万代知識商人大学第5期の日曜日のマーケティング講義
今日は㈱万代へ。
東大阪市。
その会議棟で、
万代知識商人大学。
万代ナレッジマーチャントカレッジ。
日本のスーパーマーケットで、
最初の企業内大学は5期目に入る。
その11月の講義。
コロナ禍でカリキュラムは大幅に変更。
そこで最終講義は今日の日曜日から、
3日間集中して行う。
本来11月は修了旅行として、
サンフランシスコに行き、
ポジショニング戦略と、
ストラテジック戦略を学ぶ。
COVID-19でそれもかなわず。
午前中は結城義晴が
2講義。
私は立教大学大学院の教授時代、
フード&ビバレッジマーケティングと、
サービスマーケティングを教えていた。
前期がフード&ビバレッジ、
後期がサービス。
それ以外にゼミを担当して、
修士論文の指導をした。
その1年間の講義のエッセンスを、
今日1日で教授する。
フィリップ・コトラーの言葉。
「マーケティングは一日あれば学べる。
しかし、使いこなすには一生かかる」
この言葉のように、
1日でエッセンスを教える。
しかし受講生は一生かけて、
マーケティングを使いこなす努力をする。
コトラーは三者の利益と利害を説く。
三者とは「組織体・顧客・社会」である。
これはコトラーよりももっと先に、
日本の商売の世界で言われた教訓がある。
それを質問すると、
手が上がって、
「近江商人の三方良し」との回答。
嬉しい限りだ。
売り手良し、
買い手良し、
世間良し。
コトラーのマーケティング・マネジメント。
根底には「三方良し」がある。
それがマーケティング3.0にも通じる。
故田内幸一先生の、
5つのコンセプトの発展段階。
さらに4Pと4C、
マーケティング・リサーチ、
マーケティングのSTPなど、
本当の入門編だが事例を交えて解説する。
5期生はスーパーバイザーやチーフが多い。
その現場の担当者たちのために、
ロイヤルカスタマー論は、
丁寧に語る。
究極のロイヤルカスタマー獲得法は、
「顧客の経営参画」である。
午前中の3時間はここまでで終わった。
ランチの時間帯に、
黒田久徳さんに会った。
元万代取締役商品本部長、
現在は㈱クックワン代表取締役社長。
黒田さんには本当にお世話になった。
久々に会えてうれしかった。
それから本社下の
万代渋川店。
一丁目一番地の青果平台売場はカラフルだ。
一丁目二番地はミカン一色。
ほうれん草の島陳列。
これ、40年前の故北野祐次さんの売り方。
「ハイライトアイテム」だ。
もちろん関西スーパーの創業者。
鮮魚部門のコーナーは、
キハダマグロ。
そして「本日のおすすめ品」は、
ホタテ生食用。
昼の惣菜売場は大人気。
私のランチはこれです。
北海道産牛めし、500円也。
相変わらず、すごいパン売場。
ランチも満足した。
午後の講師は㈱REAの
鈴木哲男さん。
52週マーチャンダイジング(MD)と、
ストアコンパリゾンの2講義。
商人舎ミドルマネジメント研修会で、
鈴木さんはたっぷり講義してくれる。
今年は開催中止となったので、
万代大学に特別講師として招聘。
鈴木さんの講義は、
徹底的に実務に沿った内容だ。
52週MDを進めるために、
主力商品と重点販売商品、中心商品。
重要な3つの概念を整理して、
わかりやすく解説してくれた。
さらにストアコンパリゾンに関しては、
正しい手法とその活用法。
マーケティング・リサーチ(MR)の一手法だが、
チェーンストアでは「ストコン」という。
それらに対しても丁寧に応えてくれて、
5期生にとってすぐに実践できる講義だった。
講義を終えて、加藤徹さんと3人で写真。
加藤さんは㈱万代リテールホールディングス社長、
万代知識商人大学理事長。
加藤さんは終日、聴講してくださる。
そして今日の最終講義は、
ふたたび結城義晴。
戦略的ストアコンパリゾンを講義して、
最後はマーケティング1.0から、
マーケティング4.0まで解説。
その後、4班に分かれて
マーケティングリサーチのディスカッション。
今日学んだこと、
これまで学んできたことを活かすために。
最後にコトラーの言葉を再び。
「マーケティングは一日あれば学べる。
しかし、使いこなすには一生かかる」
(つづきます)
〈結城義晴〉