冷凍食品は初めて業務用を家庭用が逆転した。
Everybody! Good Monday!
[2021vol㉖]
2021年第26週。
6月最終週で木曜日から7月。
1年は52週と言われるが、
厳密に言えば365日は52週プラス1日。
それでも26週は
1年のちょうど折り返し点だ。
あっという間に半年が過ぎた。
「コロナは時間を早める!!!」
今週は月刊商人舎の原稿執筆と入稿。
だから1日中、横浜商人舎オフィス。
ランチは近くの「ルーフトップカフェ」。
私が注文したのが冷製パスタのセット。
これがなかなか美味い。
亀谷しづえと鈴木綾子。
「すっぴんだから、いやです!!」
そうは言われても写真、出しました。
マスク時代の女性はみんなすっぴん。
私はギターを抱えて。
一曲、いかが?
さて日経新聞夕刊一面トップ記事。
「冷凍食品、家庭向け”熱戦”」
「新型コロナウイルス下で、
家庭用冷凍食品の販売競争」激化。
理屈としてよくわかるし、
一面トップ記事になるニュースは、
もうどこでも当たり前になっている。
イオンリテール㈱の総合スーパー。
全店舗の9割の約350店で、
冷凍食品の売場を拡大。
最大1000品目を扱う。
冷食の代表はチャーハンやギョーザから、
トリの唐揚げなどまで、
メーカーの製品がずらりと揃う。
しかしイオンリテールでは、
鮮魚売場のウナギのかば焼き、
精肉売場の焼き鳥などが、
独自商品として冷凍食品化されている。
今年度に入って、
各売場での面積を1.5倍に広げる。
精肉関連では品目数を4割増やす。
約150店では専用の真空包装機も導入。
昨年度のイオンリテールは、
冷凍食品の売上高が前年比2桁増。
記事では七尾宣靖執行役員が語る。
「需要はさらに高まるとみているが、
顧客の取り込みには差異化が重要」
それがウナギかば焼きや焼き鳥などだが、
希少部位を使った味付け肉の冷食など、
新たな商品の開発にも注力していく。
七尾執行役員の指摘。
「店頭への来店頻度が減る一方で
まとめ買いが増え、
長期保存ができる冷凍食品は
家庭での存在感が高まっている」
イオンリテールでは、
業務用で売り先がない商品も扱う。
「新型コロナの懸念が続く中、
家庭用優位の状況は鮮明」
オーケーや業務スーパーなど、
もうずっと前からそれに取り組んできた。
イトーヨーカ堂も、
冷凍食品の売場を拡大。
ブロッコリーなどのカット野菜や、
ミールキットの冷凍商品を展開する。
フライパンで温めればそのまま食べられる。
ライフコーポレーションも、
新店や改装店、大型店では、
売場面積を従来の約2倍に広げ、
品ぞろえも2倍の約600品目まで拡充。
電子レンジで温めるだけのワンプレート商品、
専門店や世界のグルメの冷凍食品化。
メーカーも積極的な商品開発を続ける。
コロナ禍で買物頻度が低下している。
だから長期保存ができる冷凍食品は売れる。
日本冷凍食品協会の発表。
20年の工場出荷額(国内生産分)は、
業務用が前年比14%減の3278億円、
一方、家庭用は18%増の3748億円。
1981年の調査開始以来、初めて逆転した。
もちろんコロナ禍による、
外食産業の営業自粛が影響した。
冷凍食品の2割・3割・5割引きは、
もう当たり前の販促手段だが、
イオンリテール七尾氏が言うように、
ここでは「差異化」こそが求められる。
アメリカのトレーダー・ジョーを見よ。
いつもナンバー1のアイテムは、
マンダリン・チキン。
そして大人気のニョッキ。
フランスのピカールに学べ。
フルラインの冷食専門店。
商品パッケージも独自性がある。
日本ではツルヤがそれを実証する。
生鮮素材の冷食化から、
独自のメニュー開発、
そしてピザやベーカリーをはじめ、
デザートやスウィーツまで。
「美味い、安い、早い」
そして「鮮度がいい、相場に強い」
日本のピカールは、
「安い」が欠落しているが……。
夕刊と言えど日経の一面トップに、
こんな記事が出た。
今から取り組むのではもう遅い。
しかし「差異化・独自化」は、
1品からでもできる。
ひとつだけ重要なこと。
生鮮食品が強くて、
惣菜が魅力的な店でこそ、
冷凍食品はよく売れる。
ピーター・ドラッカー先生同様に、
実も蓋もない話だが。
では、みなさん、今週も、
差異化と独自化を目指そう。
物真似を抜け出して。
Good Monday!
〈結城義晴〉