「リスクを負って計画せよ!」とヤオコー川野澄人社長発言
今週の日曜日が冬至。
1年で一番昼が短い日。
しかし冬至が1年で一番、
日没が早い日ではない。
12月6日。
しかし今日あたりが、
一番早く日が沈む気がする。
今日は朝から東京・小平。
横浜よりもちょっと寒いか。
第一屋製パン㈱取締役会。
2019年は元号が変わったし、
消費増税があった。
大変な年だった。
今年はまだ2週間ほど残っているが、
現場はみんな、頑張っている。
取締役会の間、私はずっと、
商人舎 2017年10月号を思い出していた。
[Message of October]
リスクを負って計画せよ!
今日と昨日は異なる。
そして明日も、今日とは異なる。
どんな計画も、どんな中計も、
この差異を前提としてスタートする。
より良い明日を迎えようと思えば、
昨日、今日との差異を、
意図しなければならない。
違いのある明日をつくらねばならない。
そしてその違いこそ、
新しい価値そのものである。
すなわち経済行為の本質は、
この新たな価値を生み出すことにある。
だが、この新しい価値は、
リスクによってしか生じない。
リスクから生まれる成果こそが、
経済活動の目的である。
だからどんな計画も、
リスクを冒すと決意することから始まる。
リスクを負うことこそ、
計画の本質である。
逆に言えば計画は、
リスクを回避する術(すべ)ではない。
計画はリスクを創造し、
積極的にリスクを引き受けるものだ。
したがって計画は、
願望であるはずはない。
そのうえ計画は、仕事として、
具現化されなければならない。
最善の計画でさえ、
仕事としての実行なしには、
良き意図に過ぎないし、
単なる願望と失望に終わる。
(Inspired by Peter Ferdinand Drucker)
役員会が終わると、
取締役、監査役、執行役全員で、
ささやかなランチ忘年会。
際コーポレーション㈱の「草門去来荘」
門をくぐって敷地に入ると、
紅葉が美しい。
竹林もこの店の売りだ。
古民家を再生して、
シックな和風レストランが生まれた。
あの中島武さんのプロデュース。
際コーポレーション代表取締役。
入口には囲炉裏がある。
1年間、議論を重ねて、
一部上場企業を経営してきた。
お疲れ様でした。
一方、同じ時間に、
埼玉県の川越市。
㈱ヤオコー。
恒例の年末社長記者会見。
川野澄人さんが、
爽やかに会見した。
商人舎流通スーパーニュース。
ヤオコーnews|
川野澄人社長語る「10月既存店4.0%増/11月3.1%増と健闘」
上半期の4月~9月。
本体のヤオコーが苦戦し、
傘下の(株)エイヴイは好調。
川野さんの発言。
「生鮮が苦戦した。
そのうえ客数減少のトレンドに
いまだ歯止めがかからない」
月刊商人舎では、
2018年4月号で特集した。
「生鮮3部門クライシス!!」
この現象がヤオコーに出現している。
しかしその一方、
増税後の営業成績はいい。
「10月は既存店売上高が4.0%増、
11月も3.1%増と健闘した。
客数はそれぞれ0.6%減、0.7%減と
前年を下回ったものの、
買上点数がそれぞれ伸びて、
客単価を押し上げている」
さすがヤオコー。
消費増税後は、
中小企業のポイント還元が始まった。
これに対抗してヤオコーでは、
10月にポイント5倍セールを実施した。
結果として、
顧客の購買意欲は増税後も落ちなかった。
ヤオコーの企業運営方針は、
「チェーンストアとしての個店経営」だ。
川野幸夫会長が社長の時代から、
変わらない戦略ともいえるものだ。
そのうえで高野保男さんの指導の下、
オペレーション改革を進めてきた。
学ぶことに対しても、
ヤオコーの幹部や社員は真摯である。
その結果、オペレーション改善が進んだ。
時間帯別マーチャンダイジングや、
夕方の売場充実が可能となった。
さらに「デリカ生鮮センター」の活用、
自動発注システムの構築。
現場の改善改革が進捗する。
そして2020年は、
ヤオコー創業130周年の年。
そこで、
次の10年を見据えた「長期ビジョン」を、
つくっていく。
これはまったく偶然にも、
今月号特集とシンクロした。
2020年代流通の投影図
During the Next Decade, You Must Change!
中期計画も長期ビジョンも、
リスクを冒すことを避けてはいけない。
再び[Message of October]から。
――だからどんな計画も、
リスクを冒すと決意することから始まる。
リスクを負うことこそ、
計画の本質である。
逆に言えば計画は、
リスクを回避する術(すべ)ではない。
計画はリスクを創造し、
積極的にリスクを引き受けるものだ。
したがって計画は、
願望であるはずはない。
そのうえ計画は、仕事として、
具現化されなければならない。
最善の計画でさえ、
仕事としての実行なしには、
良き意図に過ぎないし、
単なる願望と失望に終わる。
〈結城義晴〉