地べたを這いつつ、宇宙を見よう。
地べたを這いつつ、
宇宙を見る――。
「虫瞰図の眼」。
虫の視線ではるか宇宙まで見通す。
作家で運動家だった小田実のスタンス。
虫の眼、鳥の眼、魚の眼。
そして心の眼。
商人の眼。消費者の眼。
つくり手の眼、卸し手の眼、売り手の眼。
三方良しの眼。
米国小売業には、
アメリカン・ドリームがある。
ウォルマートのサム・ウォルトンは、
その新世界の壮大な夢を実現させつつ、
米国自由勲章を受賞した直後に逝った。
米国IT産業にも今、
同じくアメリカン・ドリームがある。
彼らはコンピュータ実務の地べたを這いつつ、
シンギュラリティ*の宇宙を見ている。
21世紀の夢に日付をつけて。
そしてこの新世界の新世紀の夢には、
地べたの眼で宇宙を見ることが必須だ。
私たちもアメリカを歩くことで、
そんな夢に共鳴することができる。
そんな夢を共創することができる。
米国50州とワシントン特別区。
そのすべての都市圏に21世紀の夢がある。
すべての都市圏に独自の競争構造がある。
すべての都市圏にそれぞれの変容がある。
すべての都市圏に地べたと宇宙とが同居する。
地べたを這いつつ、
宇宙を見よう。
虫の視線ではるか宇宙まで見通そう。
虫瞰図の眼をもってアメリカを歩こう。
虫瞰図の眼を活かして「今」を変えよう。
〈結城義晴〉