ホールフーズ・ヤオコー絶好調とコロナ危機のパラドックス
商人舎特派員ハワイレポート。
By Moe Sasakii。
ホールフーズマーケット・クイーン店。
2018年5月9日、
ハワイ最大の3号店として、
ホノルル中心部にオープン。
米国メインランドを含めても、
私は五本の指に入る店だと思う。
〈この写真は昨年9月撮影〉
青果部門からシーフード部門へ。
ハワイ名物のポケ売場は、
対面方式の大皿盛から、
パック商品に変わった。
もちろん新型コロナウィルスの影響。
美しいミート売場。
息をのむほどのワインコーナー。
しかしパスタなど保存食品売場は、
完全な品切れ状態。
補充は間に合わないほど、
客数も多い。
冷凍食品も品薄状態は続く。
ハワイがこんな状態だから、
メインランドのホールフーズも、
大繁盛だろう。
新型コロナの顧客に対する心理的影響。
日米欧、そしてアジアも、
同じ傾向が出ている。
保存のきく商品が売れる。
惣菜やデリ、ベーカリーなどは、
パック詰めしなければ売れない。
トイレットペーパーなどは品切れする。
Nestingの潮流。
スーパーマーケット業態は、
世界的な「コロナ特需」に潤う。
商人舎流通SuperNews。
ヤオコーnews|
2月既存店売上高11%増、巣ごもり消費で好調
ヤオコーの2月既存店売上高。
111.0%と絶好調。
客数8.0%増で、客単価2.7%増。
1品単価は0.3%増だったが、
買上点数(PI値)が1.6%増。
PIはPurchase Index。
㈱ヤオコーは「PI値」重視の経営である。
一方、
U.S.M.H news|
2月既存店売上高5.2%増/マックスバリュ関東10%増
㈱マルエツ、㈱カスミ、
そしてマックスバリュ関東㈱。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱。
こちらの2月既存店も105.2%。
既存店客数104.8%、客単価100.3%。
マルエツの既存店105.9%。
カスミの既存店103.3%。
マックスバリュ関東が110.3%。
これらはみな、巣ごもり消費のお陰。
ネスティングの効用だ。
しかしここで驕りは禁物。
あくまでも顧客の立場に立って、
「特需」のお返しを、
必死で考えてほしい。
その競争をしてほしい。
しかし新型コロナは広がり続ける。
西友news|
赤羽本部オフィス勤務の従業員1名が新型コロナ感染
合同会社西友の赤羽本部オフィス。
従業員1名が感染した。
3月8日(日)に発熱、咳、倦怠感が生じた。
医療機関を受診し、
テレワークをした。
13日(金)に症状が悪化。
他の医療機関に入院して、
PCR検査を受けたら、
17日に感染が判明。
本部オフィスや近隣のオフィスは、
専門業者に依頼して消毒した。
その後、オフィスは通常通りの業務へ。
本部オフィスやセンターでも、
感染者が出る。
もちろん店舗は、
不特定多数の顧客や取引先が出入りして、
大いに感染の場となりやすい。
食品を販売する店は今、
新型コロナ感染の危険性や危機感と、
そのための「コロナ特需」という、
妙なパラドックスの中にある。
驕りはいけない。
油断も禁物。
真摯で謙虚で論理的な、
仕事との向き合い方が求められる。
〈結城義晴〉