結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年02月07日(金曜日)

ニューヨーク初日の対比的なポジショニングと「普通の店」の進化

羽田国際空港から飛び立って
12時間ほどで、
夜が明け始める。
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してジョンFケネディ空港に到着。

ニューヨークはあいにくの雨。
それも氷雨。
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全員無事に入国を済ませ、
現地コーディネーターの
浅野秀二さんと合流。

専用バスでいざ視察へ。
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最初に向かったのは、
ストップ&ショップ。
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ニューヨーク・ニューアーク地区では、
マーケットシェア1位が、
ボランタリーチェーンのショップライトだ。
115店舗16.9%。

ストップ&ショップは2位で、
152店舗・14.0%。IMG_0522

米国のごく一般的なスーパーマーケット。
「コンベンショナル(伝統)型」と呼ばれる。IMG_0526

それでもトレンドの対面売場を設けて、
デリを強化する。
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普通のスーパーマーケットを見ることで、
一つの標準ができる。

そのあとで際立つ特徴の店を訪れる。
するとイノベーションの本質が見えてくる。

しかしその普通の店が進化している。
それは当然のことだ。
どんな店、どんな企業もいつも、
イノベーションを志向しているからだ。

そのなかで本当に優れた企業は、
イノベーションを継続することができる。

イノベーションが止まらない。
それが強い企業、エクセレントな組織なのだ。

ウォルマート。
世界最大の小売業にして、
世界最大の企業。
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そのウォルマートの最強のフォーマット。
スーパーセンター。
衣食住薬のフルライン店舗。
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このエリアに60店舗で10.4%。
コストコに次いでシェア4位。
ニューヨーク市郊外にある超繁盛店。

エブリデーローコストを標榜しながら、
デリ売場には対面販売コーナーを設けて、
顧客サービスを怠らない。
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ロールバックの嵐。
EDLP価格からさらに値引いて販売する。
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バレンタインデープロモーション。
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小雨の中、全員で記念撮影。
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車中でも講義。
ウォルマートのPBを紹介する。
グレートバリューの、
「ツイスト&シャウト」。
NBの「オレオ」の完全コピー商品。
オレオと限りなく同じ味で3割安い。
そこにこの開発の価値がある。
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車内で食べ比べする。

ターゲット。
ウォルマートと同じ業態のライバル。IMG_0536

ウォルマートは食品とハードラインに強い。
ターゲットは衣料のソフトラインに強みをもつ。
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生鮮食品は絞り込んでいる。
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「アウトドアショップ」と名付けられた、
園芸コーナーが新設された。
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ウォルマートのコーポレートカラーが青なら、
タ―ゲットは赤。
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あらゆることがウォルマートと対極にある。

バレンタインプロモーションも、
センス良い売場づくりで真っ赤。IMG_9080

ウォルマートとターゲットは、
一目で差異がわかる。
市場を二分して棲み分けている。

それがポジショニング競争だ。

ターゲットに隣接して、
リドルが新規出店。
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1週間前にオープンした。
ドイツのトップ小売業、
シュワルツグループのボックスストア。
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アメリカには2017年に進出。
大西洋岸南部を中心に展開。
ニューヨーク州のベストマーケット27店舗を買収。
1月現在183店舗。

導入部は青果売場だ。
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青果に続くベーカリー売場に特徴がある。
焼きたてのインストアベーカリーで、
クロワッサンなど1個49セントで売って、
大人気だ。
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アルディと競うリミテッドアソートメント。
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アルディが1万平方フィートなら、
リドルは2万平方フィート。

アルディが98%PBなのに対して、
リドルは8割くらいがPBで、
ナショナルブランドも多い。

店舗中央の平台には、
ノンフードのポップアップ商品が並ぶ。
売り切れ御免のアイテムだ。
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同じ商業施設の反対側に、
アルディがある。
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地域一番の安さを提供する。IMG_9115 (002)

牛乳売場は後部から補充できる、
リーチインケース。
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ローコスト店舗なのに電子棚札導入。
リドルの価格変更に素早く対応する。
牛乳1ガロン(3.8ℓ)3.08ドル。
インフレが進む米国で1リットル81円。
購買力平価を考慮して1ドル100円で考えるのがいい。
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マネジャーにインタビューした。
メイシーから転職してきたが、
待遇はとてもいいとか。

写真はノーグッド。

一気にブルックリンに向かう。
ホールフーズ環境対策店。
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2階に水耕栽培の農場がある。
農産工場で生産した葉物を、
「ゴッサムグリーン」と名付けて販売する。IMG_0564

対面のシーフード売場も、
部門として位置づけられる。
アメリカのスーパーマーケットでは珍しい。
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2階のイートインスペース。
奥にビールバーがある。IMG_0592

上から駐車場を望む。
くるくる回る風力発電、
駐車場の屋根の太陽光発電。
環境店舗ならではの設備満載だ。IMG_0594

ゴッサムグリーンのロゴを配した配送車。IMG_0597

グロサリーピックアップの駐車スペース。 IMG_0600

グリーンのデリバリー車。IMG_0602

ホールフーズを後にしてダンボ地区へ。

ダンボは、
「Down Under Brooklyn Bridge Overpass」の略。

そのブルックリン橋のたもとで、
摩天楼を背景に写真。IMG_0607

ホテルに入って、チェックインすると、
すぐに4班に分かれて、
それぞれステーキハウスへ。

私はスパークスステーキハウスへ。IMG_9123

12名での会食。
ローカルビールで乾杯。
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シュリンプカクテルに始まって、
シーザーサラダ、
そしてロブスター。
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サーロインとヒレのステーキを、
レアとミディアムで味わう。
もちろん赤ワインをお供に。
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最後はニューヨークチーズケーキとコーヒー。
大いに語り合って、よく食べた。

ニューヨークの夜。
地下から噴き出す蒸気。
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長いながい1日が終わる。

それでもニューヨークの小売業は、
さらに進化を遂げていた。

普通の店のストップ&ショップが、
皮肉なことに全体の進化を示していた。
(つづきます)

〈結城義晴〉

 

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