「カスハラ」と「消費者の権利」の「トレード・オン」
九州南部が梅雨入り。
観測史上2番目の早さ。
やはり、やはり。
「コロナは時間を早める」
お陰様で初版第一刷は完売しました。
残るは会社保存用の10冊と、
私自身が持っている3冊だけ。
もう第二刷は発注済みですが、
それが印刷・製本されてくるのが、
来週月曜日の5月17日です。
発刊が4月17日。
14年前の商人舎発足の会の日だった。
だからちょうど1カ月で二刷。
そんなに多くは刷っていないので、
爆発的な売れ行きとはいかないのですが、
3カ月か半年くらい経過すれば、
二刷になるだろうと予測していたので、
思わぬ誤算ですが、これも、
コロナは時間を早める。
しかし著者としては、
とにかく読んでいただくことがうれしい。
感想やご意見、ご批判など、お寄せください。
私自身もまだまだ考えたいと思います。
よろしくお願いします。
商人舎に予約してください。
すでに予約もずいぶん入っていて、
刷り上がってきたらすぐに発送します。
今日も印刷所に対して、
なんとか少しでも早まらないかと、
お願いしました。
ありがたいことです。
一方、残念なお知らせは、
商人舎ミドルマネジメント研修会。
6月開催の第17回は中止します。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が、
5月末日まで延期されて、
このままでは開催できません。
残念です。
しかし9月14日・15日・16日には、
開催します。
東京オリンピックが開催され、
ワクチン接種も進んでいるとしたら、
9月には開催できるでしょう。
あくまでも希望的観測ですが。
こちらも予約、受け付けます。
よろしくお願いします。
今日は午前中、
㈱ヤオコーの決算発表会。
もちろんオンライン。
川野澄人社長がよどみなく1時間、
過去最高の決算を発表した。
32期連続増収増益。
営業収益5079億円で10.3%増、
経常利益も13.2%増。
ヤオコーnews|
64期5079億円10.3%・経常利益13.2%の32期連続増収増益
ただし今年度は連結では増収減益を見込む。
単体では33期連続増収増益を計画。
必ずやり遂げるだろう。
ひょっとすると、
連結でも増収増益を達成するかもしれない。
ヤオコーはそういう会社だ。
スマイル、感謝!
さて日本経済新聞。
小売業、流通業に関して、
圧倒的な量と質。
今日の「社説」。
「コロナ下のカスハラ拡大防げ」
「カスハラ」は、
「カスタマーハラスメント」。
つまり「顧客からの嫌がらせ」。
小売業やサービス業の従業員が、
顧客から受けるハラスメント。
過度な苦情や迷惑行為のことだ。
今年に入って厚生労働省が、
「対応マニュアル」づくりを始めた。
昨2020年夏のUAゼンセンの調査。
サービス業に従事する組合員に尋ねた。
直近2年以内にカスハラを受けた人、
56.7%もいた。
半数以上。
暴言、暴力、長時間拘束、
さらにネットでの中傷。
「内容は多岐にわたる」
マスク欠品への怒りなど、
新型コロナ関連の迷惑行為も多い。
その経験者は3割を超える。
つまりSNSの普及やコロナ感染症も、
カスハラを広げている。
社説は提言する。
「まず経営者はこの課題に
毅然と対処する姿勢を社内外に示したい」
同感だ。
「従業員や店長を孤立させないためにも
本部で問題を共有し、
ノウハウを蓄積すべきだ」
第1に情報を収集し、
それをデータベースにすること。
第2にクレームへの統一的な窓口の設置。
第3に顧客への啓発。
「駅員への暴力に悩んだ鉄道会社が
ポスターで問題を訴えた例も参考になる」
「政府の対応マニュアルでは、
働き方の多様化や
女性が活躍する場の広がりにも
目配りがほしい」
一方、消費者団体の懸念。
カスハラ防止が行き過ぎると、
消費者が意見や不満を言いにくくなる。
1962年3月15日。
米国大統領ジョン・F・ケネディの提言。
「コンシューマー・ドクトリン」
「消費者の4つの権利」
①安全である権利
②知らされる権利
③選択できる権利
④意見を聞き遂げられる権利
その後、世界消費者機構が、
4つの権利を加えて総括した。
①消費生活における基本的な需要が満たされる権利
②健全な生活環境が確保される権利
③安全が確保される権利
④選択の機会が確保される権利
⑤必要な情報が提供される権利
⑥消費者教育の機会が提供される権利
⑦消費者の意見が消費者政策に反映される権利
⑧被害者が適切かつ迅速に救済される権利
これに影響されて日本では、
1968年に「消費者保護法」が制定された。
それが2004年、「消費者基本法」と改定され、
上記8項目が「消費者の権利」として明記された。
小泉純一郎政権のときだ。
日経社説。
「正当な苦情とカスハラとの線引きも、
対策作りの過程できちんと
議論しておくべきだ」
これもトレード・オフではいけない。
「カスハラ」と「消費者の権利」。
21世紀はやはり「トレード・オン」の時代だ。
「コロナは時間を早める」で指摘した。
あちらを立てて、こちらも立てる。
店長や現場で働く人々、
つまりエッセンシャルマーチャントを、
孤立させてはならない。
〈結城義晴〉