ニューヨークにやってきて、
10日目になる。
OICグループのニューヨーク視察。
第3班の2日目が始まった。
朝7時、いつものように、
全員でロピアの経営理念と7大用語の唱和。
リードするのは宍戸班長。
初めに佐藤博和団長のあいさつ。
㈱スーパーバリュー取締役営業統括。
OICグループのNY研修には、
中途採用のチーフが多く参加する。
あるいはグループ入りした企業からも参加する。
だからいつも冒頭で話すのは、
「商人の本籍地と現住所」。
それから昨日の復習。
ウォルマートとターゲット、
アルディとリドル、
そしてホールフーズの環境店舗。
第3班となって3回目の講義。
話し込んでいると脱線が多くなる。
それがまた面白いらしい。
最後にウォルマートのPBとNBの食べ比べ。
そのうえでPBの体系について講義する。
最後の最後は、
バリュー・エンジニアリング。
9時に講義を終わらせると、
専用バスで視察に向かう。
今日はハドソン川の向こう側、
ニュージャージー州を巡る。
壁面のイラストはセロリを運ぶトラック。
今、卵が高騰している。
トレーダー・ジョーは12個入りパックを
3.98ドルで販売する。
陳列した途端、お客が群がる。
クルーメンバーのロビンさんにインタビュー。
さっき、卵を補充していた人だ。
27年間の企業勤務から、
トレーダー・ジョーへ転身。
「今が一番幸せだ」と語る。
アマゾン・ドットコム直営のスーパーマーケット。
手に取ってそのまま出ていく、
「ジャスト・ウォーク・アウト」の店だった。
つまり「アマゾン・ゴー」の大型版。
しかし現在は有人レジと完全セルフレジ、
それにこの「ダッシュボード」の仕組みを使う。
ダッシュカートは、
セルフレジ機能を搭載したスマートカートだ。
顧客は事前に、
アプリをダウンロードして、
決済情報を登録しておく。
そのうえで来店した時に利用する。
顧客は棚の商品を手に取って、
カートに入れるだけ。
カートに搭載されたカメラが、
自動的にスキャニングする。
顧客はそのまま専用ゲートを通って出る。
これで会計が終わる。
ただし、利用している顧客は現在、
ほんのわずかだ。
プライム会員は割安に購入できる。
1.99ドルの商品が1.49ドルになる。
さらに随所に「アレクサ」による案内がある。
Amazonが開発した音声認識サービス。
サービスカウンターは、
オンライン注文商品の返却口となっている。
デジタル化されたスーパーマーケットは、
合理的ではあるがちょっと無機質。
トレーダー・ジョーの商売と対極にある。
これまたアマゾン・フレッシュとは、
対極に位置する店だ。
1980年代には、
「ディズニーランドのような店」と絶賛された。
低迷気味だったが、
久々にエキサイティングないい店を出した。
その先にあったのがこれ。
ボタンを押すとカウボーイ人形が歌ってくれる。
チーズ売場でのパフォーマンス。
自家製モッツァレラチーズの製造。
ワイン売場にも試飲ブースがある。
週末の売場は、
エンターテインメントにあふれて大賑わい。
セルフレジには長い行列ができた。
専門店のようなインストアベーカリーとデリ。
対面ショップ売場が続く。
一方でEDLPの「HOT ZONE PRICES」が展開される。
グロサリー売場の至る所に、
「ホットゾーン価格」のサインがある。
クオリティが高くてお得なPB商品、
「Wegmans」を全面的に訴求する。
店舗右翼にリカーショップが併設されている。
そこで佐藤団長と事務局がワインを購入した。
夜のコミュニケーションタイムのため商品調達だ。
この店はさらに、
本格的なハンバーガーを提供する
直営ショップ「バーガーバー」。
ネットスーパー用の出庫スペース。
壁面には冷蔵ケースを配置。
商品が積まれたカートがズラリと並ぶ。
ウェグマンズの郊外型店舗は、
全需要対応型であることがよくわかる。
だから1店平均2000坪の売場面積で、
1億ドルを超える売上げを誇る。
7000坪のウォルマート同じくらいの販売力をもつ。
フリーウェイを南下する。
バスの中でも講義は続く。
雪が激しくなってきて、
視界も悪くなってきた。
ショップライト。
約300店のボランタリーチェーンの旗艦店。
入口を入ってすぐの右手に、
処方箋を扱うファーマシー。
これで顧客を囲い込む。
「セレブレーションステーション」。
オリジナルケーキを受注提供する。
生鮮やデリ、ベーカリーは、
多様なショップ形式を採用する。
青果売場では、
親子で働く二人の店員から声を掛けられた。
息子さんは日本語を勉強中とか。
いい店や企業では、家族で働く人が多い。
グロサリーは多品種多品目の品揃え。
そのうえローコスト運営。
1200坪でコの字型レイアウト。
そこに対面売場を設けて、
一応、店づくりのトレンドを追っている。
水槽にはロブスター。
しかし対面売場なのに、
従業員はいない。
一部の形式だけウェグマンズなどを真似ても、
尖がった店にはならない。
全体に「特徴のないのが特徴」の店。
これがポジショニングのない店の典型だ。
全米の多くの店がこのコンベンショナル型である。
ニュージャージー州の
とんがり★こだわりの店を堪能して、
マンハッタンへ戻る。
ナビスコ工場跡を活かしたショッピングセンター。
観光スポットになっている。
オイスターバーやロブスターバーがある。
その中でもお勧めは立ちの寿司屋。
ニューヨーク随一の鮮度と味と価格。
私はアウトレットショップへ。
ジャケットとコートを衝動買い。
この店は入口にはいつも行列。
入場制限をしている。
2日目はニュージャージー。
最後にマンハッタンのチェルシーマーケットを訪問。
楽しい一日だった。
ありがとう。
(まだまだ続きます)
〈結城義晴〉