ウェグマンズ・ターゲットの「働きがいのある企業」ランクイン
5日間の関西出張から帰って来て、
久しぶりのホームコース。
いい天気だが空には雲。
働きづめに働いたら、
今度はリフレッシュ。
蜂の巣に蜂の居らざる日和かな
〈正岡子規〉
商人舎流通スーパーニュース。
ウェグマンズnews|
2021年版FORTUNE「働きがいのある企業100」で4位
アメリカのビジネス誌「FORTUNE」。
「100 Best Companies to Work For」。
「Great Place to Work研究所」との合同調査。
商人舎では近年は、
「働きがいのある企業100」と訳している。
2008年に上梓した本では、
「働きたい企業」としていたが、
「働きがいのある企業」に訂正した。
今回で24年目。
対象はアメリカ合衆国内で、
1000人以上の社員を雇用する企業。
例年は数百万人規模の従業員アンケートをする。
それ以外に調査機関によって企業分析をする。
これらをもとに評価した数値で、
ランキングを決定する。
しかし今年は約50万人の従業員となった。
コロナ禍の影響だ。
しかし同時に、
COVID-19パンデミック対応の、
企業行動に焦点を当てた質問が加えられ、
それが40%を占めた。
つまり働きがいとともに、
コロナ対策も評価された。
2021年のトップ10企業。
1位はCisco。
世界最大のITネットワーク機器開発会社。
シスコシステムズ。
2位はSalesforce。
ビジネスアプリケーションと、
クラウドプラットフォームを、
インターネットで提供する。
流通にも強い会社だ。
3位が昨年トップだったHilton。
もちろん世界3位のホテルチェーン。
ちなみに規模のトップはマリオット、
次が中国のジンジャン。
ヒルトンは3位だが、
働きがいランクはホテルでトップ。
そして4位がWegmans Food Markets。
もちろん小売業でトップ。
このランキングが始まってから24年、
連続トップ100にランクイン。
2005年には第1位に輝き、
2006年は2位。
2007年は3位だったが、
5位にホールフーズマーケットが入った。
4位も小売業のコンテナストアで、
私は自著でこれを取り上げた。
『お客様のためにいちばん大切なこと』
ニューヨーク州ロチェスターに本拠を構え、
アメリカ東部に105店舗を展開する。
非上場のファミリービジネス。
写真後ろのダニエル・ウェグマン会長は、
3代目。
右のコリーン・ウェグマンが現在の社長。
今年3月時点で、
5万2530人の雇用をしているが、
調査時点で2000人を新規採用した。
コロナ禍の結果として昨年1年間で、
約3500人を増員した。
アメリカでもスーパーマーケットは、
パートタイマーの雇用が圧倒的に多いが、
ウェグマンズの従業員は、
40%がフルタイムで働いている。
ウェグマンズは、
アメリカの誇りであると同時に、
世界の小売業やスーパーマーケットの、
あこがれの的である。
コロナ禍対応も万全だった。
ウェグマンズnews|
2/24ノースカロライナ州に105店目の店舗を開設
今年2月19日の商人舎流通スーパーニュース。
2月24日に105店目を出店した。
ノースカロライナ州チャペル・ヒル。
店舗面積は13万平方フィート(3653坪)。
おそらく年間100億円を売る。
この店の従業員は450人。
COVID-19の影響で開店が遅れた。
それでも十二分の安全対策を講じた。
⑴入口と出口を分けて店内を一方通行とする。
⑵ソーシャル・ディスタンシングを徹底し、
入店者数制限も行う。
⑶店内には社員と顧客用に、
サニタイザー・ステーションを設ける。
⑷すべてのレジに、
アクリル板の遮断壁を設置する。
⑸社員は出勤時にウェルネス・チェックを行う。
⑹店内の清掃および除菌・消毒作業に、
専任のチームを充てる。
さらに人との接触を好まない顧客には、
商品ピックアップや配達サービスを用意した。
スマートフォンで事前に注文を受ける、
「Wegmans Meals To Go」である。
同店のサイトでは、
顧客が来店するための判断に、
混み具合の状況を確認できる案内がある。
ウェグマンズは、
コロナ禍「キャズム」のなかでも健在だ。
FORTUNEランキングでは、
14位にTargetが初登場。
ウォルマートと対峙する、
ディスカウントストアである。
日本の分類でいえば総合スーパーである。
ターゲットは40万9000人の従業員をもち、
8634人を新規雇用した。
これも商人舎流通スーパーニュース。
ターゲットnews|
’20年総収入936億ドル19.8%増/EC145%伸長
1月末決算の売上高は、
924億ドル(1ドル100円換算で9兆2400億円)、
前年比19.8%増で前年度より150億ドル増加。
営業利益は65億3900万ドル(6539億円)で、
40.4%伸びた。
純利益は33.1%増で、
43億6800万ドル(4368億円)。
既存店売上高は19.3%増、
客数6.5%増、客単価13.1%増。
日本のスーパーマーケットなどは、
増収増益が相次ぐが、
客数減、客単価増がほとんどだ。
ターゲットはその客数も6.5%増えている。
さらにeコマースの既存店売上高は、
145%も伸びて、2.45倍である。
前年よりも100億ドル(1兆円)近くの増加である。
即日配送サービスが235%増加したためだ。
ブライアン・コーネル会長兼CEO。
「パンデミック下で、
安全なサービスを提供するターゲットを、
お客さまが選んでくれたのです」
FORTUNEランキング24位には、
Nugget Market。
昨年の79位からジャンプアップ。
カリフォルニア州のサクラメントエリアの、
15店舗のローカルチェーンだ。
42位にPublix Super Markets。
フロリダ州などの南東部を中心に展開する、
リージョナルチェーン。
以下、69位にはBurlington Stores。
オフプライスストア第3位の企業だ。
そして83位が、
コンビニエンスストアのSheetz(シーツ)。
今年のランキングは例年以上に、
「利益」よりも「人」を重視した企業に、
スポットが照らされた。
スーパーマーケットとディスカウントストアが、
50位以内に4社ランクインした。
よく働き、よく評価される。
実にいいことだ。
蜂の巣に蜂の居らざる日和かな
〈結城義晴〉