伊藤ハムとドンキホーテと緒方知行さん、とにかく「感謝!」
今日から、師走。
あと1カ月で、2007年が終了。
私にとって、55歳となった年という以上に、
激変の1年だった。
今年、私が、一番たくさん使った言葉。
何だと思いますか?
それは、
「感謝」
だから、2007年を「感謝の年」と呼ぼう。
皆さん、ありがとうございました。
その、師も走る12月。
私には、やっと、
静かで、ゆったりとした時間が訪れる。
多分、そのはず。
静かに、ゆったりとした気分で、
世間を見つめてみよう。
さて、11月30日。
朝から、東京・目黒の㈱伊藤ハムへ。
旧知の㈱伊藤ハムのお二人。
マーケティング研究所代表取締役社長・大西徹男さん。
そして、伊藤ハム執行役員の池内博昭さん。
池内さんは、営業事業本部・東京事業部事業部長。
大西さんは、伊藤ハムの顔。
池内さんは、伊藤ハムの頭脳。
私が勝手に言うのだから、お許しください。
お二人との話は、面白い。
全国のスーパーマーケットの最新の話題など、
意見交換、意気投合。
なかなか、私の話題にかみ合う製造業の人はいない。
最近の、私流の言い方ならば、
「商人よ、正人であれ」の問題。
表示の問題、廃棄の問題、環境の問題、
食糧危機の問題、
話題は広がる。
そして、日本と世界のチェーンストアの問題、
アメリカ視察研修の話題。
河西力社長の下の新体制、伊藤ハムも確かな足取り。
目黒から、恵比寿を経由して、六本木へ。
このとき、私、タクシーの中に、
携帯電話を置き忘れたことに気づいた。
今の私にとって、最も困ること。
しかし、半年に1回くらい、これがある。
すぐに処理。
2時間後に、発見され、一安心。
六本木で、少し時間があったので、
ドンキホーテ六本木店を訪問。
6階までの鉛筆ビル。
屋上に観覧車を設ける意図で、
その設備を施したが、
実施せず。
店は、例の、圧迫陳列。
アメリカでは、あまり見ることが出来ない。
しかし、コーナー別に、商品のくくりが出来てきて、
ここにしか品揃えしていない商品がある。
ただし、「激安王」と自ら謳っているが、
決してすべて「激安」というわけではない。
安さよりも、品揃えが変な店。
それが東京・六本木の地域に適応している。
ドンキを訪れていつも思うのは、
棚卸しと在庫量のこと。
帳簿棚卸しは、可能だが、
実地棚卸し、大変だろう。
小売業は、在庫を増やさなければ、売上げは増えない。
しかし、在庫しすぎると、経営は回らない。
前者のごとき概念を、総称して「リーチ」といい、
後者を「リッチネス」という。
この危うさ、この難しさが、
小売業である。
それを、いつも感じさせてくれる。
考えさせてくれる。
その意味で、皆さん、
ドンキホーテを見続けてください。
あまり、真似しようとは考えないほうが良いけれど。
六本木では、北海園中華飯店で、
オフィス2020の緒方知行さんと昼食。
私の、商業界入社時の直属上司。
1977年段階の『販売革新』名物編集長。
現在、『2020』編集主幹。
私の、今後について、
温かいアドバイスをいただいた。
1年くらい、ゆっくりせよ。
そして、本を書け。
ビジョンを掲げよ。
雑誌はつくらないほうが良い。
<ちょっとでいいから、俺の雑誌に協力せよ>
ありがたいお言葉、感謝します。
私の現在の考え方と、ほぼ、一致。
これも嬉しかった。
単行本は、必ず、書きます。
皆さん、ご期待ください。
私のビジョンは、ご存知「商業の現代化」。
ただし、1年間、ゆっくりするというのは、
許されそうにもない。
自分ではゆっくりしたいのだけれど、
世間は、その時間を私に与えてくれそうもない。
そして、今日も思った。
宿澤広朗が私にささやき続けている。
「全力疾走をやめたら、失速する」
このところ全力疾走しすぎて、
携帯電話のほかに
大切なマフラーまでどこかに置き忘れたことに、
このあと気づいて、再び、慌てた。
娘からもらったマフラー。
鬼門に入ったかのごとき、11月末日だった。
まだ、感謝が足りない?
<結城義晴>
2 件のコメント
「差異性」とは、なかなかの名言です。
ほんとうにその通りですね。
小生は、「リーディングカンパニー」は、当然"トレンド"として、"仕掛ける"。安さで・・・・・。
それに、対抗する企業様は、どのような「ポジショニング」をとるかだと思います。
対抗するか?
違いを見える化するか?
企業の考え方ですね。
結城先生の文章拝見して、感じたこと。
小生は、「ディフェレント・トゥ・ディフェレント」だと信じてます。
「違いを生み出す違い」をだすことだと・・・・・。
「差異性」は、岩井克人さんや池田信夫さんといった
経済学者が使う用語です。
私は、流通業でよく使われる「差別化」と、
それこそ、分けて使っています。
本質的な「違い」。
「同一性」の反対語。
ただ単に、現象的・表面的に違うのではなく、
本質的なところから発した違い。
突き詰めると、この「差異性」こそが、
一人ひとりの人間が、
一人ひとり生きている意味のようなものです。
さまざまな会社が、
さまざまな顧客をつかみ、
さまざまに市場に存在している理由です。
生き方の違いが、仕事や商売に出てくる。
それが、私たちが求める「差異性」です。
面白いことに、それが、
会社や店を「再生」させるのです。