結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年02月09日(日曜日)

ロピア米国研修/マンハッタンのとびっきりのポジショニング競争

OICグループのニューヨーク研修。

3泊5日の弾丸ツアーだ。
座学と視察で充実している。

早くもニューヨーク3日目の朝を迎えた。
ホテルの会議室では、
ロピアの経営理念と7大用語の唱和。
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リードするのは市川さん。
今回の派遣第1班の副班長。
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結城義晴の講義。
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アメリカ小売業の大潮流。
レース型競争からコンテスト型競争への変容、
そしてクリティカルマスと、
寡占・鼎占・複占の理論。

さらにマーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャー、
マーケットフォロワー、
マーケットニッチャーの競争。

ロピアのトップたちに語り続けてきた理論を、
わかりやすく講義する。
トップと共有できるようにと考えている。IMG_0894

最後の最後は、
業種、業態、フォーマットの理論。
そして、
[基本業態+ポジショニング=フォーマット]
コーネル大学のフォーマット論。

肉の宝屋藤沢店から、
ユータカラヤ、
そしてロピアへ。
さらにOICグループへ。

かれらは教科書通りに、
短期間で企業を変容させてきた。IMG_0893

それがロピアの成長の軌跡である。
そしてそれはまだ途上にある。IMG_0885
2時間、声をからして、
全身全霊で講義をした。

終わると最後の視察に向かう。
目的はマンハッタン島内、
ウェグマンズ・アスタープレイス店。IMG_0952

2023年10月にオープン。
1階と地下1階の2層店舗。

その地下1階に「さかなや」を設けた。
日本型の魚売場だ。
IMG_0912

早くも昨年には部分的に改装を行った。
アメリカ風の対面売場と合体させて、
販売面積を広くした。IMG_0922

丸物の陳列。
週2回、日本の豊洲市場から空輸される。
カッティングは日本式。IMG_0913

岸田前首相夫妻が訪米した際に、
奥様が店を訪れた。
その新聞記事をPOPとして使う。IMG_0911

ウェグマンズではインタビュー。
店長のJAREDさん。

忙しいなか、われわれの質問に答えてくれた。
颯爽と現れ、的確に語って、
そして颯爽と消えた。IMG_0927

魚部門の責任者リチャードさん。IMG_0935

商品化や客層の問題など、
具体的な運営について話してくれた。
質問にも丁寧に答えてくれた。

通訳はもちろん、浅野秀二さん。IMG_0938

とても嬉しいことに、
ハマチの刺身と寿司の試食を用意してくれた。IMG_0939

全員で残さず、おいしくいただいた。IMG_0941

リチャードさんを囲んで。
左は現地ガイドの富澤由紀子さん。IMG_0943

富澤さんの案内で、
少しだけ観光。

バッテリーパークそばの公園で、
自由の女神を背景に写真撮影。IMG_0958

それからワンワールドセンターへ。IMG_0961

9・11メモリアルパーク。
富澤さんの説明を聞く団員たち。

私はカメラに向かってにっこり。IMG_0960

鎮魂のプールからオキュラスへ。IMG_0962

オキュラスは駅舎。
スペインの建築家サンティアゴ・カラトラバの設計。
2016年にオクルス・ニューヨーク駅として完成した。

敬虔な気持ちになる。
その真っ白なオキュラスの中で再び写真。IMG_0964

ワールドトレードセンターの一角に、
イータリーがある。

ニューヨーク2号店。 IMG_9310 (002)

売場は建物の3階。

イータリーのコンセプトは、
「学び、食べ、買う」。
つまり市場であり、食堂であり、
学校である。

そんな画期的な店だ。IMG_0971

ガラス張りの店内は、
周囲にぐるりとレストランを配置して、
その内側の売場を回遊させる動線。

青果、ベーカリー、チーズ、パスタなど、
イタリア食材が対面のショップで販売される。
イタリアの市場の店を模している。

その八百屋。
IMG_0972

チーズショップとミートショップ。
この手前にレストランがある。IMG_9314 (002)

イタリアの魚屋。
IMG_0969

カフェやレストラン、イートインスペースは、
窓側にあって、3階からの景色が楽しめる。IMG_0967

ピザレストラン併設のピザ窯は黄金だ。IMG_9318 (002)

イタリアの食文化を案内した通路。
食材や製法などが展示されている。IMG_0968

しかしこの観光スポットと化した2号店は、
レストラン中心の店へと傾斜した。
学校と市場の要素が少なくなってきた。

その分、魅力が薄れたと思う。

フラットアイアンの1号店のほうが、
勉強になる。
そちらがお薦めだ。

ロワーマンハッタンを後に、
ミドルタウンへ。

ハドソンヤード、
ホールフーズ。
IMG_9335 (002)

1階がコンビニ機能。
珈琲やソフトドリンクの飲料とサンドイッチなど。

エスカレーターで2階に上がると、
広大なフードコートと売場。IMG_0974

真っ白な什器の青果売場。
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ニューヨークに来ると、
必ずこの店を訪れる。

それでも来るたびに新しいことをやっている。IMG_0978

「GAME TIME」と記されたケーキ売場。IMG_0984
明日2月9日の日曜日は、
全米が沸き上がる「スーパーボウル」。
つまり「Game」のとき。

NFLのチャンピオンチームを決める優勝決定戦。
アメリカ人は全米一のスポーツイベントを、
友人や家族と一緒に応援する。

その際にケーキも食べる。

ここでランチ。
私はセルフデリの温野菜とチキン、
そしてブロッコリとロブスターのスープ。
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ハドソンヤードを後に、
一気にアッパーウェスト地区へ。
つまりはセントラルパークの西側。

ブロードウェイ沿いにある4店舗を散策。

起点はゼイバース。
たった1店舗のスーパーマーケット。
ユダヤ系ウクライナ人のゼイバー兄弟が創業。IMG_0992

スモークサーモンとコーヒーの店から始まった。IMG_9338 (002)

たった1店だが人気は衰えない。

売上げの4分の1がネット販売だ。
その配送のためのバンが店の前に止まっていた。
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ニューヨークデリと魚が人気の、
シタレラ。
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ニーヨークデリには顧客がついている。

奥壁面の鮮魚売場は洗練されたデザイン。
高齢のマダム客が多い。IMG_0995

シタレラの隣には、
フェアウェイマーケット。
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八百屋出身だから青果部門が強い。
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売場のいたるところに、
アメフトのオブジェがある。

その圧巻の青果部門。IMG_9351 (002)

ブッチャーショップとフィッシュマーケット。
対面売場だが、以前より売場は半減した。IMG_1008
郊外展開をしたが失敗した。
ダウンタウンの店は得意の立地がいい。

最後はトレーダージョー。
地下1・2階の2層の大繁盛店。
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スーパーボウルの日を家で楽しむために、
トレーダー・ジョーで買物をする。
だから顧客が殺到する。IMG_9363 (002)

売れ筋のバナナは午後3時にはもう売り切れ。IMG_9364 (002)

エンド陳列はボリューム感満点なのだが、
それがどんどん売れている。
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冷凍食品はケースの底が見えている。IMG_9375 (002)

ゼイバーズ、シタレラ、フェアウェイマーケット、
仕上げがトレーダー・ジョー。

これらの競争の中で、
ウェストサイドマーケットは姿を消した。

とびきりの特長をもたない店は、
舞台から退場させられる。

それがマンハッタンの最新の競合だ。
つまりポジショニング競争である。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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