「相次ぐ店舗の営業時短」と「ミラノのヴォルタ高校長の手紙」
Everybody! Good Monday!
[2020vol⑨]
2020年第10週。
3月第2週。
一月、往ぬる、
二月、逃げる。
三月、去る。
2020年の令和最初の二月、
逃げるように時が過ぎていった。
新型コロナウィルスに明け暮れた2月。
日経新聞の記事。
「店舗”時短”相次ぐ」
小売業やサービス業、銀行。
ライフコーポレーションは今日の2日から、
全約280店で営業時間を短縮する。
通常は午前9時、あるいは9時半の開店。
それを全店で10時に遅らせる。
そして約3割の86店では、
閉店時間を1~2時間早める。
商人舎流通スーパーニュース。
ライフnews|
新型肺炎対応/営業時間短縮・チラシ広告自粛
理由は政府の小中高校の臨時休校。
これによってパートタイマーの、
マンアワーが不足すると予測される。
そこで営業時間を短縮し、
人時をコントロールする。
イベントやチラシ特売も自粛する。
平和堂news|
新型コロナウィルス対応/3月のイベントを中止
サミットnews|
新型コロナウイルス対応/チラシ特売を自粛
外食ではゼンショーホールディングス。
牛丼店「すき家」も店舗によって、
時短営業や休業に踏み切る。
メニューを絞り込んで、
店舗運営の簡素化にも取り組む。
百貨店でも時短の動きがある。
商人舎流通スーパーニュース。
百貨店news|
新型肺炎への大手百貨店7社の時短と催事縮小の対応
日経新聞は小田急百貨店と東急百貨店、
そして阪急阪神百貨店。
小田急百貨店の新宿店と町田店は、
2日から22日まで営業時間を、
午前10時半から午後7時半にする。
東急百貨店は全国4店舗で、
最長18日まで営業時間を短縮する。
阪急阪神百貨店は17日まで、
1時間~3時間短縮。
家電チェーンのケーズデンキは、
全約500店のうちの大半が、
19日まで1~2時間短くする。
最長で3週間、
もしくは春分の日の3月20日(金)直前まで、
営業時間の短縮が行われる。
マンアワーが不足するから時短。
そしてチラシを打たない。
結構、利益が出たりする。
新型コロナ騒動は、消費を冷え込ませる。
感染拡大とともにイベントは中止になる。
外出や旅行も避けられる。
その分、自宅で生活したり、
内食したり。
つまり巣ごもり消費。
国民全体が節約志向となる。
小売業はそれも良し。
顧客の動きに合わせて、
営業体制を機敏に変えてよろしい。
朝日新聞デジタルの記事が話題だ。
「休校の今、皆さんに伝えたいこと」
翻訳はOVO(オーヴォ)サイトが的確。
イタリアはミラノ。
「アレッサンドロ・ヴォルタ高校」
そのドメニコ・スキラーチェ校長。
同校ホームページに、
生徒に向けて手紙を書いた。
「ヴォルタ高校の生徒へ」
“AGLI STUDENTI DEL VOLTA”
イタリアは中国・韓国と並んで、
米国から渡航禁止区域に指定されている。
そして日本同様、臨時休校となっている。
同校は7日までの休校が決まった。
イタリアの文豪マンゾーニは、
国民的文学作品『いいなづけ』で、
1630年のペスト流行の様子を描写した。
校長はこのマンゾーニを引用して言う。
「このころ起きている混乱を、
並外れた新しさと鮮やかな文章で描いており
注意して読んでみることをお勧めします。
そこには外国人への恐怖、
感染源のヒステリックな捜索、
専門家への軽蔑、デマ、
ばかげた治療法、必需品の盗難……
すべてのことがあります。
これらはマンゾーニの小説からではなく、
今日の新聞から出てきたかのようです」
「冷静さを保ち、
集団のパニックに巻き込まれないこと。
予防策を講じたうえで、
いつもの生活を続けてください」
「せっかくの休みだからこそ、
散歩をしたり、
良い本を読んだりしてください」
「体調に問題がなければ、
家に閉じこもっている理由はありません。
スーパーや薬局に駆け込むのはやめよう。
マスクは病気の人のためのものです」
「世界のあちこちに
あっという間に広がっている
この感染の速度は、
われわれの時代の必然的な結果です」
「ウイルスを食い止める壁はありません。
それは、今も昔も同じです。
ただその速度が以前は
少し遅かっただけなのです」
「この手の危機に打ち勝つ際の
最大のリスクについては、
マンゾーニやボッカッチョが
教えてくれています。
それは社会生活や人間関係の荒廃、
市民生活における蛮行です」
「見えない敵に脅かされた時、
人はその敵があちこちに
潜んでいるかのように感じてしまい、
自分と同じような人々も脅威だと、
潜在的な敵だと思い込んでしまう、
それこそが危険なのです」
「16世紀や17世紀の時と比べて、
私たちには進歩した現代医学があり、
それはさらなる進歩を続けており、
信頼性もある」
「合理的な思考で
私たちが持つ貴重な財産である
人間性と社会とを守っていきましょう。
それができなければ、
本当に”ペスト”が
勝利してしまうかもしれません」
「学校で待っています。
ドメニコ・スキラーチェ」
このホームページの言葉は、
世界中に広がった。
私も2週間前のこのブログで、
ペストの話を書いた。
新型コロナウィルスに
「今日もお仕事・おまんまうまいよ」
私たち日本の商人も同じだ。
冷静さを保ち、
集団のパニックに巻き込まれない。
予防策を講じたうえで、
いつもの生活を続けよう。
仕事に邁進しよう。
散歩をしたり、
良い本を読んだりしよう。
合理的な思考で、
人間性と社会を守っていこう。
では、みなさん、
今週も、いつもの生活を続けよう。
Good Monday!
〈結城義晴〉