ローマ教皇の「恐れることはない」と「我々の冷静な恐れ」
Everybody! Good Monday!
[2020vol⑮]
2020年第16週。
4月第3週。
月曜日だけれど、
曜日感覚が麻痺した感じだ。
安倍晋三首相の緊急事態宣言が、
先週火曜日の4月7日。
翌8日水曜日の午前0時から、
緊急事態が始まって、
東京都との間に食い違いがあって、
日本は混迷した。
その間も、感染者数は増え続けた。
ジョンズ・ホプキンス大学の集計。
全世界のコロナ感染者数は今日11時で、
184万6963人。
死者数は11万4101人。
アメリカは感染者55万6044人で、
死者数2万2073人。
ニューヨーク市では昨日の12日夕方で、
感染者10万4410人、死者6182人。
全米の感染者の2割弱、
死者の4分の1を占める。
ああ。
一方、中国の情報は、
なぜか4月3日でストップしていた。
その時点で総感染者数8万1620人、
死者数3322人だった。
が、今日13日に中国政府が新情報を発表。
有症感染者の累計は8万2160人、
前日比108人増。
数字そのものは、
どこまで事実かどうかはわからない。
しかし中国・湖北省武漢市から始まった、
この新型コロナパンデミック。
その責任は永遠に消えることはない。
しかし感染拡大を抑制することはできる。
われわれは、
我々のやり方で、
それを可能とする。
バチカンのサンピエトロ大聖堂では、
フランシスコ教皇が、
「復活徹夜祭」の説教をした。
今年のイースター(復活祭)は、
昨日の12日だった。
「恐怖に負けてはいけない。
これは希望のメッセージだ。
私たちに向けられた言葉だ。
神様はまさに今夜、
この言葉を繰り返される」
イースターは西暦30年に、
イエス・キリストが処刑され、
3日目に復活した日。
ちょうど1990年前のことだ。
その復活のときイエスは言ったとされる。
「恐れることはない」
復活徹夜祭には毎年、
数千人が集まる。
しかし今年は封鎖措置で、
誰もいない大聖堂で教皇は祈りをささげた。
恐怖に負けてはいけない。
ただし冷静に恐れること。
やれること、
やるべきことは、
やろう。
やれないことは、
やらない。
それがわれわれのやり方だ。
今日はテレワーク中の商人舎オフィスに、
福島道夫さんがやって来てくれた。
(株)ロピア前社長で現在、営業統括。
ソーシャルディスタンシングで、
2時間近くも話し合った。
ありがとう。
さて、月刊商人舎4月号。
特集「真似る。」
特集のサブタイトルは、
「模倣の経営」の真贋
これはブログの愛読者の皆さんにも、
全員に読んでもらいたい特集です。
特集のまえがきは、
「希少性と模倣困難性」
もちろん結城義晴。
それから商人舎特任研究員の嶋内仁。
「チェーンストア経営の模倣理論」
トップマネジメントはもちろん、
経営幹部、その幹部を目指す人、
店長やバイヤー、チーフまで、
必読の理論です。
さらに鈴木哲男「巨匠の提言」
真似る技術と模倣できない企業
[店舗クリニック&徹底議論]
鈴木國朗×結城義晴
真似るな! 学べ!!
充実のラインナップです。
㈱商業界が自己破産して、
「販売革新」や「食品商業」が出ないから、
その分まで熱意を込めて編集した。
ご愛読をお願いしたい。
そして[Message of April]
創意を尊びつつ良いことは真似よ
創意を尊ぶ。
良いことを真似る。
その両方を行きつ戻りつしながら、
創造と模倣を進化させる。
これこそイノベーションである。
あるとき、
私は気づかされた。
故倉本長治は、
古き良き、美しき日本語を使って、
イノベーションを教えたのだ。
その倉本長治が創設した㈱商業界が、
2020年4月2日、
自己破産を申請して倒産した。
ずっと前にイノベーションが止まって、
そのコンセプトを信条とした会社が潰れた。
歴史の皮肉が顔を出したのだろうか。
企業存続の鉄則が貫かれたのだろうか。
見えざる神の手が働いたのだろうか。
時代がそれを要請したのだろうか。
はたまた自壊だったのだろうか。
ドラッカーが説くイノベーションとは、
新しい、より大きな富を生み出すことだ。
ここでいう「富」とは「人々の幸せ」である。
そして人々の幸せを願って仕事する限り、
会社や店が潰れることはない。
真似ることはイノベーションの一面である。
しかし誰も真似のできないほどの、
完璧な真似ができれば、
それはおのずと
創意を生み出すことになる。
その創造と模倣とが、
「模倣困難性」を創出する。
そしてこの模倣困難性が
持続的競争優位を
約束してくれる。
では、みなさん、今週も、
われわれには我々のやり方がある。
Good Monday!
〈結城義晴〉