コロナ第3波の「ハンマー&ダンス」と「会議は踊る・されど進まず」
Everybody! Good Monday!
[2020vol㊽]
2020年第49週。
今日の30日が11月最後の日で、
明日から12月。
「ニ、シ、ム、ク、サムライ」と覚えた。
2・4・6・9・11月は短い。
漢字の「十一」は「士」という字になる。
新型コロナウイルス一色の2020年が、
あとひと月を残すだけとなった。
COVID-19パンデミックは、
いま、これまでで、
最も厳しい局面を迎えている。
朝日新聞「天声人語」
取り上げたのは、
「ハンマー&ダンス」
アメリカ発の言い回し。
新型コロナウイルスに対して、
強力な対策を打ち出すことを、
ハンマーを打ち下ろすことにたとえた。
「ウイルスをガツンとたたく感じだ」
ハンマーを打ち下ろして、
感染が少し落ち着いたら、
感染防止と社会経済活動を両立させる。
こちらは言わば、
「ウイルスとダンスをするようなもの」
だからハンマーとダンス。
様子をうかがいながら、
両方を繰り返し、使い分ける。
「この冬、日本はどうやら
ダンスの季節が終わり、
再びハンマーの出番となった」
東京、大阪、名古屋、札幌。
飲食店の店じまいが早くなった。
GoToトラベル、GoTo イートも見直し。
「我慢の3週間」
それでも第1波よりましな点はある。
「マスクが出回り、
その効果も研究により裏付けられてきた」
ワクチンの開発も、
まじかとなってきた観がある。
新型コロナの分科会の提言は、
会食に警告を発する一方、
仕事や学校の授業、病院の受診など
「感染拡大リスクの低い活動を
制限する必要はない」
「ただし大いに気になるのは医療体制だ」
「ダンスの季節に、
体制強化は十分になされなかったのか。
GoToなどに公金が回りすぎたのか」
コラムニストは、
米国の古いフォークソングを思い出す。
「天使のハンマー」
古いと言っても日本のわらべ歌のように、
作者不詳ではない。
伝説のピート・シーガーの曲。
私はピーター・ポール&マリーで聴いた。
If I had a hammer
I’d hammer in the morning
I’d hammer in the evening
all over this land,
もし私にハンマーがあれば
朝に晩に打ち続けるだろう
この国中に
I’d hammer out danger
I’d hammer out a warning
危険を知らせ
警告を発する
I’d hammer out love
between my brothers and my sisters
All over this land.
この国中の兄弟姉妹に
愛のハンマーを打ち下ろす
二番の歌詞は、
「もし私にベルがあったら
朝に晩に鐘を鳴らすだろう」
三番は、
「もし私に歌があったら
朝に晩に歌い続けるだろう」
愛の鐘を鳴らし、
愛の歌を歌い続ける。
「ハンマー&ダンス」は、
ピート・シーガーの曲では、
ハンマーとベル(鐘)とソングだ。
感染拡大防止と経済活動。
両者のハンマーとダンスを、
早めに早めに使い分ける。
これが後手後手に回ると、
1814年のウィーン会議となってしまう。
「会議は踊る、されど進まず」
フランス革命とナポレオン戦争終結後、
全ヨーロッパの国家の代表が参集して、
オーストリアのウイーンで会議を開いた。
目的はヨーロッパの秩序再建。
しかし国々の利害がもつれて、
何カ月も議事は進まなかった。
「会議は踊る、されど進まず」
こうなると後手に回る。
菅義偉政権がスタートした。
「会議は開かれる。されど進まず」
そんなふうにならねばいいが。
ウイーン会議に関しては、
1815年にナポレオン自身が、
幽閉されていたエルバ島を脱出すると、
その危機感から各国の妥協が成立して、
「ウィーン議定書」が締結されてしまう。
危機感こそ、
問題解決の早道なのだが、
それこそ危機が訪れねば、
人々はそれを感じない。
皮肉な話だが、
COVID-19パンデミックで、
そのパラドックスが起こらねばいいが。
ハンマー&ダンスと、
会議は踊る、されど進まず。
これはコロナ対策だけではない。
会社経営や組織づくりにも、
店舗運営や職場づくりにも、
同じあい路が待っている。
では、みなさん、今週も、
ハンマーとダンス、
上手に使い分けよう。
Good Monday!
〈結城義晴〉