「お客様のためにいちばん大切なこと」と「お弁当箱とハンカチ」
今日も1日、横浜商人舎オフィス。
狭いながらも
楽しい我が家♬
愛の灯影(ほかげ)の
さすところ
恋しい家こそ
私の青空
榎本健一の歌声が蘇る。
もともとは、
アメリカのポピュラーソング。
「My Blue Heaven」
作曲はウォルター・ドナルドソン。
日本では「私の青空」としてヒットした。
訳詞は堀内敬三。
商人舎の事務所はまったく、
「狭いながらも楽しい我が家」だ。
今日はこの本にお世話になった。
「お客様のためにいちばん大切なこと」
2008年4月1日、中経出版から発刊。
この年の2月1日に、
㈱商人舎を設立し、
4月17日に「発足の会」を開催した。
ご参集の皆さんへのお土産のために、
この本を間に合わせた。
この会には、
大髙善興ヨークベニマル会長も、
参加してくださった。
そして今年5月19日。
ロピアのつくば店オープンの日。
大髙さんはこの本を持って、
店を巡回。
ありがとうございます。
月刊商人舎6月号には、
この本からも引用した。
雑誌には書かなかったが、
単行本の大髙さんから聞いた話。
「大晦日のお弁当箱とハンカチ」
2006年12月31日、大晦日。
東北のスーパーマーケットとして、
日本有数のクォリティとホスピタリティを誇る
ヨークベニマルの、
ある店の社員食堂でのこと。
ちょうどお昼を過ぎた時間帯。
パートタイマーさんが3人、
遅い昼食休憩に入っていた。
ヨークベニマルでは、
8割がたのパートタイマーが、
自分で弁当をこしらえて持ってくるという。
倹約のためだ。
忙しい年末の仕事の中の、
ほっと一息つく瞬間。
突然、
鉄腕アトムのテーマ音楽がかかった。
すると3人のパートさんが、
誰言うとも無く、
静かに自分たちのお弁当箱に
ハンカチをかぶせて、
店に出て行った。
ヨークベニマルでは、
お客さんがレジに並ぶと、
店内に、耳になじんだあの
鉄腕アトムのテーマが流れる。
店員さんたちに知らせるためである。
大晦日だから、当然のことかもしれないが、
昼のピークタイムが終わったにもかかわらず、
このとき鉄腕アトムが鳴り響いたのだ。
パートさんたちは、レジに入るために
昼食を中断したのである。
10分ほどしてから、
彼女たちは帰ってきて、
またハンカチをとって、
昼食の続きをとったというが、
このさりげない姿に、
偶然にもこの店に年末の激励に訪れていた
同社大高善興社長は、
ひどく感動した。
もちろん心から感謝した。
小売業の店に、お客は、
毎日のようにやってくる。
もちろん商品が確かだから、
この店にやってくるのだろう。
良い品が安いから、
やってくるのかもしれない。
しかし、こんなパートタイマーさんが
レジで迎えてくれるからこそ、
この店が好きだと思ってくれる顧客は多い。
ヨークベニマルの高い支持率は、
こういった全従業員の
日常の行動に支えられている。
私は、
「お弁当箱にハンカチをかぶせて、
店に出て行くパートさん」の姿を、
想像するだけで、
心がジンとしてくる。
私も心から、感謝――。
狭いながらも
楽しい我が家♬
愛の灯影(ほかげ)の
さすところ
恋しい家こそ
私の青空♬
月刊商人舎6月号、
責了しました。
今日もいい日だった。
〈結城義晴〉