「世田谷モデル」の「誰でも・いつでも・何度でも」PCR検査を!
今日は一日中、
横浜商人舎オフィス。
クルマでやって来て、
クルマで帰る。
月刊商人舎8月号の執筆と編集の追い込み。
大量の書籍や資料に当たって、
内容を深めていく。
家やオフィスの中にこもっている限り、
資料を読み込むことは、
私にとって有意義な時間だ。
家やオフィスの外では、
COVID-19が広がっている。
今日の全国の新規感染者数は、
1308人。
1日当たり最多だった昨日を上回った。
東京都は367人で、これも過去最多。
福岡県は121人で、2日連続過去最多更新。
神奈川県は76人で4月11日と並んで最多。
沖縄県は55人で過去最多。
兵庫県も53人で過去最多。
大阪府は過去2番目に多い190人、
愛知県も昨日の過去最多の167人に次ぐ160人。
振り返ってみると、
4月7日に7都府県に緊急事態宣言発出。
4月11日には1日最大感染者数720人で、
第一次のピークを迎えた。
そこで4月16日には、
全国に緊急事態宣言が拡大。
その後、5月14日に、
39県が緊急事態宣言解除、
さらに5月25日には全国で解除された。
この5月25日の新規感染者数は、
21人だった。
今日の全国1308人は、
完全に第二波と見ていいだろうし、
市中感染が起こって、
それが地方に広がっている。
東京都は今日、
小池百合子知事が記者会見。
再び営業時間短縮の要請を発表した。
都内の酒を提供する飲食店とカラオケ店。
期間は8月3日から31日で、
営業時間は午前5時から午後10時とする。
そして要請に応じた中小事業者には、
20万円の協力金を支給する。
東京都は業界ごとに、
COVID-19拡大防止のガイドラインと、
チェックシートをつくっている。
このガイドラインに従って、
取り組みしている店には、
それを示すステッカーを掲示してもらう。
このステッカーを張った店を、
20万円の支給対象とする。
小池都知事は記者会見で、
何度もステッカーのことを強調した。
ステッカーで感染拡大を止める。
安倍晋三首相の「やってる感」が、
小池都知事に伝染したような印象だ。
一方、東京23区の中の世田谷区は、
保坂展人(ほさかのぶと)区長が、
世田谷モデルを開発。
ニューヨーク州のシステムと同じで、
PCR検査を受けられる態勢を、
「誰でも・いつでも・何度でも」にする。
私はステッカーよりも、
世田谷モデルの方が断然、
いいと思っている。
世田谷区は人口約94万人で、
23区で最も多い。
昨日の29日には、
世田谷区だけで新規感染者47人で、
陽性率は約12%だった。
保坂区長のコメント。
「予算の効果的な使い方は、
PCR検査の一挙拡大です。
検査数を1桁増やして、
定期的な検査を行います」
1桁増やすというのは、
1000単位に増やすということ。
アベノマスクよりも、
小池ステッカーよりも、
世田谷モデル。
PCR検査の「誰でも・いつでも・何度でも」。
検査で陰性となった人たちが、
経済行為を活発化させる。
陽性の人たちは自宅療養や入院をして、
治療に専念する。
これが一番いい経済対策でもある。
世田谷区は、
サミット㈱のドミナントエリアでもある。
月刊商人舎7月号で取材したのは、
サミットの「コロナ感染」奮闘物語
サミットストア東中野店は、
業界で最初に感染者が出た店だ。
当該従業員が新型PCR検査を受けて、
3月8日に陽性と判明した時点で、
発症後2週間の休業をした。
現在も実に丁寧な対応をして、
地域顧客と従業員の安全を確保している。
万一、従業員から感染者が出たとしても、
きちんとした消毒作業を終え、
保健所から営業許可が下りれば、
1日~2日で営業再開することはできる。
しかし、サミットの判断は違う。
「働いている社員に
不安な気持ちが残ったままよりも、
安全を十分に担保して、
安心感をもって
働いてもらえるようになってから、
営業再開した方がよい」
東中野店では原則、
当該者が出た総菜部門従業員は自宅待機、
それ以外の従業員は休業とした。
そして、いずれも働いたものとみなされ、
給料は支払われた。
こういったときにも、
世田谷モデルがあれば、
「誰でも・いつでも・何度でも」
PCR検査が受けられる。
そして陰性が判明した人たちで、
営業を再開すればいい。
第二波がやってきた今、
小売業にとっても、
きわめて重要な時期だ。
軽率な行動は慎まねばならない。
同じ店舗でクラスターが発生したら、
そのチェーンストアの信頼は、
一気に失墜する。
信頼や信用も大切だが、
それは命を守ることに、
万全を尽くすから生まれるものだ。
損得より先に善悪を考える。
それが今である。
〈結城義晴〉