San Franciscoのホールフーズとナゲットとウィンコに学ぶ
Everybody! Good Monday!
[2019vol16]
2019年第17週。
4月第4週。
Good Monday! とはいうものの、
こちらサンフランシスコは、
日曜日のイースター当日。
ホテルニッコー25階の会議室。
サンフランシスコ中心部が下に見える。
団長の阿部千博さんが、
平和堂米国研修第17団の方針を、
再度、強調して、総括した。
そのあと、2時間の講義。
ダラスからサンフランシスコまでの、
訪問企業の整理をしつつ、
フォーマット戦略から、
ポジショニング戦略までを、
わかりやすく丁寧に講義した。
それから最後は、
コモディティ化理論と、
プライベートブランド論。
アメリカ流通業から学べることを、
私の理論体系に基づいて総括した。
講義が終わると、
最終日の視察研修へ。
シアーズを見に行った。
リージョナルショッピングセンターは、
まるでゴーストタウン。
シアーズ・ホールディングスは、
昨2018年10月15日、
連邦破産法11条を適用申請。
経営破綻はしたが、
投資家のエドワード・ランパート前CEOが、
53億ドルで買収して再建に向かっている。
しかしこの店は閉まっていた。
ショッピングセンターそのものが、
全体に閉鎖されていた。
しかし、ウォルマートが、
テナント入居している。
そして死んだ商業集積の中で、
ウォルマートだけが生きている。
2層で3000坪ほどの店は、
ディスカウントストア業態だ。
地域第一の低価格を謳っている。
そしてモールの通路側の出入口。
シャッターが閉まっている。
このショッピングセンターは、
中国資本に買収されて、
「蛻変」(ぜいへん)が表明されている。
だから核店舗のメイシーズも、
改装のために閉鎖されている。
通常ならばウォルマートも、
他のテナントと同様に閉鎖しているはず。
だが、営業すれば顧客がやってくる。
だから営業していて、繁盛している。
しかし、ショッピングセンターの、
相乗効果がなくとも単独で顧客を引ける。
すごい店であることを見せつけている。
ホールフーズマーケット。
そのダウンタウンの小型店。
1万5000平方フィート(約420坪)。
入口には青果部門。
コンパクトにまとめて、
一応の品ぞろえができている。
根菜類とバナナは、
それでもボリューム陳列。
バルク売場はなかなか豊富な品ぞろえだ。
ホールフーズの特徴が
セルフデリだが、
小型什器を開発して、
狭い売場に上手にはめ込んだ。
対面売場はレギュラーに劣らない。
ピザやサンドイッチの対面コーナー。
チーズはこのコンパクトさの中では、
驚くほど豊富だ。
シーフードとミートは、
逆に絞り込んで対面販売。
奥主通路はリーチインケースが、
ずらりと並ぶ。
ゴンドラアイルにも、
リーチインケース。
全体で見れば、
グロサリーと生鮮を絞り込み、
惣菜と乳製品、冷凍食品は、
品ぞろえを確保する。
最近日本でいう「即食」。
コンビニエンスフードである。
エンドにはアマゾン・プライム会員価格を
打ち出した商品。
そしてレジは銀行方式。
もう何度も何度もこの店を訪れた。
ますます繁盛しているので、
ちょっと安心した。
それからバスを飛ばしてバカビルへ。
ナゲットマーケット。
入口の一丁目一番地。
そして自慢の青果売場。
ため息が出るほど美しい。
床はピカピカで、
商品と壁面装飾にマッチしている。
オーガニック・コーナーも、
世界一美しい売場だ。
青果に続くシーフード対面売場。
そして精肉売場。
壁面をトタンで装飾して、
これも洗練されている。
リカー売場のエンドには、
自転車が使われている。
奥壁面沿いの主通路。
シンプルだけれど美しい。
店舗中央の冷凍食品売場。
無駄なものは一切排して、
ファンタスティックな美しさを貫徹する。
コスメティックス売場。
店舗左奥に服飾品コーナー。
その前に紙製品のボリュームエンド。
どんな商品でも、
美しい売場はできる。
それを納得させられる。
レジ前は広く開けてあって、
たとえ顧客が並んでも、
快適な気分でいられる。
店舗中央のバルク売場も美しい。
そしてコーヒーサービスコーナー。
ナゲットマーケットの際立つ美しさを、
あらためて強調して紹介してみた。
美しさは、十二分に、
ポジショニング戦略となる。
最後の視察は、
ウィンコフーズ。
従業員が保有する会社。
つまり従業員持ち株会社だ。
入口の一丁目一番地は、
ウォール・オブ・バリュー。
価値ある壁。
連続した特売エンド売場。
それを抜けると青果部門。
クレート陳列を中心に、
ローコストオペレーション体制が、
よりよく整えられている。
青果に続いてバルク売場。
バルクも大容量低価格だ。
奥主通路は惣菜からシーフード、ミート。
対面売場と斜めにセットした平ケース。
広大な惣菜、鮮魚、精肉売場だ。
グロサリーは長い長い陳列線。
工場の煙突のようなデコレーション。
奥左サイドには、
乳製品のリーチインケース。
牛乳は1ガロン2.68ドル。
ダラスに比べると安くはないが、
このエリアでは一番の低価格。
そして店舗左サイド中央を、
冷凍平ケースが左右に走る。
店舗左手前に広大なインストアベーカリー。
レジ前には高々としたラック。
そのラックのチェックスタンド側には、
これでもかと全米各地の味のパン。
そして米国では珍しく、
サッカーサービスをしないレジ。
ノーサッカーのコスト分は、
低価格に反映されている。
低価格のためにすべてを集中させるのが、
ウィンコフーズだ。
しかし安くてピカピカ、
安くてフレンドリー、
安くて良い。
現代の米国のディスカウントは、
大きく進化している。
サンフランシスコ最後の日も、
充実した視察研修。
観察し、考察し。
それを計画に成就させ、
実行に移す。
では、皆さんも、
Plan・Do・Check・Action。
Good Monday!
〈結城義晴〉