帰国してから感じるマーケティングとイノベーションの本質
Everybody! Good Monday!
[vol42]
帰国しました。
昨日。
パリのシャルル・ドゴール空港。
総勢60名、全員で決意の写真。
三菱食品㈱関西支局副支局長の松澤厚さん、
毎回、参加してくれる。
国分㈱近畿支社第1営業部長の山崎佳介さん。
コーネル大学RMPジャパン「奇跡の第2期生」。
ルフトハンザでパリを出発。
45分で、ライン川の支流マイン川が見えてくる。
そしてドイツの空の玄関フランクフルト。
ドイツ最大のハブ空港。
帰りはチームと別れ、
一人旅。
ルフトハンザのドイツ人らしいシンプルなサービス。
これも捨てがたい。
心地よい。
12時間後、成田空港に降り立つと、
9月上旬の熱気。
ケルンでは毎日、雨模様。
パリは珍しく快晴が続いたが、
それも快適だった。
日本はまだまだ夏の名残をとどめる。
ちょっと違和感がある。
今回の欧州旅行。
収穫は大きかった。
アヌーガの世界最大の展示場には、
イノベーションの種が満載されていた。
毎奇数年に開催されるパリのシアル。
アヌーガはその2倍のスケールを持つ。
オーガニックは抜き差しならないほど重要なテーマとなった。
コンビニエンス・ニーズもますます、必須のコンセプトである。
「フィンガー・フード」は一種のブームになるだろう。
そして人種問題・地域問題と食糧の関連の強さ。
何よりも大きいのは、
「食はプレジャー」であること。
すなわち「喜び、幸せ」。
ドラッカー先生のもっとも有名な言葉。
「企業の目的として有効な定義はひとつしかない。
すなわち顧客の創造である」
これがドイツにもフランスにも、
その小売業や食品産業の底流にあった。
ドラッカー先生の続き。
「従って企業は二つの、そして二つだけの基本的機能を持つ。
それがマーケティングとイノベーションである。
マーケティングとイノベーションだけが企業に成果をもたらす」
ではマーケティングとは。
「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。
マーケティングが目指すものは、
顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、
おのずから売れるようにすることである」
では、イノベーションとは何か。
「人的、物的、社会的資源に対して、
新しい、より大きな富を生む能力を与える仕事」
ここでいう「富」とは、
「利益」ではない。
英語でwealth。
利益を超えた概念。
いわば「幸せ」のようなもの。
ドラッカー先生は、
「利益は条件である」と言い切る。
「富」は条件ではない。
目的である。
それが、この旅行のなかにあった。
ドイツの小売業も、フランスの小売業も、
新しい、より大きな「幸せ」を生み出すことに、
懸命だった。
その競争に必死だった。
私たちはそれを感じ取った。
良い旅だった。
参加者はもとより、
裏方に回った人々にも、
心から感謝したい。
さて、日本に帰ってきても、
私は休まない。
今日は、
立教大学大学院サービス・マーケティングの講義。
たっぷり90分×2時限。
後期の履修者は最終的に32名を数える。
お陰様で、大人気の講座となった。
そして明日火曜日は青森で講演会。
明後日水曜日は、全日食チェーン大会。
小泉純一郎元総理が記念講演する。
そして木曜日は、
流通科学大学主催のリテール・サイエンス研究所設立記念セミナー。
伊藤雅俊さん、岡田卓也さん、清水信次さん、
そして横山清さんの座談会がある。
翌金曜日はコーネル大学&新日本スーパーマーケット協会のセミナー。
ジーン・ジャーマン名誉教授、
ビル・ドレイク教授が来日して、
講演してくれる。
そして土曜日と日曜日は、
立教の結城ゼミ合宿。
秋のスケジュールが目白押し。
知的好奇心が満たされ、
その挙句に、なにか、
とてつもないインスピレーションがわいてくる。
そんな予感がするこの1週間。
その時、ドイツ、フランスでの知見の集積は、
大いに役に立つ。
今週の商売は、
秋真っ只中の快適な生活を演出。
月末のハロウィンに向けて、
一段と盛りあがってくる。
今月の商人舎標語は、
「着眼大局 着手小局」
私自身の行動は、
「着眼大局」にピタリだった。
現場は「着手小局」。
リテール・イズ・ディテール。
小売りの神は細部に宿る。
細かいことにこだわって、
顧客の「幸せ」を演出したい。
それこそが「富」を生む。
すなわちイノベーションにつながる。
では、今週も、
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>
[追伸]
ドイツ・フランスのレポート。
順次掲載予定。
乞う、ご期待。