ロサンゼルス2日目・3日目の駆け巡りとニジヤ・ファームのオーガニック農場
ギリシャのパパンドレウ政権が、
国会の信任投票で153対145で信任された。
ギリギリ。
これで、解散総選挙となって、
金融市場大混乱の事態だけは、
一応、回避。
2009年10月、ギリシャ政権交代ののち、
財政赤字が公表数字よりも大幅に膨らむことが明らかになった。
企業でも新しい社長の体制になって、
前時代までの粉飾が判明したりする。
それと同じ。
そこからヨーロッパの経済危機が始まった。
金融市場で、財政の持続性への懸念が強まり、
主に南欧諸国の国債利回りが上昇し、
一部は資金繰り難に陥った。
金融システムが揺らげば、
危機が深刻化する。
肝心な情報が隠され、粉飾されたりする。
ここに根本の問題がある。
さて一昨日、ニューヨークからロサンゼルスに到着。
まず、ニジヤ・マーケットに直行。
ロサンゼルスを中心に、
サンフランシスコ、ニューヨーク、ハワイにも出店。
13店舗年商7000万ドルのスーパーマーケット。
日本人を中心にした客層をコア・ターゲットにしている。
入り口のトップ・アイランド。
そして右壁面の青果部門。
アメリカではどんな店も、
青果部門は見事。
ニジヤももちろん、
お見事。
ニジヤ・ファームという直営農場で作っているサツマイモ。
オーガニック商品だ。
これが優れもの。
惣菜部門がとりわけて強い。
日本食メニュー。
そして対面のフードサービス部門。
イートイン・コーナー。
ここで私たちは昼食。
ニジヤの皆さんには、
この後ずっと、ロサンゼルスでお世話になった。
ニジヤの駐車場に、
カレーのケータリング・バン。
新しいビジネス。
西海岸で大流行のビジネスモデルで、
ニジヤは日本食のカレーで勝負する。
次に向かったのはホールフーズ・マーケット。
ただしこの店、あまりよろしくない。
もちろんホールフーズの基本は徹底されている。
しかしロケーションが的確でないと、
競争が激しいエリアでは、さすがに苦戦。
そしてフレッシュ&イージー。
ヘッドオフィスに近いこの店では、
さまざまな実験が行われる。
フレッシュ&イージーに関しては、
帰国してから詳解の予定。
英国発の小型店に隣接する
米国産小型店のトレーダー・ジョー。
目と鼻の先での競合になる。
この店はフレッシュ&イージーのイノベーションにあおられていて、
珍しく、大繁盛というわけではない。
ロスの競争も面白い。
最後にブリストルファーム。
私は30年も前に、この企業の第2号店のときに訪れた。
元気な二代目専務がインタビューに答えてくれたが、
その後、アルバートソンに買収され、
さらにそのアルバートソンが解体売却され、
現在はファンドの支配下にある。
だから店はほぼ死にかけている。
ホテルに着くと、荷物を置いて、
すぐにセミナー。
前半は林廣美先生の仕切りで、
ニジヤ・マーケット経営幹部の皆さんとの質疑応答。
辻野三郎丸社長。
もともとはカメラマン。
メキシコで苦労し、
ビジネスを起こし、
ロスでスーパーマーケットを始めた。
その相棒の副社長アルフレッド・ブランケンシーさん。
イギリス人。
辻野&アルフレッドの二人三脚で、
ニジヤ・マーケットは、
アメリカと日本の虹の架け橋となっている。
そして営業を一手に仕切る土井仁司さん。
コーポレート・オペレーション・ディレクター。
こちらのスーパーマーケットの仕入れ事情や経営数値を、
特別に披露してくれた。
後半は私の講義。
商品戦略マーチャンダイジング・チーム向けのレクチャー。
終わったのは夜の9時過ぎ。
3時間時計を逆戻したので、
実際には夜中の12時ということになる。
長い長い一日だった。
参加者の皆さんのご協力に感謝。
そしてロス視察最終日の昨日。
ニジヤ・マーケットの
オーガニックファームを視察。
MDコースの主目的のひとつだ。
朝からくもり空で心配していたが、
途中から怪しい雨模様。
辻野さんからファームの全貌の説明を受ける。
そして現場視察、
まずサツマイモの畑。
ハウスのなかで野菜栽培。
農薬を一切使わず、
虫退治と自然態系との闘い。
辻野さんの執念がこの事業を続けさせている。
私も見た、聞いた、食べた。
大根のオーガニック畑。
ニジヤ・ファームについても、帰国してから報告の予定。
乞う、ご期待。
さてニジヤ・ファームに続いて、
研修会最後の店舗視察。
まずはおさらいのためのウォルマート。
古いタイプのスーパーセンターだが大繁盛。
入り口でボンズとの価格比較をやっていた。
ボンズの商品を購入し、
レシートを対比させる。
そして31ドル83セントのお得、と表示する。
泥臭いが、
それが本来のウォルマートらしい。
その後、スプラウツ・ファーマーズマーケット。
MDチームにはこの新しいフォーマットを見てもらっていなかった。
スーパーマーケットという業態と、
ファーマーズマーケットというフォーマット。
そのセグメンテーションとターゲティング、
そしてポジショニングを理解してもらうのに、
これほどいい素材はない。
大型八百屋、そしてベジタリアン・スーパーマーケット。
いかがだろう。
最後に新しい企業。
マザーズ・マーケット&キッチン。
7店舗のインディペンデント。
惣菜が主力。
家庭の味で、おいしそう。
しかしきちんとしたスーパーマーケット。
最後に深夜、フレッシュ&イージー・エクスプレス。
11月2日にオープンしたばかりの超小型店。
この店、いい。
詳細は力を入れて、帰国後に報告。
アメリカでは新しいチャレンジが、
次々に行われる。
ものまね、猿まねのオンパレードではない。
自分の強みがある。
他との違いがある。
ポジショニングがある。
これです。
最後の最後に交流会。
浅野秀二先生得意の「中国人の女性」の話で、盛り上がった。
しかし私は疲れから居眠り、熟睡。
㈱万代惣菜部シニアマネージャーの吉川英樹さんは、
まだまだ元気。
良い日だった、
と夢の中で思った。
<結城義晴>