2019年4月の標語

ワンプライスに命をかけよ!

価格はたった一つ。
それがワンプライス商法。
同じ一つの商品に対して、
値段を上げたり下げたりしない。

より良い商品を探し出し、つくりだして、
そのうえで徹底的に無駄を省いて、
初めからぎりぎりの価格を出す。
真っ正直商売、最高のインテグリティ。

アメリカのトレーダー・ジョー。
日米のコストコ・ホールセール。
そしてウォルマート。
日本のセブン-イレブン。

成功している商売は例外なく、
ワンプライスに命をかける。
初めから終わりまで、
一物一価を貫徹する。

一番古く、歴史に残るのは三井高利。
1673年に開業した江戸時代の「越後屋」。
「一銭にても空値申上げず候間、
御値切り遊ばされても負けは御座なく候」

そしてジョン・ワナメーカー。
1886年、米国フィラデルフィアの百貨店。
ワンプライスと返品保証を謳って、
絶大なる人気を誇った。

戦後の日本では、倉本長治らによって、
「正札販売運動」が展開された。
イオンの前身「岡田屋」の岡田卓也も、
正札販売にのめりこんでいった。

平成から令和に変わる日本の今。
ある種のお祭り騒ぎの一方で、
小売業の六重苦に追い打ちをかけるように
NB値上げと消費増税・軽減税率導入。

その2019年春、「値下げ」商略が登場する。
他に手立てがないから値下げする者。
今になって、慌てて安売りする者。
売上至上主義に陥る者。

それらは絶対に衰える、滅びる。
マーケットがシュリンクする日本で、
それは自らの未来の、
先食いに他ならないからだ。

価格はたった一つ。
他にない、より良い商品を生み出して、
そのワンプライスに命をかける。
自らの命をかけぬ者に客の命は守れない。

〈結城義晴〉

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