韓国ソウルのEマート・ハナロマート・ピエロ、面白い!!
Everybody! Good Monday!
[2019vol14]
2019年第15週。
4月第2週。
どんどん春が進む。
月刊商人舎webコンテンツ。
月曜朝一・2週間販促企画。
今の時期の4つのポイント。
第1に新入学、新学期の文具。
第2にヘルス&ウェルネス。
第3にアウトドアスポーツ需要。
第4がGW前のトラベル用品。
トラベル用品に関しては、
なぜかドン・キホーテが、
魅力的な品ぞろえをしている。
食品のスーパーマーケットでも、
ドラッグストアでも、
シーゾナル商品として、
あるいは「売り切れ御免」商品として、
旅行用品は重要なコンセプトだ。
商人舎流通スーパーニュースでは、
2月期の決算報告が相次いでいる。
サンエーnews|
営業収益1898億円2.1%増、人件費アップで減益
決算の優等生のサンエーまで、
増収減益。
それでも営業利益率は7.4%、
経常利益7.6%とすごい。
フジnews|
営業収益3123億円1.3%・経常利益3.4%の減収減益
昨年10月にイオン(株)との間で、
資本業務提携契約を締結したが、
小売業の六重苦もあって減収減益。
好調企業でも増収減益、
普通の業績の企業で減収減益。
厳しい決算が続く。
さて私は昨日から韓国ソウル。
韓国のキャッシュレス化は、
このグローバル化した世界で、
8割を超えて断然トップ。
その実態も体験しておきたかった。
遅きに失した感がある。
さて朝一番で肉の市場へ。
マジャン(馬場洞)畜産市場。
1990年代までは屠殺場があった。
そしてソウル第一の卸売市場だった。
日本と同様、いやそれ以上に、
卸売市場の近代化が図られて、
マジャン洞もリニューアル。
現在は卸売市場と公設市場、
そしてモクチャコルモッ(食い倒れ通り)。
ずらり並んだ店では、
朝から枝肉処理作業が行われていた。
近代化によって、
卸売りと小売り、そして外食。
コストコホールセールのような、
三つの産業を超えた機能を持つ。
おもしろい。
次にスターフィールド・コエックスSCへ。
逆に超近代的な展示場と、
ショッピングセンター。
地下1階のゾーンが、
「スーパーストア」を集めた、
大型ショッピングセンター。
つまりテナント店舗面積を、
通常の1.5倍から2倍にした商業施設。
UNIQLOもZARAもH&Mも入る。
その核店舗が、
「ピエロ」
ひとことで言えば、
ドン・キホーテの模倣店舗。
地下1階と地下2階。
エスカレーターでつながれる。
これでもかと面白い商品が並ぶ。
しかも圧縮陳列。
家電などは日本のドンキより、
むしろ洗練されている。
そして「驚安」のような、
安さの打ち出しは少ない。
サークル型の通路は、
ドンキの新店と同じ。
ワインの品揃えは高級店並み。
アパレルはハンガー陳列。
生鮮と惣菜を除く食品はある。
ドンキよりもそれは少ない。
レジは銀行方式。
ドンキを模倣して、
ドンキの初期の店のようになった。
おもしろい。
そして話題の小型スマートストア。
Eマートのエブリデー。
50坪ほどの小型店が200店を超える。
タイム・セーブ、
マネー・セーブ。
エコ・セーブ。
完全なミニスーパー。
日本でいえばイオンのまいばすけっと。
品ぞろえは2700品目。
トレーダー・ジョーと同じくらい。
スマホのアプリをダウンロードして、
顧客は購買商品のバーコードを、
自分でスキャンする。
するとアプリにその購買履歴が出る。
あとはかごに入れるだけ。
購買履歴の合計。
ボタンを押すとバーコードが出てくる。
これをゲートでスキャンすると、
ドアが開いて店を出ることができる。
出口は一つの通路。
一方通行で入り口ではない。
セルフチェックアウトだ。
清算はクレジットカードか、
新世界百貨店のプリペイドカード。
Eマートは同百貨店のスーパー部門。
店長のウー・チーフンさんが、
丁寧に説明してくれた。
昨年オープンして、
今、実験中だが、
省力化・省人化が進んだ。
全員で写真。
ウー店長と握手。
つぎにそのEマート、
レギュラー店。
3000坪の総合スーパー。
バナナの売り方はホールフーズの真似。
鮮魚はロの字型作業場が売場の中にある。
バルク販売にも挑戦。
農心の「辛ラーメン」が、
ゴンドラ1本を埋め尽くす。
市場シェアの6割以上を占める。
ワインショップにはセラーもある。
家電も充実。
非食品ハードライン、アパレルもあって、
総合スーパーとして何とかやっている。
日本ほどではないが、
総合スーパーもやや低調となる。
ウォルマートもカルフールも撤退。
テスコもサムソンに会社を売却。
Eマートとロッテマートが、
複占の状態を示す。
Eマートのエコバッグ。
500ウォン、約50円。
最後はハナロマート。
いわば巨大な 農協店舗。
産地直送の青果部門が核売場。
コメ売場も広大だし、
全韓第一の品揃えだ。
通路が広くて、
土曜・日曜は大繁盛店だ。
精肉部門も広いし、圧倒的な品ぞろえ。
全国に大きな農協が5つある。
そのうちの一つで、
全国から農産品、畜産品、
その加工品を集荷する。
もちろん飲食スペースも充実。
チェックスタンドはもちろん、
キャッシュレスシステムもある。
ハナロマートの本社でインタビュー。
ウェルカムボード。
会議室でビデオを見て、
それから会議のようなインタビュー。
右が韓国側、左が日本側。
和やかに、丁寧に、親密に交流する。
ハナロマートを経営するのが、
農協の一つNHグループ。
そのPR部門取締役のリー・スーエルさん。
右は農心ジャパン社長のキム・デハさん。
加藤徹万代油脂工業社長と、
今津社長の今津龍三さん。
そしてミラクル前田。
この店は3000坪で1日1億円の売上高。
年間350億円を超える。
そのマーチャンダイジングから物流、
経営全般を語ってくれた。
そして全員で写真。
リーさんとは固い握手。
最後の最後にキムさんと握手。
長い付き合いとなるだろう。
インチョン空港にむかって、
夕方のOZ108便。
海も空も美しい。
PM2.5 が舞い散るというのに。
3本の滑走路がある。
飛び立ってソウルの上空。
夜景が美しい。
2日間の弾丸ツアー。
20世紀の最後に、
㈱商業界が韓国の企業と、
包括的業務提携を結んだ。
未来トレードという会社だった。
私は取締役でこの提携をまとめた。
その頃は何度もソウルを訪れた。
その後、カルフールやウォルマートの、
視察研修を何度か行った。
それ以来、韓国とは縁が薄れた。
国と国、国民の感情と感情、
それは今、よくない状態だ。
しかし小売業や消費産業で見ると、
両国は協力していかねばならない。
東アジアの経済圏は、
世界をリードする役割の一翼を担う。
それを強く感じた2日間だった。
では、みなさん、今週も、
Good Monday!
〈結城義晴〉