世界最大食品展示会アヌーガで商談[2]結城義晴選定ブース大賞
ドイツのデュッセルドルフのホテルで、
嬉しいニュース。
『店ドラ』第6刷決定。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』
(イーストプレス刊)
目出度く6回目の刷り増しとなりました。
といっても、大ベストセラーのように
ドカッドカッと、大量に印刷するのではなく、
小刻みに小刻みに版を重ねていくものですから、
これからまだまだ長い道のりが待っていることと思います。
でも一発満塁ホームランでなくとも、
コツコツとバントで進塁し、点を取っていく野球も、
味のあるものです。
ビジネスに関する単行本はほとんど、
バント派、コツコツ派、小刻み派であることは
間違いありません。
それでも5月末の発刊ですから、4カ月半ほどで、
6刷は快調なペースです。
みなさんのおかげです。
ありがとうございます。
もうひとつの新しい単行本も、
書店に並び始めています。
『1秒でわかる! 小売業界ハンドブック』
(東洋経済新報社刊)
結城義晴編著・商業経営問題研究会著。
昨年、書き下ろした『小売業界大研究』(産学社刊)と、
内容は似たような感じですが、
こちらは新書版です。
そして気鋭のジャーナリストたちによって、
最新の情報がコンパクトにまとめられています。
通称『大研究』がベーシックな教科書とすれば、
通称『ハンドブック』は最新情報版とでもいったらよいでしょうか。
ご愛読いただければ幸いです。
さて、こちらでも、大きなニュースになっています。
いや、こちらでこそ、大ニュース。
欧州連合(EU)の危機対策。
日本の日経新聞は今朝の一面トップで報じました。
「ギリシャ債務を大幅削減」
「23日にEU首脳会議とユーロ圏首脳会議を開き、
焦点となっているギリシャ向け融資や
銀行の資本増強など欧州債務危機克服に向けた包括戦略をまとめる」
「経営不安が広がっていたフランス・ベルギー系大手銀行デクシアを解体し、
不良資産を切り離すなど総額10兆円規模の救済策が10日決まった」
昨日お会いした独国三菱商事社長の松井俊一さんは、
「17カ国による欧州金融安定化基金の機能拡充策が、いま、
最後の山場を迎えています」と語っていました。
現在までに16カ国が賛成票を投じているものの、
最後の国スロバキアが国内決定をする、
その時だというのです。
これは現在の融資能力30兆円を46兆円まで引き上げ、
同時に国債を市場で買い取れるような制度を持つものです。
オーストリアのエルステ銀行が800億円以上の損失を計上しますが、
採択されて安定化基金が発足すれば、ここも安定化します。
しかし、その後、スロバキア議会が否決を決定。
またまた混沌の中に入ってしまいました。
このニュースは今日の各紙夕刊トップを飾るはずです。
先週日曜日に、
ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領が、
ベルリンで会談しました。
ふたりのリーダーが実質的に、
今後をどうするかを決めていきます。
そこに焦点が集まっています。
「リーダーの意思決定」
ヨーロッパ全体が、注目しています。
その視線は熱い。
さて、日本ではすかいらーくが売却されてしまいます。
アメリカの米大手買収ファンド「ベインキャピタル」が、
野村ホールディングス傘下の投資会社からすかいらーくを買い取ります。
負債込みの買収総額は約2600億円。
先日のイオンによるマルナカ買収は、
負債込みの総額約1000億円。
「ファンドによる日本企業の買収では2008年秋の金融危機後で最大」と、
日経新聞は書く。
これは、ちょっとさみしいことになります。
さてさて、アヌーガ。
今日は、ブースを写真紹介していくつもりでしたが、
どうやら、ほんのさわりのところで終わりそうです。
ご勘弁のほど。
もう出発の時間が迫っているのです。
ドイツに上陸してから3日目。
アヌーガ訪問2日目。
その終わりに再び全体写真。
朝10時に入場して、
夕方4時集合。
その間、ブースに入り込み、
情報収集、コネクションづくり、
試食・試飲、商談。
みな、駆けずり回り、食べ、飲み、
話し、考え、討論した。
昨日と比べてみてください。
みんな、「成果が上がり収穫大」という顔つき、
しているでしょう。
たぶん、日本から来た最大の買い付け団体。
成果を期待します。
アヌーガは、
10月8日開幕、
10月12日閉幕。
5日間の開催。
その間、この広大な展示場を、
まるでJR新宿駅か、大阪駅かというくらいに人が埋め尽くす。
15万人のビジター。
昨日は4日目にもかかわらず、
その勢いは衰えていません。
我々も、世界中のライバルに負けてはいられない。
小さなブースでも、
良い商品があるかもしれない。
しらみつぶし、
芋づる式、
第六感と度胸、
そして「縁」。
そんなものを頼りに、
そんなものを感じ取りながら、
商品との出会い、
人との巡り合い、
会社との遭遇を期待する。
9つのチームごとに、
通訳をつけて、
食べ、飲み、話を聞く。
テースティング中なのは、
㈱万代副社長の山下和孝さん。
さてさて、突然ですが、
私が選んだ2011アヌーガ・ブース大賞。
ここです。
7号館のフードサービス&リテールテックのホールの入り口。
MKN社。
シェフがずらり並んで、デモンストレーションしながら、
機械の説明をし、料理を食べさせる。
昨日も違うシェフが中華料理。
この調理器は、火力が強い。
パワーがある。
それを実によく表現している。
販売するのは、これ。
テレビ・クルーを引き連れたシェフが、
このブースを訪問して評価。
素晴らしいパフォーマンス。
何度もこのブースにやってきて、
何度もおいしい試食をさせてもらった。
ありがとう。
といったところで、もう時間切れ。
アヌーガ3日目への出発時間がきた。
アヌーガ自体は今日が最終日。
我々は最後まで粘って、
ホップ・ステップ・ジャンプで、
成果を確認する。
そのあと、今日はパリに向かう。
みなさんごきげんよう。
<結城義晴>