結城義晴の出張記「イオン社長岡田元也さんのこと」
「グランドデザインはいかに?」
8月9日。
この日は、朝から、埼玉県東松山へ。
商業界埼玉同友会納涼講演会で講演。
タイトルは、
「自ら、変われ!」
栗原一博埼玉同友会会長にお迎えいただいて、
感謝。
もう3年目の、真夏の講演会。
昭和20年代の岡山県津山の
丸一履物本店・日下静夫さんの感動の商売と、
昭和30年代の福島県郡山・ベニマルさんの、
これも感動の話。
丸一履物本店は、「正札販売」の元祖の店。
しかし、残念ながらもう、存在しない。
ベニマルはご存知、
日本有数のスーパーマーケットとして、
隆々。
両者の違いは、どこにあったか。
その謎解き。
種明かしは、私の講演を直接お聞きください。
このテーマで、お話しすることもあるでしょう。
しかし日下静夫は、
現在の日本中の店の、
セルフサービスと定価販売の
グランドデザインを描いた。
懇親会を、途中で、失礼し、
羽田へ。
8月9日、羽田発17時40分発、JAL537便。
お盆も近く、ほぼ満席。
19時過ぎに新千歳に到着。
席を立とうとすると、
二つ前の列に、見覚えのある人物。
目が合って、目礼。互いに、エコノミークラス。
岡田さん、お供はなし。
持ち物は2泊3日分の小型トランク。
ノーネクタイのカジュアルな姿。
空港に降り立って、
肩を並べて、歩く。
「これからどうされるのですか?」(結城)
「電車です」(岡田)
「じゃ、ご一緒しましょうか」(結城)
かくて、小樽行きエアポート195号のボックスに、
二人向かい合って、着座。
私にとって、濃密な自由席での車上対談。
「価格凍結宣言」の話。
ジャスティスの話。
教育の話。
身の上話。
岡田さんは、イオンという会社と日本の小売業に、
どんなグランドデザインを描くのか。
そして私は、「商業の現代化」に対して、
いかにグランドデザインを提案するのか。
あっという間に、
札幌駅へ。
最後に二人並んで、記念の携帯写真。
再会を約しての、淡々とした別れ。
さわやかな気分が残った。
いまや日本最大の小売流通企業の代表取締役。
その岡田さんが札幌出張で、
エコノミークラスと電車の自由席を利用。
しかもさりげない。
無理がない。
自由さにあふれている。
私も、さりげなく、無理なく、自由に、
描写させてもらった。
さりげなく、無理なく、自由に、
生きたくなった。
感謝。
<㈱商業界社長 結城義晴>