柳井正「生活感が変わった」と倉本長治「高い値打ちと低い値段」
Everybody! Good Monday!
[2020vol㉕]
2020年第26週。
6月第4週。
昨日の夏至が過ぎ、
6月もあと1週間と2日。
中国・武漢のCOVID-19が、
WHOに報告されたのが、
昨年の大晦日だから、
もう半年が経過しようとしている。
夏至から小暑、大暑と、
ほぼ15日間ずつに区切られて、
季節が移っていく。
その間、
コロナの新規感染者を減らそう。
重病患者を救おう。
死者をなくそう。
フィジカルディスタンシングを、
堅守しよう。
マスク、手洗いの励行を続けよう。
自ら免疫力を高めよう。
そして秋以降の第二波があると想定して、
それに備えよう。
今日の日経新聞朝刊の「ニュース一言」
柳井正さんが登場。
㈱ファーストリテイリング会長兼社長。
「新型コロナウイルスで、
生活感が変わった」
生活信条だとか、生活哲学といわれるものだ。
「これまでは服そのものが
ライフスタイルと思われていた」
だから衣料品分野は、
「ファッション」と呼ばれた。
㈱商業界のアパレル分野の雑誌は、
『ファッション販売』だった。
柳井用語の「服」そのものが、
流行を示すものだった。
「今後は自らのスタイルに合わせて
服を着る時代になっていく」
これを「ライフスタイル」という。
在宅勤務などが定着することによって、
「普段の生活を大事にする人が増える」
「ファッションも高価に着飾ることより
“家の中や外で自然に着られる服”が選ばれる」
だからユニクロは、
「生活に身近な究極の普段着を
追求していく」
倉本長治の88の言葉を集めた
『あきないの心』
10番目の一節のタイトルは、
「商店への至上命令」
「黄金やダイヤモンドが貴重だとする
人間の考え方に何か
間違いがあるのではないか」
ズバリ、問題提起する。
「私には、空気や水の方が、
それらの稀有金属宝石などよりも、
人間にとって貴重だと思われるのだが、
誰もその空気や水に
高い値段を払うような人は
おらぬようである」
「モノの値打ちと値段が別なのがわかる」
その通りだ。
「ということは、値段の高い品、
めったに手に入りにくい品ほど、
人間の生活にあまり深刻な関係が
ないものだという意味に通じ、
その考えをよく考察すると、
商店というものが、
繁盛する一番の早道が
見つかるのではあるまいか」
「それは空気や水のように
誰でもが必要とし、
人間にとっての価値は高いが、
値段の低いモノを売ることだと
断じられそうである」
「すべての人にとって、
“高い値打ちがあり、
誰にも買える低い値段”
ということが、
人間すべての願望である以上、
これこそ商店経営者への
至上命令なのだと言えよう」
柳井さんが目指す、
「生活に身近な究極の普段着」は、
これである。
チェーンストアが、
スーパーマーケットが、
真に追及し続けるものも、
「すべての人にとっての高い値打ち」と、
「誰にも買える低い値段」である。
それが「至上命令」である。
儲かる品ばかり追いかけてはならない。
至上命令を日々、探求しているうちに、
自然に儲かるものなのだ。
コロナはこの至上命令を、
あらためて教えてくれたと思う。
では、みなさん、今週も、
「至上命令」を追求しよう。
Good Monday!
〈結城義晴〉