あなたは「Good Luck」を信じるか? 私は? ん~……信じない!!
今日から大阪遠征。
新幹線のぞみ。
今年は何回くらい乗るのだろう。
東海地方は梅雨空。
富士川を渡るときも、
富士山の姿は見えず。
しかし何度も来た道は近い。
あっという間に新大阪。
それからタクシーを飛ばして、
新地の料亭久恵へ。
㈱万代グループ傘下の料亭。
若女将は万代のコーポレート本部からの出向。
そしてこの若女将がどんどん改革して、
料理も酒ももてなしも、
ものすごくよくなった。
その鮮度のいい刺身。
酒は南アフリカの赤ワインと日本酒の古酒。
山形県の加茂川酒造の「古時計」。
万代社長の阿部秀行さんと、
専務の芝純さんも、
揃って乾杯。
夕方の6時から多種少量の絶品の和食と、
これも少量のビールとワインと古酒。
堪能して、話も弾んだ。
ホテルまで送ってもらって、
阿部さんと握手して別れた。
大阪は来週の金曜、土曜、
G20サミットが開催される。
高速道路は全面ストップする。
「もうすべて手は打ったけれど、
結構、売れるかもしれん」
金曜、土曜。
大阪で厳重な警備態勢が敷かれると、
人々は外出を控える。
そしてスーパーマーケットは、
結構、売上げを稼ぐかもしれない。
阿部秀行は、
すべての手を打って、
それを待っている。
明日は万代知識商人大学第4期の講義。
頑張ります。
さて日経新聞電子版「経営者ブログ」。
現在は4人の書き手。
元伊藤忠商事社長・会長の丹羽宇一郎さん。
オリックスシニアチェアマンの宮内義彦さん、
IIJ会長の鈴木幸一さん、
そしてユニ・チャーム社長の高原豪久さん。
いずれも素晴らしい。
今日は高原さん。
テーマは、
「幸運は下ごしらえすれば訪れる」
ユニ・チャームでは、
「共振の経営」を標榜している。
「鍵は、リーダーの本気の後ろ姿に
あると思っています」
「それは絶え間ない地道な
“率先垂範”の積み重ねです」
高原さんが「我が意を得たりと感じた書籍」が、
アレックス・ロビラらの共著、
『グッドラック』
「運と幸運は違う、
運は偶然にやってくるが、
幸運は必然にやってくる」
「運は、来たり来なかったりするが、
幸運は絶えず手に入れることができる」
幸運をもたらす四葉のクローバーを、
2人の騎士が森に探しに行く物語。
「一人の騎士は、
運に頼り、森を探し、
彷徨います」
「もう一人の騎士は、
四葉のクローバーは、
見つけるものではなく
育てるものであることに気付き、
汗を流して森を開拓して
適した土壌を作り、
そこで育てることで
手に入れることができました」
単なる良いお話と受け止めるか、
深い感動を覚えるか。
高原さん。
「成功するためには仕事は怠けない、
日延べしない、準備をおこたらない、
そして成功を信じること」
このあたりはちょっと説教臭い。
しかし、
「運は、偶然に瞬間だけ、
掴(つか)み取る者はいるが、
幸運は”下ごしらえ”をしている者に
絶えず訪れる」
そこで高原さん。
「”共生社会の実現に寄与することで、
いつかは世界一になる”という目標に対して
“共振”し続けることは大変なことですが、
それが、我々に、
幸運(成果)が訪れ続けるための、
まさに”下ごしらえ”だと思っています」
Good Luck。
おもしろいのは、
この物語を信じる者だけに、
運はやってくるというところ。
高原さんは間違いなく、物語を信じて、
「共振の経営」の下ごしらえに励む。
私は?
私は、ん~……、
いくら下ごしらえしていても、
運がやってくるとは考えない。
寂しいけれど。
高原さんは「幸運(成果)」と表現しているが、
私は「幸運=成果」だとは思わない。
運は、断じて、
「平均の法則」に則っている。
しかし「成果」は、
それを真摯に追い求める者にだけ、
自然・必然・当然のごとく、
もたらされる。
幸運も、ほんとうに、たま~に、
やってくるかもしれないけれど。
それをあてにはしない。
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
それだけだ。
ひどく難しいことだが。
〈結城義晴〉