「日々これ凡事徹底」を貫く「命を守る生活産業」が主役だ!
Everybody! Good Monday!
[2020vol㉙]
2020年第30週。
7月第4週。
今週木曜日が海の日の祝日、
金曜日は本来ならば、
東京オリンピック開会式の日で、
今年だけスポーツの日の祝日となる。
そして週末の土曜・日曜まで4連休で、
オリンピックが華やかに繰り広げられていた。
それはない。
一応、来年に延期された五輪も、
開催できるかどうかはわからない。
タラレバが許されるならば、
日本は今、絶好調だった。
しかしそれでも不安感や焦燥はあった。
吉田拓郎が歌った「祭りのあと」のことだ。
祭りのあとの淋しさが
いやでもやってくるのなら
祭りのあとの淋しさは
たとえば女でまぎらわし
もう帰ろう
もう帰ってしまおう
寝静まった街を抜けて
〈岡本おさみ作詩、吉田拓郎作曲〉
東京五輪が終わったあとは、
まったく予想もつかず、
不安ばかりが残っていた。
その祭りのあとが、
祭なしにやってきたと思えばいい。
コロナは時間を早める。
だから、日々これ、
凡事徹底。
やれることを、やる。
やるべきことを、やる。
やれないことは、やらない。
しかし、そのなかで知恵を絞る。
この期に乗じて、
何かうまくやろうとしてはいけない。
墓穴を掘るだけだ。
コロナ禍でも、
顧客や店をよりよく観察すれば、
知恵を絞りだすことはできる。
顧客はずっと我慢している。
楽しいこと、うれしいことが、
少なくなっている。
だから開いている店や売場で、
それらを提供しよう。
凡事徹底の中に、
楽しさや喜びを満載したい。
今夏の土用丑の日は、
今週火曜日の21日。
さらに今年は8月2日も土用丑。
食品販売業は、
鰻を堪能してもらおう。
鰻を満喫してもらおう。
さて今日は日帰りで大阪出張。
新横浜から小田原を過ぎて、
三島を抜けると、
いつもは富士が見える。
しかし梅雨明けはしていない。
雲の影に富士は隠れていた。
今年は富士登山も禁止された。
寂しい限りだ。
富士川を渡るとき、
かすかに頂が見えた。
しかし名古屋を過ぎると、
しばらくして伊吹山が現れた。
大阪でのミーティングは、
極めて順調、成果をあげた。
さて、日経新聞「大機小機」
先週土曜日のコラムのタイトルは、
「産業構造 コロナ機に改革を」
「昨今、コロナショックで
深刻な影響を受けている産業は
飲食や宿泊、娯楽、小売りなど
生活密着型の業種が多い」
「従事する人々は
非正規雇用の比率が高く、
賃金水準は低位であり、
コロナ禍で経済的な弱者になっている」
そう言い切ってもらっては困るが、
産業全体を見るとその傾向はある。
「将来を展望すれば、
日本は原状回復にとどまらず、
長年の課題である構造改革を
断行する好機である」
この観点は同感だ。
イタリア人作家のパオロ・ジョルダーノ。
「何をもとに戻すか、何を戻さないか」
「経営が非効率な企業に代わって、
日本経済の新たな担い手となる企業が
育っていく新陳代謝が必要である」
それは何も、
ITや新しい産業だけではない。
伝統的な産業の中で、
イノベーションを果たせば、
それは新陳代謝の担い手となる。
「政府は2次補正を含め
大規模な財政支出により
未曽有の経済対策を推進する」
しかし、
「コロナ後の経済構造まで
展望するというメッセージが
あまり感じられない」
ここまでは賛成してもいいだろう。
「せめて、デジタル化を中心とする
新たな情報インフラの構築を
国として急ぐべきである」
「中国などを含めたグローバルな競争に
生き残れないとの危機意識は
多くの産業関係者が抱いている」
「IT化に対応できない非効率企業は
市場からの退出を迫られるという
覚悟も必要だ」
これはいかが、かと思う。
私はとくに商業という産業は、
森のようなものだと考えている。
大木もあれば雑木や雑草もある。
故人となったCWニコルさんに会って、
それに気がつかされた。
生産性の高い巨大企業ばかりでは、
商業・サービス業は全体として
顧客満足を充足させることはできない。
そして国が力を入れるべきは、
情報インフラだけではない。
ヒューマンリソースに関して、
ここは決定的な政策が必須だ。
「歴史を振り返れば、
昭和恐慌を契機に日本経済は
軽工業中心から重化学工業中心へと
構造転換を果たし、
戦後の経済発展の礎となった」
軽工業から重化学工業への転換が、
今また、環境問題などを起こしている。
「長期政権のレガシーを活用し、
今こそ新たな日本の産業像を示すべきだ」
そのなかで生活産業は中核となる。
私は強くそう思っている。
しかしコラムニストは違うようだ。
「生活関連産業は多くの労働者を抱え、
雇用の吸収力が高い特徴をもつ。
外国人労働者も含めて、
これまで景気変動の調整弁ともいえる
役目を果たしてきた」
「産業の裾野が広いだけに
選挙投票の観点から政治力があり、
政治においてポピュリズムの面から
重視されやすい」
これは全く違う。
生活関連産業は、
政治・行政や重厚長大産業から、
分断管理されて、
数は多いが政治的勢力とはなっていない。
「将来を展望して
構造改革を断行すべきだという議論と、
弱者救済をうたいながら
本音では票欲しさというポピュリズムは
ぶつかり合う」
これは読み過ぎだ。
「そのなかで政治的に
どこに着地点を見いだすのか。
それは次の総選挙もにらみ、
秋に向けた政局の焦点になりうる」
ん~。
このコラムニストの考え方こそ、
悪い意味でのレガシー(負の遺産)である。
著名な人なのだろうが、
困ったことだ。
生活産業は強く命に関わる。
命に関わる産業こそ、
ポストコロナの時代の主役である。
では、みなさん、気を取り直して、
今週も、日々これ、凡事徹底。
Good Monday!
〈結城義晴〉