緊急事態宣言延長の「二度あることは三度ある」
夕方から、菅義偉首相の記者会見。
新型コロナウイルスの緊急事態宣言は、
その対象に愛知・福岡の両県が加えられる。
東京・大阪・京都・兵庫の4都府県は、
11日までの期間が5月末までに延長される。
まん延防止等重点措置は、
北海道と岐阜・三重両県が加えられ、
宮城県が外される。
神奈川・埼玉・千葉首都圏3県と、
愛媛・沖縄の両県は5月末まで延長。
5月末まで、
緊急事態宣言が6都府県、
まん延防止重点措置は8道県。
結局、5月11日では短すぎると、
各所から批判が出ていたが、
やはり延長となった。
緊急事態宣言は3回目。
1回目は昨2020年4月、
2回目は今2021年1月。
1回目の緊急事態宣言は全国に対して、
4月7日から、
5月6日までの1カ間だったが、
延長されて、最後に解除されたのは、
首都圏1都3県と北海道の、
5月25日。
2回目は、
まず東京都と埼玉・千葉・神奈川3県を対象に、
1月8日から、
2月7日まで緊急事態宣言発出。
次に14日から2月7日まで、
大阪・京都・兵庫・愛知・岐阜・福岡・栃木の7府県。
こちらも延期されて、最後に、
首都圏1都3県が解除されたのは、
3月21日。
そして3回目は3月21日に解除されて、
1カ月後の4月25日に発令。
それが3回目の延長となった。
5月31日まで。
「二度あることは三度ある」
同じミスを三度繰り返した。
とても科学的な考察や態度とは言えない。
記者会見では、
質問に答える立場の尾身茂先生まで、
検査数の少なさを菅首相に詰め寄った。
首相は最後に
「国民の皆さんのご理解とご協力を、
心からお願いします」と、
頭を下げた。
しかし残念なことだが、
私にはまったく説得力が感じられなかった。
それでも私たちは一人ひとりが、
感染拡大を防ぐために、
全力をあげなければならない。
ただし、大型商業施設への協力金は、
事業規模に応じて支給される。
休業した施設には、
営業面積1000㎡ごとに1日20万円。
1万㎡(3000坪)ならば200万円。
テナントには100㎡ごとに同2万円。
宣言開始の4月25日に遡って適用される。
弥縫策そのものだが、ないよりはいい。
さて今日は午後から、
大越鉄夫さんが、
商人舎オフィスにやって来てくれた。
「てっちゃんの店長日記」の、
スーパーマーケットの元店長。
6月からコンサルタントに転身する。
私たち商人舎はそれをお手伝いする。
今日はビデオ撮影。
お疲れ様でした。
最後に単行本にサインと署名。
いつものように左手に筆をもって書く。
本にサインするとき、
色紙に何かを書くとき、
私は母の指導の通りに左手で書く。
出来上がりました。
ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
最後に昨日の日経新聞夕刊。
「読書日記」
詩人のカニエ・ナハ。
『エイヴォン記』
詩人は語り掛ける。
「”読書”はどこから始まるのだろうか?
本のページを開いたところからだろうか、
それとも最初に手にした瞬間からだろうか?」
読むのは庄野潤三著『エイヴォン記』
「読書日記」の体をとった本。
「ユニークなのは、
作者がお気に入りの短篇小説の
あらすじを語ることを軸にしながら、
山積みになった蔵書のなかから
本を探しだすところや、
見つけた本の表紙が
やぶれかかっていること、
初めて手にしたときの思い出、
読書している机に飾られている花のこと、
その花を届けてくれた隣人がしていった話、
そして本を読んでいる内に
訪れる幼い孫娘のことなどが、
並行して描かれていること」
「それらみなひっくるめて
“読書”なのだと云うように」
これには同感だ。
だから今度の私の本は、
装丁から表紙や背のデザインから、
章立てや構成まで、
これまでの「小売流通の本」や、
これまでの「ビジネス本」とは、
まったく違った造りになっている。
地味な造りだ。
しかし持っているだけで、
「何となく気分がいい」といった本にしたかった。
私は、月刊雑誌には、
「まえがき」や「あとがき」を書く。
いつも雑誌を単行本のように編集している。
しかし今度の単行本には、
「まえがき」も「あとがき」もない。
いきなり本文に入る。
もちろん「序章」と「終章」はあるが、
それはあくまでも本文だ。
小説には通常、
まえがき、あとがきはない。
詩集にもそれはない。
そんな風なビジネス書に仕立てた。
味わっていただけたら幸いだ。
〈結城義晴〉