よそに合わせてどうすんねん!
中国戦国時代の荘子。
「変化こそ不変の真理である。
流転こそ万物の真相である」
日本にも同じ思想を持つ者はいた。
明治時代の岡倉天心。
「変化こそ唯一の永遠である」
イギリスの作家イズレイル・サングウィル。
「すべてのものは変化するが、
変化のみは不変である」
商業界主幹の倉本長治も言い残した。
「変化するという事実だけが、
変化しない」
だがピーター・ドラッカーは説く。
「エントロピーの法則」。
組織は放っておくと陳腐化する。
「いかなる経済といえども、
放置しておくならば資本の生産性は
確実に逓減に向かっていく」
陳腐化も逓減の法則も、
変化であることに変わりない。
しかし、この変化には対処法がある。
ご存知、上田惇生。
ポストモダンの七つの心得のひとつ。
「自ら陳腐化せよ」
自ら陳腐化するとは、
破壊的イノベーションを、
自ら企図せよということだ。
消費増税・軽減税率制度導入。
そして不公平競争のポイント還元。
目に見える波は動揺と混乱を引き起こす。
しかし海上の波の、ずっと下には、
大きな潮流のうねりがある。
波が変化なら、潮流も変化である。
その潮流の変化を捉え、
それに先行し、
自ら陳腐化する。
それを生み出すのはビジョンである。
支えとなるのはポジショニングである。
「よそに合わせてどうすんねん」(阿部秀行)である。
〈結城義晴〉