「緊急事態宣言解除」と万代知識商人大学6期のSCM講義
新型コロナウイルスの緊急事態宣言。
9都道府県が期限通り20日で解除。
沖縄だけが継続される。
第69回新型コロナ感染症対策本部で決まった。
東京・大阪など7都道府県は、
「まん延防止等重点措置」に移行。
神奈川・埼玉・千葉の3県と合わせて、
10都道府県に重点措置が取られる。
新たな期限は7月11日まで。
重点措置地域では飲食店の営業時間が、
午後8時までとするよう要請される。
酒類提供は午後7時まで認められる。
ただし東京の新規感染者は432人で、
やや増加傾向にある。
専門家たちが指摘する、
1日100人を切ってはいないが、
予定通り(?)緊急事態宣言の解除を決定した。
リスクマネジメントの基本は、
「最悪を覚悟して、
最善を尽くす」
残念ながらそれは貫徹されていない。
科学的態度も徹底されてはいない。
こうなったら仕方がないじゃないか。
それもわからないではないが、
希望的観測で動くことは危険だ。
野球やサッカーやゴルフでも、
囲碁や将棋やマージャンでも、
そして経営や商売や仕事でも、
よくあることだ。
悪循環のトレンド。
そこから脱するには、
やれることを徹底しながら、
辛抱するしかない。
さて万代知識商人大学第6期。
いつもの万代本社に隣接する会議棟。
ここが私たちの校舎だ。
その大会議室を使って、
ソーシャルディスタンシングで講義。
今年の受講生は32人。
6月の4回目の講義テーマは、
サプライチェーンマネジメント(SCM)と、
オペレーションマネジメント。
司会進行は津田睦さん。
人事部マネジャー。
まず結城義晴が、
今日一日で何を学ぶのか。
事前に丁寧にガイダンス。
いつものマネジメント体系図。
そのなかでオペレーションマネジメントは、
どう位置づけられるのか。
サプライチェーンマネジメントと、
オペレーションマネジメントとの関係は、
どのようになっているのか。
渋川PC(プロセスセスセンター)に移動。
渋川PCは精肉のセンター。
東大阪、南大阪、奈良の店舗をカバーする。
畜産部シニアマネジャーの吉田秀史さん。
PCの概要と目的を説明。
吉田さんは知識商人大学3期生。
渋川PCセンター長の田村将吾さん。
田村さんは知識商人大学第2期生。
教え子たちが活躍している。
うれしい限り。
2班に分かれてセンター内の視察。
受付に掲げられる告知も、
万代のPOPと同じ仕様。
まず畜産プロセスセンター。
不織布のツナギに着替える。
そして加工場の視察。
この先は紹介できない。
悪しからず。
しかし万代の畜産を支えるPCだけに、
最新の設備が導入され、
その物量も圧倒的に多い。
まだまだキャパシティはある。
1階にもどって今度は、
保管庫と出荷についてのレクチャー。
出荷ブースは長い。
吉田さんはメガホンをもって、
丁寧に説明してくれる。
この仕分けブースも冷蔵庫のなかと同じだから、
どんどん体が冷えてくる。
ハンディターミナルで、
検品のデモンストレーション。
私が指名されて、
デモンストレーターとなる。
スキャンすると、
間違いが出てくる。
1時間半のセンター視察を終えて、
最後のまとめ講義。
センターの前で、
田村さんと吉田さんと写真。
二人とも責任のある仕事を担っていて、
いい顔をしている。
再び会議棟に戻って、講義。
講師は松岡俊行生鮮商品部担当取締役。
万代知識商人大学2期の級長。
子会社アルヘイムフードサービス㈱社長を兼務。
同社は万代が買収したベーカリー会社。
詳細なパワーポイントの資料をもとに、
センターの開設・運営の意義と、
サプライチェーンの重要性を話してくれた。
ランチタイムを挟んで、
午後は外部講師。
高野保男さんが2時間ほど講義。
レイバースケジューリングの概要を、
万代仕様で解説してくれた。
加藤徹さんと三人で写真。
加藤さんはこの大学の理事長にして、
万代リテールホールディングス社長。
そのあとは内部講師。
竹中天志上野芝店店長。
この大学の第1期生。
旗艦店舗の店長に育った。
その店舗オペレーション改善に関して、
丁寧な報告をしてくれた。
私の講義なども自分なりに咀嚼して、
そのうえ自分の改革事例を具体的にレポート。
竹中さんの講義はとてもよかった。
最後に結城義晴の講義。
高野先生の作業システム論を、
結城義晴流に補足して、
サプライチェーンマネジメントの定義。
私、いま「定義集」にこだわっている。
それからテイラリズムと、
フォーディズム。
アンドルー・シューハートと、
エドワーズ・デミング。
さらに大野耐一さんのトヨタ生産方式。
大野さんは米国のスーパーマーケットから、
ジャストインタイムを学び取って、
トヨタの生産システムを生み出した。
その極意のひとつが「自働化」である。
「自動化」ではない。
最後に4つの総括。
キーワードは全体最適と、
「後工程はお客様」。
最後の最後は、
万代社長の阿部秀行さん。
私のやや難しい講義内容を、
万代の実情に即して、
わかりやすく丁寧に語る。
阿部さんと二人三脚で、
万代知識商人大学を推進する。
そんな感じになってきた。
それにしてもこの企業内大学修了生が、
どんどん会社の要職を占めるようになった。
そのうえ万代の業績も好調だ。
それが何よりうれしい。
その万代にとっても今は、
最悪を覚悟して、最善を尽くす。
これしかない。
〈結城義晴〉