古いルールを廃棄処分しよう
お約束をつくろう。
月曜日に提案した。
自分でつくるお約束。
お客様とのお約束。
美しい知恵によるお約束。
三方良しのお約束。
買い手良し。
売り手良し。
世間良し。
あなた良し。
わたし良し。
天も良し。
お約束を掲げる。
お約束を実行する。
お約束を徹底する。
すなわち、
厳密に、
詳細に、
継続する。
絶対に不正はなくなる。
お客様は喜んでくださる。
みんなやる気を出す。
しかし、このお約束、
会社の大方針に
沿っていなければならない。
自分が確信していなければならない。
仲間も納得していなければならない。
かつて関西スーパーが盛んに使った[決め事]という概念。
オーケーが現在、店内に掲示する公約。
ブーメランの法則のスーパークィンのお約束。
良い企業の、
良い店の、
良い時期には、
必ず、マグマのように地表に出てくるお約束。
しかし、組織腐敗のメカニズムがある。
組織は年数が経つと、腐る。
規模が大きくなると、腐る。
いや、正しくは、
腐りやすくなる。
組織の腐敗傾向という。
この組織腐敗の傾向をもたらすメカニズムのひとつが、
[ルールの複雑怪奇化]である。
一橋大学大学院教授の沼上幹さんの『組織戦略の考え方』にある。
古いルールや手続き、決め事、お約束は、
廃棄処分にしなければならない。
その上で、新しいルールや手続き、決め事、お約束をつくる。
これが、大切だ。
ルールの新陳代謝である。
古いルールや仕組みをそのまま残しつつ、
新しいルールや仕組みが、
追加的に付け加えられることが多い。
油断していると、ほとんど、これになる。
それが、長い間に積み重ねられる。
すると、ルールは複雑化してくる。
単なる複雑化を超えて、
複雑怪奇化してくる。
その複雑怪奇化に、組織内の人間は気づかない。
古いルールの迂回方法が発達する。
抜け道や裏技が開発される。
これらを開発できる人間が評価されたりする。
当人は、
会社のため、
組織のため、
仲間のために、
やっていると勘違いしている。
しかし、時に、気が弛む。
ほんの少し、自分のために抜け道や裏技を使う。
仲間にも薦める。
そのうちの数%が、深刻な不正へとつながる。
不正や不具合のいくつかが、公になると、
再発を防ぐ新たなルールがつくられる。
それにもまた、迂回方法、抜け道、裏技が生まれる。
ますます複雑怪奇化してくる。
だから、結論。
長い間に新陳代謝を失った、
古いルールを破壊せよ。
古い仕組みを改めよ。
古いお約束は引っ込めよ。
その上で、新たなお約束をつくろう。
それがトップやリーダーの仕事だ。
組織腐敗を防止するために、必要なのは新陳代謝である。
新陳代謝を阻止しようという反作用が起こることも、心しておかねばならない。
念のために。
〈結城義晴〉
1 件のコメント
いや。最近は役人の不正が横行しておりますな。日本の官僚組織は敗戦後も守られてきた強靭な組織であったはずなのに・・・。制度疲労ですね。でもいったい日本はどうなってしまうのでしょうか。
役人には任せてはおけないから民間企業がみずから率先して変えていかなくては!!
組織腐敗のメカニズムは、
競争のない組織にはびこりやすい。
競争を拒否する組織が、腐りやすい。
デン助さん、感謝します。
ワンテーマですね。
よく分かってはいるのですが。
気をつけます。