大阪の阪急オアシス・ダイエー・ライフ「Miniel」巡り
2020東京オリンピック1年前。
晴海のトリトンでセレモニーが行われた。
いよいよカウントダウンだ。
期待は膨らむばかりだが、
「祭りのあと」への危機感もある。
一方、九州全域、四国、近畿、
そして北陸地方が梅雨明け。
各地とも平年より遅く、
昨年に比べると2週間も遅い。
関東や東海、東北なども、
もうすぐ梅雨明けだ。
これだけ天候に異変があると、
前年踏襲の商売や仕事は、
予測外ればかりだ。
ジャズや芸人の「アドリブ」が求められる。
「臨機応変」な対処である。
しかし名人のアドリブは、
臨機応変であっても、
その名人らしさを持つ。
ポジショニングである。
さて、先週の大阪出張の際、
手早く、新店を巡った。
商人舎流通スーパーニュース。
実に便利なサイトだ。
阪急オアシスnews|
Kitchen&Market併設「福島ふくまる通り57店」出店
5月15日(水)にオープンした78号店。
「福島ふくまる通り57店」
大阪環状線の福島駅から徒歩5分。
スケルトンの天井は、
阪急オアシスの専売特許となってきた。
キッチン&マーケットが併設されている。
これまた阪急オアシスの専売特許。
隣接する1階のホテル側出入口に、
圧巻の惣菜売場。
エスカレーターを登って2階が、
精肉・鮮魚、グロサリーと酒売場。
そこにバーがあって、
「グロサラント」そのもの。
ただしロケーションはちょっと苦しい。
阪急オアシスという会社に、
存分の仕事ができる物件を用意すれば、
凄い店をつくり続けるのだろうが。
だんだんそれが難しくなってくる。
次にダイエーnews|
地域住民&観光客狙う「イオンフードスタイル四ツ橋店」出店
バナーは「AEON FOOD STYLE」
(イオンフードスタイル)。
1階と2階の2フロアで、
こちらもエスカレーターでつながる。
売場面積は257坪。
3階から12階はビジネスホテル。
阪急オアシスと似ている。
入り口を入るとまず2階に誘導される。
そして農産部門。
鮮魚・精肉と続いて、
グロサリーがコンパクトに展開される。
この緑色の売場は、
明らかに中国人向け。
プライベートブランドも、
クォリティブランドがずらり。
インバウンド購買を狙っている。
1階は惣菜とベーカリー、飲料・酒。
コンビニエンスニーズに対応。
首都圏・関西圏、中京圏をはじめ、
都心型店舗開発が盛んだ。
2層でエスカレーター。
インバウンド消費と、
コンビニエンスニーズ。
その最たるものが、
ライフnews|
都心特化型フォーマット76坪の「Miniel西本町店」4/13出店
ライフコーポレーションのコンビニ型。
欧米ではエクスプレスストアと呼ぶ。
「Miniel西本町店」
ホームセンターのコーナンの店舗の一部に入った。
これまた都心型超小型店、76坪。
簡単に言えば惣菜とグロサリーの店。
しかしインストアでの最後の加工もして、
コンビニよりも断然、
つくりたて感がある。
冷凍食品や日配品、グロサリーは、
スーパーマーケットそのものだ。
ライフは中型総合スーパーと、
食料品スーパーマーケット、
そしてこのエクスプレスストア。
岩崎高治社長が、
三菱商事時代に仕事したのがイギリス。
かの地の「プリンセス」という会社の社長だった。
商事系の食品メーカーで、
もうイギリスで3番手くらいには入る。
その時にテスコの戦略を、
肌で感じるほどに学んだに違いない。
私の予測だが。
その頃はテスコの全盛期で、
テリー・リーヒーがCEOだった。
テスコエクストラ、
テスコスーパーストア、
テスコメトロ、
テスコエクスプレス。
そのうえでテスコ・ドット・コムと、
テスコ・ダイレクト。
このマルチフォーマット戦略で、
クリティカル・マスを達成し、
マーケットシェアを最高レベルまでもっていく。
ライフは明らかにこの戦略だ。
そのための必須のコマとして、
「Miniel」のフォーマットが実験された。
私はそう読む。
だからライフはネットスーパーもやるし、
Amazonのプラットフォームに出店もする。
ライフが目指すのは、
テスコであって、
ホールフーズではない。
念のために言っておこう。
店を見るのは楽しいものだ。
いつでも、どこでも。
日本の店も、もっともっと、
見ておかねばならない。
次の月刊商人舎は、
それで行きます。
乞う、ご期待。
〈結城義晴〉