災害列島「日本人の強み」とイオンの「2020年人材国際化・女性登用構想」
台風15号。
今度はなんと、
名付けようか。
またまたぐるぐる迷走した挙句、
スピードを上げて、
直進しつつ本州に上陸しそう。
名古屋では100万人以上に、
避難指示と非難勧告。
ことしの日本列島、
「水難」の相が深く刻まれた。
お見舞い申し上げ、
ゆめゆめご油断なきよう、
と喚起したい。
今日は、彼岸の入りの日。
先祖の霊も、
台風に驚いているに違いない。
今日から3日間は、平日。
私はこの間に、
溜まりに溜まった原稿執筆と、
10月の怒涛の海外視察のテキスト作り。
ご迷惑をおかけしている編集者の皆さん、
印刷所の皆さん、お詫びしつつ、
懸命に執筆。
読者の皆さんには申し訳ないけれど、
その合間に、ブログ執筆。
商人者ホームページで、
本編の[毎日更新宣言]の次にアクセス数が多いのが、
トップにある「行動予定カレンダー」。
9月下旬からダラス、サンフランシスコ、
10月中旬にケルンとパリ、
10月下旬から11月にかけて、
ダラス、ワシントン、ニューヨーク、
そしてロサンゼルス。
ことしはスケジュールを入れすぎた。
しかし、頑張ります。
何というか、私の人生のピークのひとつが、
東日本大震災の今年に重なった。
考えてみると日本列島は、
地震、台風をはじめ、災害列島ともいえる。
それに1945年のヒロシマとナガサキの原爆、
そして2011年のフクシマの原発。
だから日本人は辛抱強くなった。
真摯で誠実な国民性を持つに至った。
これは災害列島に住む私たちの最大の「強み」でもある。
その強みを持った私たちが、
海外を訪れ、海外を知る。
それこそ「強み」を伸ばすことにつながる。
頑張ります。
人生最大のピークだと認識しつつ。
そして九州人の肝っ玉をご覧にいれます。
さて連休明けで、ニュースの少ない流通業界。
日経新聞に「イオン本社、社員の5割を外国人に」の記事。
千葉県幕張にあるイオンの本社、
その社員の外国人比率は現在、3%。
これを2020年までに5割に引き上げる計画。
まあ10年の長期計画だから、
先のこととはいえ、
いま、こういった計画を打ち出す意味は大きい。
当面はアジア展開がイオンの戦略。
それを加速するために最も大切なのが人材。
アジアの人材の戦力化を急ぐのが目的。
もちろん現地法人との人事交流も活発に進められる。
イオンはアジアでの売上高と営業利益の比率を、
2020年までに現在の数%から5割に拡大する構想を掲げる。
実際に、記事では、
「今年から中国やマレーシア、タイのほか、
米国と英国でも採用活動を始めた」とある。
そのためにアジア各国の有力大学と、
採用や教育に関する協定関係を広げる。
イオン名誉会長の岡田卓也さんは、三つの構想を掲げた。
「平和産業、人間産業、地域産業」
これが現在のイオンのテーゼでもある。
アジアの小売企業を標榜するからには、
アジアという地域産業であると同時に、
アジアの人間産業である必要がある。
このイオンのテーゼへの一歩が、
本部人員5割の外国人比率。
現在、国内外のグループ従業員数は約33万人。
すごいことになっている。
そのうち、外国人比率は約7%。
2020年ごろにはもう、どの企業においても、
これは、特筆すべきことでもなくなっているだろう。
しかし2011年のいま、
この構想を打ち上げることに意味がある。
私は、そう思う。
記事では同時に、
「女性取締役の比率」にも、
触れられている。
現在のイオングループ企業の女性取締役は、
連結会社のなかで社長4人を含め計25人、
約5%。
それを30%に高める計画。
日本の大手百貨店の取締役・執行役の比率は、
130名超のうち、3名だと聞いた。
日経の記事では、
「国内の主要企業の女性取締役比率は1%弱」と書かれていて、
イオンは現在でもその平均を大きく上回る。
イオンは、グループの現地法人からの出向や転籍を活発化させ、
人材の行き来を頻繁にし、
アジア人の女性社員をも、
経営層に積極的に登用する。
かつてイオンには、
岡田名誉会長の姉上の小島千鶴子さんという方が、
常務取締役で活躍した。
小島さんを超える女性取締役の登場を期待したい。
そのために、今後、
「優秀な人材は、幹部候補の研修」に参加させる。
私もイオンビジネススクールの講師を務めているが、
やがて外国人社員に、
『商売十訓』を教える日が来るに違いない。
ワクワクしてくる。
日本人の「強み」を生かしたうえでの国際化。
これはイオンに限らないことだ。
<結城義晴>