8454 (002)

第2位は2分48秒差で駒澤大学。
駒澤は往路の優勝を果たした。

第3位は國學院大学。
大学三大駅伝の出雲と全日本を制したが、
学生駅伝三冠はならなかった。

それでも最後には今年の三強が、
順当に上位を占めた。

4位は早稲田大学で大健闘。
5位に中央大学、6位に城西大学。

いずれも満足の走りだっただろう。

駅伝ランナーのレベルは、
毎年のように上がっている。
だからタイムも、
毎年のように良くなっている。
それは凄いことだ。

そして監督や指導者によって、
駅伝チームの走力は決定的に変わる。

それを痛感した。

大学駅伝の世界では、
いい指導者が増えている。
指導者たちの切磋琢磨がある。

実に好ましいことだ。

店長によって店は変わる。
社長によって会社は変わる。

私はそれを連想した。

さて、2025年の初売り。
日経新聞が報じた。

イオンは総合スーパー380店舗が、
元日の初売りをした。
全国のマックスバリュ各社も。
スクリーンショット 2025-01-04 021950

イオンリテールでは、
「福カート」の最大5割引き販売が売れた。

しかし1日正午時点の売上高は前年並み、
食品部門は前年比約5%増。
惣菜のピザ、ワイン、牛肉などが動いた。

百貨店はそごう横浜店が元旦営業。
開店前から約1万人が行列した。
それでも売上高、客数は前年比5%増。

東京都内の百貨店は、
1店も元日営業をしなかった。

伊勢丹や西武百貨店は2日が初売り。
その西武渋谷店の2日の売上高と客数は、
ともに前年比30%増の見込み。

大丸松坂屋と高島屋は3日から。

それぞれの初売り。
それはそれでいい。

倉本長治の「損得より善悪が先」

損得より善悪の方が大切である。
それは儲かるか、儲からないかと言うことよりも、
そのことが善いことか、悪いことかを
まず考えることが根本だと言うことなのである。

これまでの商人諸君は、
自分が消費生活者の隣人として、
その専門の知識と愛情とで
お客さまの生活を守ることが
務めであるという自覚が少なく、
自分自身の損得にばかり熱中してきた。

商人も人間である以上は、
自分の損得の問題よりも、
多くの人々のためになる「善」とか、
その反対の「悪」とかの問題を、
優先的に考えるのが正しいのである。

どんなに自分が儲かっても、
それが悪いことなら、
その儲けから遠ざかるような商人こそ
正しいのである。

だから商人は事を計画したり、実施する時、
「これは儲かるぞ」と思う前に、
人々のために「それは善いことか悪いことか」を
まずよく判断すべきである。

自分だけ儲かることが悪いこととは言えないが、
同時に少しでも他人に損をさせてはいけないし、
みんなが利益になるようなら、
なおよいことだと知るべきである。

「損得より先きに善悪を考えよう」
そういう商売を、
すべての商人にお勧めするのである。
(『商人讃歌』ほかより)
IMG_00471-448x618

元旦からの初売り。

儲かるからやるのか、
人々のために善いことだからやるのか。

人々とは誰なのか。
顧客なのか従業員なのか、
取引先なのか。

他人に損をさせてはいないか。
みんなの利益になるのか。

それらをよくよく考えよう。
そしてその意味を伝えよう。

やることとともに、
考え、伝えることを、
私はお勧めしたい。

駅伝指導者たちが全体に良くなったのは、
伝統の指導法にこだわることをやめて、
思考力と発信力をもつに至ったからだと思う。

〈結城義晴〉

2025年01月02日(木曜日)

2025年の「願はしかるべき事」は「自由であること」

1月2日。

三が日は年賀状でご挨拶。
スクリーンショット 2025-01-02 102916
商業の現代化と知識商人の養成が、
株式会社商人舎のビジョンです。
結城義晴のライフワークです。

今年もそれを願って、
生きていくものです。

さて今年の結城義晴の[毎日更新宣言]は、
自由であろうと思います。

たとえば全体に、
短いブログでもいい。

朝日新聞の「天声人語」は、
603字で6段構成。

読売新聞の「編集手帳」は450字。
こちらは短い。

毎日新聞の「余録」は658字、
日経新聞の「春秋」は550字。

紙の新聞だから、
スペースと字数は限定される。

徒然草の第一段は734字。

こう始まる。
「いでや、この世に生れては、
願はしかるべき事こそ多かめれ」

現代語に訳せば、
[いやはや、この世に生まれたからには、
さまざまな願望が心に去来するものだ]

そして第一段では、
清少納言の「枕草子」を引用する。

その枕草子の第一段は342字と短い。
「春は、あけぼの。
やうやう白くなりゆく山ぎは
少し明りて
紫だちたる雲の細くたなびきたる」

[春は明け方がいい。
少しずつ白み始める山の稜線が
少しだけ明るくなって
紫がかった雲が細くたなびいている]

