17日間あめりか漂流記⑨「バーシャ」と米国メインストリームの行方
Everybody! Good Monday!
アリゾナ州フェニックスからのGood Monday!です。
今日は、ツーソン、スコッツデールとフェニックスを回って、
350マイルほど、動き回りました。
560キロメートルでしょうか。
こちらの時間で、朝、6時半に出て、
夕方の6時半ホテルに戻る。
12時間のスーパーマーケットばかりの視察強行軍です。
フリーウェイの両側は、砂漠や荒れ野。
そしてむき出しの岩山。
サボテンの群れ、か細い電信柱の列。
西部劇の荒野そのものです。
そんな中に町があり、町には必ず商店があります。
小売店もあるが、必ずショッピングセンターがある、
というほうが当たっています。
小型近隣ショッピングセンターは多数。
大型買い回りショッピングセンターは少数。
そしてショッピングセンターも、
多様化しています。
このあたりの詳しい解説は、改めて、
専門雑誌やさまざまな機関誌の私の連載、
あるいは帰国してからこのブログに特別項目を設けて、
丁寧にご説明します。
さて、今回、集中的に回ったのは、
地元アリゾナ州のローカルチェーン「バーシャ」。
日本の専門誌でも、ほとんど取り上げられることがない。
「発見者?」は、我が盟友ミスター・ノブ・ミゾグチ。
ミゾグチさんは、アメリカのスーパーマーケットのこと、
何でも知っている。
私はそれを聞いていて、
大きなTide of Time(時代の潮流)を読み取る。
さらに日本のスーパーマーケットに、
当てはめられる要素を抜き出していく。
ヨーロッパの、とりわけイギリスのスーパーマーケットの状況を、
それに加味する。
そんなことを、二人でぶつけ合いながら、
だんだん、スーパーマーケットの行く末が鮮明になっていく。
それは商業全体の推移を予測することにつながって、
やがてホスピタリティ・ビジネス全体の動向があぶり出される。
刺激的な時間なのです。
ミスター・ミゾグチとの二人旅。
昼食はAJファイン店内で寿司。
さて、153店のローカルチェーン「バーシャ」は、
「AJファインフード」というグルメスーパーマーケットを、
10数店、展開している。
「アイクス・ファーマーズマーケット」という新フォーマットにも、
1店だけだが挑戦している。
もちろん「バーシャ」はフードアンドドラッグのレギュラータイプ。
さらに、小型ディスカウントタイプを持っている。
この中では、AJファインが、顧客を集めている。
私たちは、それ以外に、
おなじみの優雅なホールフーズ、
そして強烈なトレーダー・ジョーを見た。
さらにクローガー傘下の「フライ」も。
フライはマーケット・プレースという非食品強化型を展開している。
ここでも断らねばなりませんが、
日曜日のある時間帯に、
たった1店見ただけで、評価するのは苦しい。
だからAJファインとバーシャは3店、2店と、訪問。
バーシャとフライは、つい最近まで「メイン・ストリーム」と呼ばれた。
主流のスーパーマーケット。
20年前にも、こういった現象があった。
フェニックス、スコッツデール、ツーソンに限らない。
ロスアンゼルスでも、シアトルでも。
オースティン、サンアントニオ、ダラスでも。
デンバー、ボルダーでも。
「メイン・ストリーム」は苦戦続き。
そして瞬く間にコンベンショナル型(従来型・平凡型)となる。
背景には、二つの影。
ウォルマート・スーパーセンター、およびコストコ。
トレーダー・ジョーおよびホールフーズ。
その象徴が「アルバートソンの分割」だと考えてほうがいい。
クローガー然り。
「10年後、アメリカのスーパーマーケット、どうなるんだろう?」
ミスター・ミゾグチと私。
最後に、疲れきって、車を降りた。
イノベーションに無関心なる者、細る。
自己革新無き者、衰える。
自己否定無き者、滅びる。
アメリカの店店は、
早送りの映画のように、
私たちに、はっきりと見せてくれる。
ああ、恐ろしや、恐ろしや。
今日も、漂流者の独り言。
But,Everybody! Good Monday!
<テスコ“fresh&easy”やバーシャの詳細報告の宿題を残しつつ、続く>