アークス&オータニ「経営統合」と万代カレッジ「総括講義」
各地で新型コロナの感染者が増えている。
もう第3波と言っていいだろう。
その対策は急がねばならないと思う。
朝日新聞「天声人語」
「目立つのが北海道で、
札幌市では不要不急の外出自粛を
求める方向になったというから、
第1波を思い起こさせる事態である」
ここからが朝日らしい。
「違うのは、”Go To” 事業があるために、
“出ないで””動かないで”と政治家たちが
強く言いにくくなっていることか」
「ウイルスの特性も
だんだんと分かってきた。
どこにどんなリスクがあるのか、
生活を点検したい」
生活を点検し、仕事を点検し、
職場を点検し、店を点検する。
まだまだ続く。
商人舎流通スーパーニュース。
アークスnews|
オータニと経営統合に向けて基本合意書を締結
アークスの2020年2月期決算は、
売上高5192億円(前年比1.4%増)。
日本小売業ランキングでは26位。
スーパーマーケットでは4番手。
2021年2月期第2四半期は、
売上高2821億円(前年同期比9.9%増)、
営業利益103億9400万円(74.0%増)、
経常利益113億9000万円(65.4%増)。
絶好調の増収大幅増益。
店舗数は343店。
そのアークスが、
栃木県のオータニと経営統合する。
こちらは宇都宮に本部を置いて31店。
総合すると374店。
400店が見えてきた。
アークスは純粋持ち株会社だから、
オータニがその傘下に入る。
そして北海道から東北へ、
さらに北関東までアークスが南下してきた。
これが大きい。
コロナはM&Aを早める。
ただしアークスはシジシージャパン、
オータニはオール日本スーパーマーケット協会に加盟している。
ここでもなぜかCGCとAJSの、
タスキ掛けの経営統合となった。
人間の心理は不思議なものだが、
しかしこういうことは実によく起こる。
長年のつながりや絆は、
一体何だったのか。
日ごろの交流や研鑽が生きねばならない。
それが実らないのは悲しむべきことだ。
まだまだ進むだろう。
さて私の大阪滞在も、4日目となった。
今日は朝から㈱万代本社の会議棟。
万代知識商人大学第5期。
今日が最終講義。
残すは来年1月の論文審査と総括講義のみ。
それまで第5期生は修了論文を書く。
昨日はマーケティングリサーチ。
寝屋川香里園地区を調査した。
万代、ライフ、平和堂、ロピア。
その激戦はまだ続いている。
司会はいつものように津田睦さん。
人事部マネージャー。
今年の5期生はコロナ禍で、
懇親会も、合宿も、
サンフランシスコへの修了旅行も
できない。
その5期生に対して、
津田さんはいつも丹念に、
授業の目的を示し、
丁寧に話を進める。
昨日は、4班に分かれて店舗を視察した。
そして長時間にわたって資料を整理し、
議論し、分析し、アイデアを出して、
万代香里西店の活性化策を考察した。
この班は、グロサリーとデイリー部門の、
商品を中心に活性化策を提案。
フロントエンドの接客サービスについて、
4社の相違を分析。
万代のフロントエンドのスキルを、
高く評価した。
惣菜については、
万代にとって重要な強化部門だけに、
様々な質問や意見が出た。
鮮魚をテーマに分析報告したチーム。
ここでも万代の加工技術の高さを再確認。
主力アイテムの品揃えを比較しつつ、
万代香里西店に必要な施策を提案した。
報告が進むにつれて、
忌憚のない意見や感想が投げかけられる。
それに発表者は答える。
最後の班は
模造紙のプレゼンに変えて、
パワーポイントでの報告。
「トマトチーズ鍋」の材料を購入する。
このシミュレーションで、
4店舗を回った。
商品の買いやすさや見やすさ、
そして購入金額を明らかにして、
4社を分析。
全員の発表を聞いて、
結城義晴のまとめ。
マーケティングリサーチにおいて、
「木を見て森を見ず」はいけない。
調べれば調べるほどに、
細かくなりがちだ。
しかしいつも着眼大局・着手小局。
大局で見る目が必要だ。
発表の中で使われた言葉は、
「鳥の目・魚の目・虫の目」。
鳥の目は高いところから全体を俯瞰する。
魚の目は流れの中で時代の変化を捉える。
虫の目は細かな事実を見つめる。
三つの目が必要だ。
それが対策に活きてこなければならない。
その点で、4つの班ともに、
欠点だらけの発表だった。
手厳しい総括。
各自に再検討を命じた。
発表のあとは、
ストラテジックマネジメントの講義。
はじめに芝純常務。
すべての営業を統括する役目。
初めに万代の「社是」を、
級長がリーダーとなって、
全員で唱和。
芝さんは中期経営計画を中心に、
万代の戦略を簡潔に講義してくれた。
午後は1時から5時までの講義。
まずはサービスマーケティング。
そのエッセンス。
ホッケースティックの関係、
間接部門のサービス。
そしてサービスの黄金律。
さらにストラテジックマネジメント。
経営戦略とは何か、
なぜ必要なのか、
その内容は何か。
マイケル・ポーターとジェイ・バーニー、
そしてもちろんフリップ・コトラー。
さらにブルーオーシャン戦略。
万代の若手にもわかる事例を、
ふんだんに盛り込んで語る。
最後のコモディティ戦略は、
若いチーフやスーパーバイザーに必須だ。
コストコやドン・キホーテ、
そしてロピアの戦略は、
「トレーディングアップ」と、
評することができる。
一気呵成に講義をして、
最後の最後は、
修了論文に関するレクチャー。
津田マネジャーが大テーマを発表。
そして結城義晴が、
文章の書き方、論文への取り組み方、
テーマの設定の仕方、
そのためのインスピレーションから、
調査・取材・研究・勉強、追加調査、
そして起承転結の組み立て方、
さらにワードでの論文の形式まで、
懇切丁寧に指導した。
今年は12月中旬に仮提出をさせる。
それを指導して書き直しをさせる。
そして最終提出は、
年明けの1月ということになる。
すべての講義が終わって、
今日のレポートを書く。
これも訓練だ。
私はブレイン&ハンズを重視する。
頭も働くし手も動く。
そんな知識商人を養成したい。
すべてが終わると、
全員が立ち上がって、
お礼をしてくれた。
ありがとう。
最後の最後に事務局と写真。
万代人事部のメンバー。
ありがとう。
今年も終わりました。
残すは論文審査の最終講義のみ。
〈結城義晴〉