古典のエッセイは、
734字と342字。

こんな毎日更新宣言ブログでありたい。

ほぼ日刊イトイ新聞の「今日のダーリン」は、
800字だとか1000字だとか、
それを超える場合もある。

こちらはネットなので、
ある意味で融通無碍だ。

結城義晴の[毎日更新宣言]は、
1500字から2000字。
それを超えて3000字のこともある。

写真を何十枚も使うこともある。

表したいことを表す。
だから字数が増えるときがある。

今年は自由でありたい。
目安は1000字くらいだろうか。
枕草子のように300字ほどでもいい。

とにかく自由でありたい。

穏やかな正月です。IMG_8446 (002)

昨年、手に入れたもののなかで、
一番良かったと思うのが、これ。

little Martin。
IMG_8450 (002)

5月15日のBasicコースの自由時間。
ラスベガスのギターセンターで衝動買い。
IMG_4425-002

満足げ。
IMG_4430-002

物欲はそれほど強くない。
けれど日常的に手軽に弾けるギターが、
どうしても欲しかった。

そしてlittle Martinは、
いつも私のそばにいる。
IMG_8452 (002)
人にはこんな相棒があるといい。
心が落ち着く。

物欲はないけれど、
心が穏やかになるようなモノが、
そばにあるといい。

それが自由であることにつながる。

私の「願はしかるべき事」はそんなことです。

今年もよろしくお願いします。

〈結城義晴〉

2025年01月01日(水曜日)

「一陽来復」の「2030年Vision」と「嘘のない組織」

2025年1月元旦。

結城義晴のblog[毎日更新宣言]を開始します。
1年1年、決意を新たにして、
書き続けます。
スクリーンショット 2024-12-31 23351311

株式会社商人舎としては、
一昨年に年賀状じまいをしました。

そこでこの商人舎公式ホームページで、
新年のご挨拶を申し上げます。

新年、おめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

2025年1月に考えること。

「2030Vision」を描きたい。
産業も会社も、個人も。

もちろん国も。

5年後には「2030年問題」が待ち受けています。

少子高齢化はさらに進み、
超高齢化社会がやってきます。

日本の総人口は約1億1700万人まで減少し、
国内人口の3人に1人が65歳以上の高齢者になります。

そして社会保障費の負担は急増し、
医療費や介護費、年金などに関して、
大幅な見直しが必須となります。

私自身はいつまで生きられるかわからない。
天寿を全うするだけです。

しかしできるだけ健康寿命を延ばしたい。
そのために最大の努力を払う。

一番いいのは、
仕事に邁進することだと思っています。

その一方、少子化によって、
15歳から64歳までの生産年齢人口は激減します。

ここから多岐にわたる問題が発生します。
これが「2030年問題」と呼ばれます。

そしてこの2030年は、
プレ・シンギュラリティに当たる年度でもあります。

シンギュラリティ(技術的特異点)は2045年。
人間の知性を超える人工知能(AI)が登場して、
社会が急速に変化する現象。

その前段が2030年のプレ・シンギュラリティ。
人工知能と人間との関係は、
どこまでいくのか。
どう変わるのか。

私たちは今年、確かに2030年を、
見つめなければならないと思います。

だから2030年Visionが必須です。

未来は与えられるものではなく、
自ら選んで、主体的につくっていくものです。

自らVisionを描いて、
自ら選択する。
自ら未来をつくる。

1月元旦には、
その決意をしたいと思います。

[Message of January]
嘘をつく店

倉本長治は言い放った。
「この店は滅びる」

よほど腹が立ったのか、
それともひどく悲しかったのか。
お客を無視する店。
失礼な店。

買いたい品が見つかりにくい店。
欲しいものが品切れしている店。
買った商品が傷んでいる店。
きたない店。

一番いけないのは、
嘘をつく店だ。
正直を謳っていながら、
小さな嘘を潜ませている店である。

「安い」と「良い」とは、
突き詰めると同じことだ。
品質が同等で価格が低い状態を「安い」といい、
価格が一定で品質が高い状態を「良い」という。

品質と価格の天秤で測ると、
「安い」と「良い」とは同じ価値なのである。
ただし、「安い」も「良い」も、
嘘をつかない店でのことだ。

「安いよ、安いよ」と、
大声を張り上げている者にかぎって、
嘘つきの店がある。
不実の店が多い。

こんな店には、
一瞬の「買物の得」はあっても、
一生付き合う「生活の得」はない。
そして人々はそれを瞬時に見抜くのだ。

競争はますます激しくなる。
情報は素早く広く還流する。
そして賢い消費者たちを誕生させる。
逆に、競争者たちは淘汰されていく。

それは現代社会の宿命である。
競争は進化を促す。
見えざる手がそれを後押しする。
だから私もこう言い切ろう。

嘘をつく店など、滅びてしまえ。
永遠に、この地上から消え失せろ。

〈結城義晴〉
1000_F_540515070-2

かつての同じタイトルのMessageを、
書き直してみました。

1年に絞って考えると、
昨年は「物流の問題」が迫っていました。
今年はどう見ても「人の問題」です。

懸案の「年収の壁」は人手不足問題でしょう。
さらに人材の獲得と人材の育成も、
大きな問題です。

そして人の問題の根本になければならないのは、
「嘘のない会社」なのです。

嘘のない会社、嘘のない組織、
嘘のない店、嘘のない職場こそ、
怖いものはない。
一番強いのです。

それが1月のMessageです。

では今年1年に向けて、
ともに第一歩を踏み出しましょう。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2025年1月
« 12月  
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.