寒中お見舞い申し上げて村上春樹の「言葉のない政治家」
寒中、お見舞い申し上げます。
二十四節気の「小寒」から「大寒」までを、
大づかみで「寒」という。
「寒中」あるいは「寒の内」とも呼ばれ、
1年で一番寒い時期だ。
昨日の1月5日は「寒の入り」で、
昨日から「小寒」となった。
1年を24区分に分けると、
1区分の節気はだいたい15日間。
小寒が1月5日から19日までの15日間、
大寒が1月20日から2月3日までの14日間。
その間の「寒」のほぼ30日間が、
1年で一番寒い時期だ。
とくに大寒が寒い。
ここで「寒中見舞い」などを出す。
そして「寒」が終わると、
「立春」となる。
今年、春が立つのは2月4日。
今日の1月6日。
東京都のコロナウイルス新規感染者は、
NHKによると1591人で過去最多。
2000人くらいまで増えそうな勢いだ。
この1591人のうち、
約28%の451人は感染者の濃厚接触者、
約71%の1137人は感染経路不明者。
感染経路がわからない人は過去最多。
市中感染が広がって、過去最多となった。
東京を頂点として、
神奈川、埼玉、千葉に広がる。
そして全国に伝染していく。
全国の感染者は過去最多の6004人。
初めて6000人を超えた。
大阪府560人、埼玉県394人、
愛知県364人、福岡県316人、
千葉県311人など最多。
一方、菅義偉内閣は、
明日の七草の1月7日に、
1都3県に緊急事態宣言を発する。
期間は1月8日から2月7日まで。
どうせなら三が日が明けて、
仕事始めの1月4日に緊急事態を宣言し、
その期間を寒の入りの1月5日から、
寒の明けの2月3日までにしたらよかった。
おつな設定だ。
もっとも寒い「寒中」の緊急事態宣言。
まあ、菅義偉に詩心を求めるのは無理だろう。
それでも意思決定が遅い。
何度も何度も書いているが、
尾身茂さんの言葉。
新型コロナ対策分科会会長。
「新型コロナは、
人々の行動が
感染動向を左右する」
「社会全体の感染防止への意識が
低下していないか判断しながら
アクセルとブレーキを踏む必要がある」
何よりも大事なのは、
「社会全体の感染防止意識」
私もそう思う。
人々の心に訴える。
商売も仕事も同じだ。
そして社会全体で足並み揃えて、
感染防止の意識を高め、行動をする。
菅義偉に求めるのは無理か。
今日の新田間川は、緑色の水が流れる。
商人舎オフィス裏の遊歩道。
葉は落ちて、枯れ枝が寒々しい。
それでも落ち葉は残っている。
寒中、お見舞い申し上げます。
さて、今日は仕事に邁進。
商人舎流通スーパーニュース、
商人舎スーパーチャンネル。
月刊商人舎1月号の手紙の執筆。
万代知識商人大学の論文添削指導。
さらに単行本の執筆。
仕事をしていると、
気力・体力は充実。
私の生きる原動力は仕事だ。
最後に今日の沖縄タイムズ。
巻頭コラム「大弦小弦」がいい。
作家村上春樹が自らDJを務めるのが、
ラジオ番組「村上RADIO」。
昨年の大晦日に初めて、
年越し生放送をした。
TOKYO FMをキーに全国38局をネット。
沖縄FMでもそれが流れた。
ゲストは日本学術会議の山極寿一前会長。
京都大学総長。
政権による任命拒否の内幕が語られた。
山際さん。
「これが民主主義国家か」と嘆いた。
その山極さんの専門はゴリラだ。
「腕力が強く霊長類最強といわれるが、
ボスは周囲に気配りを欠かさない。
メスや子どもも対等に扱うので、
オス同士のけんかを子どもが止めることも」
ゴリラはなかなかの霊長類だ。
山際さん。
「問答無用で押し通すのは
力で押さえつけるサルの政治。
派閥重視はチンパンジー。
ゴリラを見習えば平和な政治ができる」
そういえば㈱エブリイが、
マネジメントに類人猿分類を使っている。
村上さんはコメントした。
「言葉のない政治家は、
ブルースコードが弾けない
エリック・クラプトンだ」
この番組には、
京都大学の山中伸弥教授も出演して、
ドイツのメルケル首相の演説力を指摘。
昨年末にそのスピーチが話題になった。
「祖父母と過ごす
最後のクリスマスになってはならない」
太弦小弦のコラムニスト吉田央さん。
「官僚が書いた借り物の言葉では、
市民を勇気づけられない」
言葉は大切だ。
商人にとっても。
ただ「寒中」の緊急事態宣言なら、
ちょっとだけ心に響いたかもしれない。
ん~、それはないか。
〈結城義晴〉