結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年08月26日(月曜日)

「どかとよろしき残暑かな」と9月のPayPay旋風の予感

Everybody! Good Monday!
[2019vol34]

2019年第35週、8月第5週の最終週。
8月が終わり、いわば「正式」に夏が終わる。

「作家の幸田文さんは、
随筆で”季節のかたみ”という
印象的な言葉を使っている」

南日本新聞巻頭コラム、
「南風録」

「厳しい暑さの夏の形見は、
庭にバケツの水をひっくり返した時、
乾いた土がはぜるような音を立てて
ひび割れた思い出だ」

今年の「夏の形見」は何だろう。

山陽新聞の巻頭コラムは、
「滴一滴」

こちらは「季節スイッチ」という言葉を使う。
「おでんは、最高気温が
30度を下回る日をきっかけに
売り上げが伸びる」

その30度を切るとき、
「季節スイッチが入った」と表現する。

「処暑を過ぎて、
過ごしやすい朝夕が増えてきた。
日脚も徐々に短くなり、
やがて”秋の夜長”へと向かう」

そして阿波野青畝(あわのせいほ)の句。
朝夕がどかとよろしき残暑かな

青畝は奈良県生まれの俳人。
口癖は「長生きは得でっせ」で、
93歳まで生きた。

この句の「どかとよろしき」の「どか」は、
関西弁でいえば「ごっつう」といった感じ。
「すごくいい」という意味。

この8月最終週は、
そんな「季節スイッチ」が変わる、
「どかとよろしき」7日間だ。

清少納言の「枕草子」では、
春夏秋冬が描写される。
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「夏は夜」
「月のころはさらなり、闇もなほ、
ほたるの多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、
ほのかにうち光りて行くもをかし」

「古典」の授業では、
「をかし」は「趣がある」と教えられるが、
「なんとなくいいね」といったニュアンス。

「秋は夕暮れ」
「夕日の差して
山の端いと近うなりたるに、
からすの寝所へ行くとて、
三つ四つ、二つ三つなど
飛び急ぐさへあはれなり」

「あはれなり」は、
しみじみとしていて、
心打たれること。

夏は夜が良いし、
秋は夕暮れが良い。

「どかとよろしき残暑」のころは、
両方の良さを堪能できるかもしれない。

さて今日は、
シェ・フルール横濱。
商人舎オフィスから徒歩3分。
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創作和フランス料理。IMG_00319

商人舎の歓送迎会ランチ。
コース料理のスタートは、
冷製スープ。
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そしてカラフルなオードブル。
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メインディッシュは、
神奈川県特産のヤマユリポークのソテー。IMG_00259

白身魚のポワレ。IMG_00269

ズワイガニのパスタ。IMG_00279

デザートとコーヒー、紅茶。IMG_00289

大満足で写真。IMG_00309
「集まり散じて
人は変われど 

仰ぐは同じき
理想の光」

この会の最後の言葉として、
私は早稲田大学校歌の歌詞を紹介した。
相馬御風の作詞。

人は集まる。
人は散じる。
しかし同じ理想の光を仰ぐ。

商人舎の「舎」とは、
そうありたいという意味だ。
いつも、いつまでも。

さて、今日の商人舎流通スーパーニュース。
とりせんnews|
QRコード決済サービス「PayPay」9/1全店導入torisen_20190826_02
㈱とりせん(群馬県館林・前原宏之社長)が、
9月1日(日)から「PayPay」を全店導入。

昨年に創立70周年を迎えたとりせん。
群馬県27店舗、栃木県19店舗、
茨城県10店舗、さらに埼玉県3店舗で、
合計59店舗。

オール日本スーパーマーケット協会の、
有力メンバー企業だ。

そのとりせんが導入するPayPayは、
9月1日から30日までの1カ月、
全国の加盟スーパーマーケット対象に、
「10時~14時がおトク! 家計を応援!
スーパーマーケット大還元祭」を開催する。

毎日10時から14時の間に、
PayPayで支払うと、
最大10%のPayPayボーナスを還元する。

PayPayは、
コンビニ、ドラッグストアをはじめ、
全国のスーパーマーケットに対して、
異様な執念で加盟勧誘をしている。

もちろんソフトバンク㈱とヤフー㈱が、
合弁で作った会社がPayPay㈱。

アスクル㈱前社長の岩田彰一郎さんが、
株主総会で退任する事件で注目されたが、
9月は全国のスーパーマーケットへの、
最大10%還元が話題をさらいそうだ。

10時から14時に1割還元だから、
午前中から午後までの客数増に貢献する。

そして9月が終わると消費増税。
いいところに目をつける。

スマホを使った「QRコード決済」は、
アリペイとウィーチャットペイが、
中国圏で先行する。

日本では2016年に、
オリガミペイが先鞭をつけた。
それにLINE(ライン)ペイ、
楽天ペイなどが次々参入。

そこに2018年10月に、
PayPayが満を持して登場。

ソフトバンクの社外取締役が、
ジャック・マーということもあって、
アリババの金融サービス子会社と提携。

昨2018年末商戦の12月には、
「100億円あげちゃうキャンペーン」実施。
原則として購入金額の20%、
抽選で全額(上限10万円)が還元された。

しかしわずか10日間で、
キャンペーン予算に到達して終了。

2月12日には第2弾100億円キャンペーン。
そして消費増税を控えたこの8月だけでも、
ライフコーポレーション、西友、
東急ストア、そしてとりせんが、
PayPay導入に踏み切った。

すでにユニクロ&ジーユー。

コンビニはセブン-イレブン、ローソン、
ファミリーマート、ミニストップ、
そしてセイコーマート。

ドラッグストアはツルハ、
マツモトキヨシ、ココカラファイン、
もう雪崩を打ったように導入。

イオンは4月に関東と山梨県でスタート。
ロピアもオーケーも導入した。

セブン-イレブンは7Payで味噌をつけて、
国内3社と中国2社のQR決済を導入。

そして今、スーパーマーケットが、
こぞって導入。
9月はPayPay旋風の季節になりそうだ。
それにつられてLINE Payも広がる。

消費増税や軽減税率にだけ、
目を奪われていてはいけない。

そのことをきっかけに何かが起こる。
それが商売に影響を与える。

激動の9月に突入しようとしている。

その直前の「どかとよろしき残暑」である。

では、みなさん、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉


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