彼岸の「六徳目」と4連休/GoToトラベルの中で「命を守る」こと
9月の4連休、
シルバーウィーク。
土曜日曜の週末、
月曜の敬老の日、
火曜の秋分の日。
秋の彼岸の期間は、
秋分の日を中日として、
前後3日の合計7日間。
だから4連休の最初の日、
つまり土曜日の19日が彼岸の入り、
22日が彼岸の中日、
そして金曜日の25日が彼岸の明け。
ちなみに彼岸の7日間には意味づけがある。
中日は先祖に感謝する日とされ、
あとの6日は1日に1つずつ、
悟りの境地に達するために、
必要な徳目を修める日とされる。
その六つの徳目を仏教では、
「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という。
⑴布施(ふせ)は、
分け与えること。
⑵持戒(じかい)は、
戒律を守ること。
⑶忍辱(にんにく)は、
耐え忍ぶこと。
⑷精進(しょうじん)は、
努力すること。
⑸禅定(ぜんじょう)は、
心を集中し安定させること。
⑹智慧(ちえ)は、
正しく認識し判断すること。
私たちも彼岸の間、
六つの徳を意識して、
仕事し、生活したい。
商売にも六つの徳は必要だ。
しかし一方で、
新型コロナウイルスの感染者。
世界中で3000万人を超えて、
まだまだ拡大している。
イギリスのBBCが報道している。
ジョンズ・ホプキンス大学の集計。
日本時間で18日午前の時点で、
新型ウイルス感染者は累計約3006万人。
死者は94万4000人を超えた。
100年前のスペインインフルエンザは、
第一次世界大戦と重なって、
世界中を巡った。
感染者5億人だったと言われる。
COVID-19も、
これから北半球が冬に向かう中で、
大規模流行の新たな波に警戒感は高まる。
イギリスは全土で、
さらなる規制の導入を検討する。
イスラエルは再び、
全国規模のロックダウンを実施する。
アメリカは累計感染者660万人、
死者は19万7000人。
世界最大の感染国だが、
1日あたりの新規感染者数は、
7月をピークに減少傾向が続く。
ゴルフの全米オープンが、
無観客で開催されている。
ウィングドフットゴルフクラブ。
ニューヨーク州。
コロナとは別世界のようだ。
松山英樹が大健闘。
世界で2番目に多いのがインド。
累計の感染者数は500万人を超えた。
死者は8万人以上に達した。
しかしこちらは感染拡大のペースが、
世界で一番速い。
ここ数日間、
1日あたり9万人超が感染。
3番目に多いのがブラジル。
累計感染者数は440万人を上回った。
死者は13万4000人超。
だがこちらの問題は、
ジャイル・ボルソナロ大統領。
ロックダウンに反対する集会に参加して、
相変わらず批判されている。
「馬鹿な大将敵より怖い」
いや、
「馬鹿な首長コロナより怖い」
その馬鹿な大統領は、
「弱めのインフルエンザ」と呼んだ。
7月には大統領自身が、
PCR検査で陽性判定を受けてしまった。
日本は9月19日現在、
感染者数は7万8073例、
退院または療養解除となった人は、
7万0495人。
入院治療等を要する人は6122人。
そして死亡者は1495人。
アメリカの19万7000人、
ブラジルの13万4000人、
そしてインドの9万人と比べると、
日本は少ない。
しかし、亡くなった一人の人は戻らない。
その家族の悲しみは消えない。
イタリアの作家パオロ・ジョルダーノ。
何度もこのブログで紹介している。
「感染者の数、
発生地からの距離、
マスクの販売枚数、
株価暴落で失う金額、
検査結果が出るまでの日数」
「僕らは数えてばかり」
数えてばかりいると、
数が多いほうがいい、
あるいは少ないほうがいいと、
「1」という数の大切さを忘れる。
ジョルダーノ。
「コロナは今、僕らの文明を
レントゲンにかけている」
その意味で文明とは、
数が増えることではない。
文明の価値は、
「1」という「個」そのものを、
いかに大切にし、
いかに生かすかにある。
4連休にも、
Go Toトラベルでも。
人の命をおろそかにしてはいけない。
1人、個を大切にしたい。
今月の2日に、
68回目の誕生日を迎えて、
いまさらのように思う。
[Message of July]
命を守る。
今、いちばん大切なこと。
命を守ること。
今、死なないこと。
今、死なせないこと。
ウイルスに侵されないこと。
自分が患わないこと。
人にうつさないこと。
感染した人をいたわること。
医療する人を敬うこと。
看護する人をねぎらうこと。
今、いちばん大切なこと。
人々のために仕事すること。
社会にお役立ちすること。
天職を全うすること。
エッセンシャルワークすること。
店を開けること。
繰り返しに耐えること。
今、いちばん大切なこと。
偽らないこと。
傷つけないこと。
差別しないこと。
ささやかな幸せをつくること。
小さな喜びを分かち合うこと。
明日への希望をもつこと。
今、いちばん大切なこと。
自分を鍛えること。
己を投げ打つこと。
自ら変わること。
真実を求めること。
ひたすら真摯であること。
それに誇りをもつこと。
今、いちばん大切なこと。
命を育てること。
そのために死なないこと。
死なせないこと。
〈結城義晴〉