吉永小百合「水が流れるように生きる」と巣鴨信金の「ホスピタリティ」
阪神・淡路大震災から17年。
そして東日本大震災から10カ月。
「生」の尊さ、重さを感じるとともに、
誰にも必ずやってくる「死」への心構えを、
漠然と考える。
私、この年になっても、
まだまだです。
広告ページだけれど、
朝日新聞に吉永小百合さん登場。
「5年先、10年先も
水が流れるように、
自然に生きていきたい」
吉永さんは、「生」を、
「水の流れ」のようにとらえている。
「自然に生きる」
これがいい。
ちなみに広告スポンサーは、
カゴメ。
「あの人の健康法」というテーマで、
「健康の秘訣は野菜と運動」と、
タイトル付けされている。
吉永さんは、
「朝は6~7種類の野菜を使って野菜サラダ、
夜は体を冷やさないように温野菜」
運動は「日々のストレッチや水泳」
それで「水の流れのように、
自然に生きる」
いいですね。
気負いがなくて。
日経新聞のスポーツ欄。
私は意外に評価している。
その連載コラム「クールダウン」
タイトルは「『気持ち』だけで勝てる?」
年末年始の高校スポーツが題材。
その高校生たちのコメント。
「気持ちで負けなかったから勝てた」
「スパイクは気持ちで打ちました」
このコメントを集めて歩く記者の大量のメモ。
「気がつけばサッカーにバレーボール、どの競技の原稿も
『気持ち』だらけになっていた」
ところが「ひと味違った」のがいた。
高校サッカー・ベスト8の市立西宮のFW後藤寛太選手。
「優勝候補を破っても、
『たまたま。10回やって1回も勝てへん』と冷静」
「気持ちという単語も出てこない」
記者は述懐する。
「気持ちや気合いだけで得点できますか、
と問い返されたようにも思えた」
「高校生のスポーツには汗と涙の青春ドラマを期待しがちだし、
記事を書いても『気持ち』で締めれば格好がついた気になる」
テレビのコメンテーターなど、
「気持ちと感動」で安易にまとめたがる。
小売流通業界のジャーナリストやコンサルタントにも、
困ったことに、こういった類は実に多い。
「だが、現実には精神論を離れ、
技、腕力、賢さで戦う選手がいる」
もちろん「気持ち」も大切で、
これを否定するものではない。
しかし「気持ち頼み」では、いけない。
記者も反省する。
「こちらも『気持ち頼み』の記事にならないようにしなくては」
以って自戒とすべし。
さて、昨日は、商人舎オフィスに、
PCSAの中島基之専務理事が来社。
PCSAは一般社団法人パチンコチェーンストア協会の略称。
今年、PCSAは設立10周年を迎える。
その記念式典での記念講演者のご相談。
私は設立当初からPCSAのアドバイザーとして支援をしてきた。
亡き渥美俊一先生がこの協会をバックアップし、
小売業やフードサービス業に続くサービス業、
その一つのジャンルにチェーンストア産業をつくろうと企図していた。
私もその渥美先生の名代のような形で、
この協会を応援してきた。
だから、10周年を迎えることは、とてもうれしい。
何とか意義のある記念講演会になってもらいたい。
夕方からは、立教大学院ビジネスデザイン研究科の講座。
サービス・マーケティングの講義。
毎週月曜日の夕方から行う。
田中実さんにゲスト講師をお願いした。
田中さんは、巣鴨信用金庫元常務理事で
現在はCS・ホスピタリティ実践研究所代表として大活躍中。
コーネル大学RMPジャパンでも講座を持っていただいて、
機関からサービス業へ、
そしてホスピタリティ業への転換の考え方や方法を、
巣鴨信用金庫のケーススタディをもとに、
柳原新聞店、モーハウスなど、
ふんだんに事例を加えて、講義していただく。
コーネル・ジャパンは90分だが、
立教では180分。
サービスマーケティングは、
ビジネスデザイン研究科随一の履修者数で、
人気の講座だが、みんな真剣に受講してくれた。
巣鴨信用金庫は、
東京都北部と埼玉県南部を営業地域にする信用金庫。
店舗数は、44店。業界第14位。
しかしそのホスピタリティは、群を抜く。
しかも、合併の経験なしに、
1兆円を超える預金残高となった。
その巣鴨信用金庫が、
「金融機関」から「金融サービス業」へ、
体質の変換を遂げて、
さらに「金融ホスピタリティ業」へ踏み出た。
モットーは「喜ばれることに喜びを」。
お客様を起点とした「非効率なサービス」の拡充。
「金融機関にとって面倒なことは、
裏を返せば、お客様にとっては、
楽なこと、便利なことに通じる」
「非効率を切り捨てるのではなく、
あえて手間のかかる非効率に着目し、
そこにヒントを求めて活動すれば、
お客様の期待に応えられる」
根本にあるのは、
顧客満足と従業員満足を両立させること。
価値観の共有を図ること。
田中さんの最後のまとめ。
「創業の精神 企業文化」
そして「徹底できるか できないか」
「サービスからホスピタリティへ」
おもてなしやホスピタリティは、
「気持ち」の問題だ。
しかし「気持ち頼み」では、
断じてない。
水が流れるような自然さを持ったホスピタリティが、
田中さんのまわりの企業群にあふれている。
最後に講師控室の前で田中さんと写真。
田中さんも人気のブログを公開中。
タイトルは「ホスピタリティおやじの独り言」
商人舎の「知識商人の輪」にもリンクさせていただいているが、
早速、昨日の講義について書いてくれた。
心から感謝。
<結城義晴>