カンブリア宮殿の「サミットスタディ」と竹野浩樹の涙
毎日毎日、何か出来事がある。
エブリデー・イベント。
今日は、鼎談。
「ていだん」と読む。
対談「たいだん」は、
二人が向かい合って話をすること。
それに対して「鼎談」は、
三人が向かい合って話をすること。
「鼎」は「かなえ」とも読む。
もともとは中国古代の器。
土器、あるいは青銅器。
よくある器の「鼎」は、
鍋型の胴体に3本の足が付いている。
その足も中空状態になっている。
さらに上部には2つの耳がついている。
運んだり持ったりするためだ。
この3つの足で支えられるということから、
「鼎」が「三」の意味となった。
その鼎談。
場所は横浜商人舎オフィス。
高木和成さんと和田光誉さん。
そして結城義晴。
お二人とも昭和44年に、
チェーンストア産業に入った。
74歳。
高木さんはユニー、和田さんは長崎屋。
そろって幹部となって退任。
それからも高木さんはコンサルタント、
和田さんはジャーナリスト。
お二人とも、
商業経営問題研究会のメンバー。
かつて故杉山昭次郎先生を中心に、
「杉山ゼミ」という勉強会が開催された。
その師範代の役目を果たしていたのが、
故磯見精祐さん。
杉山先生に座長になっていただいて、
磯見さんを中心にして誕生したのが、
「商業経営問題研究会」
Retail Management Learning Circle。
略称RMLC。
磯見さんも逝去され、
師範代は高木さんとなった。
そして若輩の私が、
恐れ多くも座長を務めた。
和田さんもこのRMLCのメンバーだ。
RMLCは東洋経済新報社から、
本を発刊した。
結城義晴編著、商業経営問題研究会著。
「小売業界ハンドブック」
和田さんも執筆陣に入っていただいた。
その高木和成さんと和田光誉さんと、
結城義晴の鼎談。
午後4時から始めて、
7時くらいまで3時間に及んだ。
凄い内容で、
活字にはできない出来事が、
次々に語られた。
実に面白い。
他のメディアでは読めない内容。
月刊商人舎6月号で掲載予定。
ご期待ください。
鼎談が終わってからも、
「魚盛」に場所を移して、
飲み、食べ、語り合った。
結局、6時間も話し合いは続いた。
ありがとうございました。
心底、楽しかった。
帰宅してみると、
「カンブリア宮殿」
テレビ東京で放映中だった。
サミット㈱の物語。
主役は社長の竹野浩樹。
こちらも村上龍と小池栄子の鼎談。
サミットが4年連続最高実績を積んでいる。
商人舎流通Supernews。
サミットnews|
’19年3月期売上高2823億円2.3%増で過去最高
その絶好調の秘密を探る。
かつての社長、会長。
荒井伸也さんも、
雑誌『サミットスタディ』を読みながら、
番組に登場。
これは結城義晴の作品。
食品商業編集長のころ、
レギュラー号で1年間連載特集を組んで、
それを一冊にまとめた。
竹野さんのチラシ作戦。
白紙のチラシに、
「創業祭特価」㊙
詳しくは店頭で
凄い発想。
大胆。
思い切り。
怖いもの知らず。
服部哲也さんも登場。
現在、取締役専務執行役。
コーネル大学RMPジャパン伝説の第一期生。
最後に竹野さんが、
感極まって涙。
この言葉がよかった。
「会社の成長より
自分の成長を楽しんでくれている」
サミットの現在は、
この言葉に象徴されている。
私の言い回しでは「脱グライダー商人」
竹野さんはそれが、
何よりうれしいようだ。
ついでに結城義晴も、
ほんのちょっと登場。
サミットストア鍋屋横丁のオープンの日、
取材をしていたら、
カメラクルーに呼び止められて、
アドリブで話をした。
感激屋の竹野浩樹。
その全人格が、
たちどころに全社員に受け入れられて、
新しいサミットの風土をつくる。
会社は人です。
しかし一人ではできない。
荒井伸也さんが基礎を築いた。
理論的にも実践的にも。
それがサミットの、
スーパーマーケット産業内の、
ポジショニングとなった。
テレビには出なかったけれど、
その後、前社長の田尻一さんが、
間違いなく展開・発展させた。
マーケティング面で。
竹野さんはそれらを否定することなく、
エネルギーがたまっていた器の、
蓋を開けた。
そして再びビジョンを与えた。
その蓋の開け方が、
素晴らしかった。
竹野浩樹にしかできないことだった。
それが今のサミットだと思う。
コンセプトは、
「日本のスーパーマーケットを楽しくする」
そのためには何よりも自分たちが、
心の底から楽しくなければいけない。
もちろんサミットのビジョン、
マネジメントとオペレーション、
店と売場と商品。
それらがあって初めて、
楽しさが生まれる。
その楽しさは、
自分が成長する楽しさ。
アブラハム・マズローの発展段階説。
その最終段階「自己実現の楽しさ」である。
〈結城義晴〉