熊本集中豪雨、心からお見舞い申し上げる。
7月4日は、
アメリカの独立記念日。
Independence Day。
アメリカ人にとって、
クリスマスよりも、
サンクスギビングデーよりも、
自分たちの存在意義を感じる日。
しかしCOVID-19感染拡大は、
勢いを止めない。
再びロックダウンに入るかもしれない。
そのうえ人種差別への抗議行動は、
広がるばかりで、
国民は分断されている。
日本では熊本で、
記録的な大雨。
川の氾濫や土砂崩れが相次いだ。
死者や心肺停止、重体、
行方不明の方々が続出した。
心からお見舞いしたい。
こんな時にも、
小売業、サービス業、
そしてエッセンシャルワークをする人たち、
本当に尊い仕事です。
感謝したい。
今年の月刊商人舎1月号は、
特集[極端気象]
木本昌秀東京大学教授と対談。
木本先生は大気海洋研究所教授で、
日本の気象の最高権威。
その提言は、
地球温暖化による「極端気象」に備えよ!
「適応策」のリスクマネジメントと
「緩和策」のゼロエミッション
地球温暖化によって、
環境というピンボールの台が、
傾いてしまった。
だから降る雨の量は同じでも、
集中豪雨が発生する。
熊本の豪雨はこれだ。
私は木本先生との対談で、
[述懐]を書いた。
「真理を探究する科学者の識見においても
“地球温暖化”は明白で、
深刻な状況に追い込まれている。
全人類にとって
“ゼロエミッション”は必須の要件である」
「企業を経営し、店舗を運営する者としては
“リスクマネジメント”が
これも必須の課題である。
そのことを強く強く認識させられた。
東京大学教授のエリート感はまったくない。
反骨の研究の徒である。
それは京都大学やUCLAの土壌が
生み出したものだろう」
いま、反骨の研究者が求められる。
体制側に立った者は、
その体制を守ろうとする。
そこからは真理は見えてこない。
「頻発する極端気象」のコンセプトは、
災害列島に生きるすべての日本人に向けた
渾身の警告である」
私はこの新年号の「まえがき」で書いた。
企業と人生のリスクマネジメント
そうしたらコロナ危機が訪れた。
予想もしていなかった。
しかし企業には、
リスクマネジメントが必須となった。
「人間が生きていくことは結局、
必ず死ぬという”リスク”に対して、
マネジメントを貫徹することである。
つまり人間が生きたということは
リスクマネジメントの成果である。
いつ、どんな時に、
命は絶たれるかわからない。
だから人事を尽くして、
天命を待つのだ。
生まれたばかりの赤子のころから、
子ども時代、青年、壮年、老年となって、
人生100年時代を迎えようと、それは
“人生のリスクマネジメント”の結果である」
「企業を人間にたとえて法人と考えても、
“企業寿命30年説”をクリアしようが、
“100年企業”を目指そうが、
それを達成しようが、
そのためのサバイバル策は
“リスクマネジメント”そのものである」
「その意味では
“ゼロエミッション”も
人間が住める地球環境のための
“リスクマネジメント”に他ならない」
「それを2020年年頭の今、
意識を覚醒させて、始めたい。
本号の趣旨は、
“100年企業””200年企業”に向けた
“リスクマネジメント”の提案である。
「そして同時に、
あなた自身への
“人生のリスクマネジメント”の
お奨めである」
そしてリスクマネジメントとは、
最悪を覚悟して最善を尽くす。
COVID-19にも、
極端気象にも、
そして人種差別問題にも、
人事を尽くして天命を待つ。
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
こうして私たちは生きてきたし、
こうして私たちは生きていく。
熊本や鹿児島の皆さんに、
あらためてお見舞い申し上げたい。
〈結城義晴〉