東京五輪延期の「ナイトメア」と万代知識商人大学第5期スタート
東京五輪・パラリンピックが、
1年程度延期される。
安倍晋三首相は、
国際オリンピック委員会バッハ会長と、
電話で協議して合意した。
遅くとも来2021年夏までに開催される。
「東京2020」の大会名称は維持する。
ギリギリになったが、
いい判断だ。
新型コロナウイルスのパンデミックは、
歴史的なスケールとなってきた。
来年までの1年間に、
しっかりと情勢を分析し、
変えるところは変え、
変えないところは変えず、
歴史的なOlympicにしてもらいたいものだと思う。
日経電子版の「経営者ブログ」
この電子版が創刊されて10年が過ぎる。
㈱IIJ会長の鈴木幸一さん。
創刊以来、毎週、
このブログを書き続けている。
今日のタイトルは、
「リアルナイトメア」
鈴木さんが個人的に主催して、
今年で16年目となるのが、
「東京・春・音楽祭」
世界中から名だたる演奏家が参集する。
もちろんクラシックだが、
これは国際的な評価がある。
その公演がほとんど中止に追い込まれた。
まったく移動の自由を禁じられ、
演奏もできなくなった欧州の演奏家から、
メールが入った。
「まったくね。リアルナイトメアだ」
Real Nightmareは悪夢。
鈴木さん。
「お互いに励ましあうほかない」
そして述懐する。
「あらゆるプロジェクトは
大きく羽ばたくときに、
厳しい試練に遭って、
試練を乗り越える意志と努力を
継続したものだけが、
次の大きな発展につながる」
同感だ。
私の経験からも、
新しい仕事やプロジェクトは、
大きく羽ばたく時、
必ず大きな試練に遭う。
その試練を
乗り越える意志と努力を、
継続した者だけが、
次の大きな発展を
手にすることができる。
「今年の試練を乗り越えて、
4年後になった20周年には、
本当の意味で世界的な音楽祭に
発展させていきたいと考えることで、
なんとか少しばかり
勇気が湧いてきたのである」
万代知識商人大学。
日本のスーパーマーケット最初の企業内大学。
第5期をスタートさせた。
「いつもの生活を続けよう」
私は言い続けている。
万全の態勢を整えたうえで、
できる限りいつものように続ける。
今こそ、それが大切だ。
万代会議棟の2階中ホールを使うが、
今年は1階大ホールを使用。
隣の席との間をあけて、
スクール形式の講義場をつくった。
万代大学はこれまで、
124名が修了している。
将来の幹部候補生。
この中からすでに取締役が生まれ、
重要な部長職を担う者も次々に出ている。
開講式には全役員が参集。
講義をするものはマスクをしない。
受講生は全員がマスク着用。
津田睦人事部マネジャーが司会。
最初に万代社長の阿部秀行さんが、
開講スピーチ。
将来の幹部候補生に、
企業内大学の意義を語った。
次に学長のメッセージ。
ゼネラルエレクトリックが1956年に、
世界初の企業内大学を始めた。
その後、欧米の企業に広がり、
日本では1996年にNECが始めた。
日本の小売業では、
イオンがジャスコ大学から、
イオンビジネススクールへと発展させ、
ファーストリテイリングが、
「FRMIC」を開設している。
FR Management and Innovation Center。
万代は2016年に開校した。
とくに「知識商人」を養成しよう、
という意図が込められた。
芝純常務取締役の激励スピーチ。
そして不破栄副社長の受講生へのアドバイス。
激励の挨拶が終わると、
例年は一人ひとりに、
阿部社長から辞令が渡される。
万代知識商人大学では、
仕事として勉強してもらうから、
辞令を発する。
しかし今年は接触を避けて、
それは中止。
このあと、
全32名の第5期生が、
一人ひとり自分の課題を発表し、
決意を表明する。
今年の級長は磯部出さん。
商品部ドライグロサリー部マネジャー。
女性も2人選ばれた。
石本睦実さんは、
西宮前浜店フロントエンドチーフ。
「ナンバー1チーフを目指します」とコメント。
関連会社の㈱アドバンスからも、
2名の精鋭が派遣された。
田上一起さんは営業本部農産・水産主任。
課題と決意の表明が終わると、
最初の講義は阿部社長。
阿部さんは全員の課題について、
辛口の評価をした。
「万代は再来年に60期を迎える。
企業30年説があるが、
それが二巡することになる。
しかし三巡の90周年は、
君たちがやることになる」
「みんな、目標が小さい。
もっともっと大きな夢をもとう」
「万代は安さを追求してきたから、
強いスーパーマーケットになった。
これからもそれを追求していこう」
実にいい開講講演だった。
ランチタイムは、
万代渋川店で購入。
本部と会議棟に隣接した店舗だ。
「大均一祭」を展開中。
銀サケ切り身バラが100円。
パックは498円。
凄い売場だ。
「春の桜鯛」の特売。
これもパンチがある。
今、「我が家で居酒屋」はいい。
巨大POP。
この惣菜部門でランチを購入。
日配品は万代の核部門だ。
昼食休憩を1時間とって、
12時半から5時10分まで学長の講義。
冒頭で、
万代知識商人大学のカリキュラムを説明し、
講義の意図を開設した。
第1回講義のテーマは、
ミッションマネジメント。
一番後ろで加藤徹さんも聴講してくれた。
㈱万代リテールホールディングス社長、
兼㈱万代油脂工業社長。
私の第1回講義は動機づけが主眼となる。
だから学ぶことの意義、
そして倉本長治の「商売十訓」と、
ピーター・ドラッカーのIntegrity。
さらにビッグ・シンカーと、
「1+99=100」の考え方。
これは故渥美俊一先生の持論だが、
私も同感して使っている。
5時間の講義なので、
途中でパワーポイントを使う。
商業の使命と万代の使命。
休憩中に阿部さんと写真。
接触制限中なので、
肘をくっつけて敬意を表明。
最後の1時間半で、
ミッションマネジメントの概要を講義。
そして最後の最後は、
レポートの書き方講習。
受講生は1年間、
大量に読書し、講義を聞き、
ディスカッションをし、
レポートを書き続ける。
最後には修了論文を書く。
だから文章の書き方講座は、
必須の講義となる。
今年から若い世代の、
チーフクラスの受講生が多くなった。
だから講義もよりわかりやすく丁寧にするし、
一人ひとり、マンツーマンで指導する。
30年後のトップマネジメントをつくる。
この気概をもって、1年間の講義をする。
リアルナイトメアを潜り抜けたら、
必ず発展があることを信じて。
〈結城義晴〉