ライフ決算記者会見の岩崎高治「守る・攻める・変える」
今日は朝一番で東京大手町。
毎月通っていた検査と診察は、
この新型コロナウイルス禍で、
2カ月に1回くらいに減らした。
大手町プレイス内科。
私の主治医は田嶼尚子先生。
テレワークであまり歩かなくなった。
そのうえ私の場合は、
海外出張が激減した。
取材や講演の機会も減った。
そうすると、動かない。
しかも妙にワインを飲み過ぎる。
検査の結果は、やはり思わしくはない。
田嶼先生はそれでも、
患者のモチベーションを下げはしない。
絶対に褒めるし、前向きにしてくれる。
これこそ名医だ。
今日は最後に、
季節性インフルエンザワクチンを
注射してもらった。
高齢者はちょっと時期が早い。
ありがたい。
午後の3時からは、
上半期決算記者会見は、
㈱ライフコーポレーション。
丸の内二重橋ビルの東京商工会議所5階。
岩崎高治社長は上機嫌。
私はオンライン会見のほうに参加した。
今年はオンラインとリアルの両方で会見。
つまりマルチチャネル。
まるでライフの営業のようだが、
そのために大阪開催の記者会見は中止。
その大阪はずっと、
森下留寿専務取締役(右)が発表していた。
だから今日は岩崎さんとともに、
森下さんも出席した。
この中間決算の上期業績は、
営業収益が3867億3800万円、
前年同期比9.4%増。
営業利益は169億1400万円で204.0%増。
経常利益も173億3500万円で190.4%増。
親会社に帰属する当期純利益は、
117億500万円で205.4%。
利益はいずれも前年同期の3倍前後。
結果として、
営業利益率は4.37%、
経常利益率は4.47%。
いつも1%台だったライフの利益率。
4%台というのは、
高度成長時代にもあったかどうか。
オンライン参加だったので、
広報にちょっとだけ聞く、
というわけにはいかなかった。
既存店は売上高が前年比8.5%増、
客数は6.0%減、客単価が15.4%増。
巣ごもり消費、買い溜め購買。
コロナ禍の大トレンドだった。
商人舎流通SuperNews。
ライフnews|
第2Q営業収益3867億円・利益3倍/ネットスーパー140%
岩崎さんの話で印象的だったこと。
三つの軸をもって政策を決定し実行した。
第1に「守ること」
第2に「攻めること」
第3に「変えること」
COVID-19から攻められ続けた半年。
だから経営上も守ることは重要だ。
詳細に厳密に継続すべきだ。
つまり徹底すること。
しかし守ってばかりでもいけない。
だから攻めることは絞り込んで明確に。
そして「変化させること」と、
岩崎さんは言ったが、
私は「変えること」だと思った。
これだけの利益が出たのだから、
「変えること」に投資しなければ、
それこそもったいない。
守ること・攻めることは、
現在のためだが、
変えることは、
未来のためだ。
それがよくわかっている。
岩崎さん、
結果がよかったから、
機嫌がよかったのではない。
結果をつくったから、
機嫌がよかったのだ。
最後に、
食料醸界新聞の関西の記者から質問。
「大阪に進出した某DSのこと、
どう思いますか?」
これはロピアのこと。
岩崎さんは、
「まだ見ていないし、
他社さんのことはお答えできません」
その通りだろう。
実は見に行ったが、
ロピアの前に平和堂の店に行って、
夏原平和会長と遭遇して、
結局、ロピアには行かなかったらしい。
しかしこの質問に関して一言。
ロピアは「DS」ではない。
念のために。
DSがあんな店づくりはしない。
あんな品揃えはしない。
久々に「折々のことば」
朝日新聞一面コラム。
第1958回。
今日の哲学教師が、
教え子に料理を出すのは
教え子の気に入る味
だからではなく、
教え子の味覚を
変えるためである。
〈ヴィトゲンシュタイン〉
編著者の鷲田誠一さん。
「哲学だけではない。
ほんとうの助言、ほんとうの学びは、
同じものでもこれまでとは違うふうに
見るよう誘うものである」
岩崎さんの「変えること」を、
ヴィトゲンシュタインも語っている。
ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン。
オーストリア出身の哲学者。
ピーター・ドラッカーより20歳ほど上。
イギリスのケンブリッジ大学で、
あのバートランド・ラッセルの弟子となった。
メイナード・ケインズとは親友だった。
「考えるとは、
あれこれと思い量ること」
「見たいものを
見たいように
見ることではなく、
ものと交わり、
ものに促されつつ
おのれの視力を
矯正しつづけること」
〈『反哲学的断章』(丘沢静也訳)から〉
見たいものを、
見たいように、
見る。
安心できるし、気分はよい。
ドナルド・トランプも菅義偉も。
あなたも私も。
しかしその誘惑は退けねばいけない。
〈結城義晴〉